『クレヨンしんちゃん』が国民的アニメになった理由とは? 珠玉の感動回を検証

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2021年06月23日 11:01  リアルサウンド

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 臼井儀人原作の人気漫画、『クレヨンしんちゃん』。テレビ朝日系列でアニメ化され、現在は『ドラえもん』や『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』とともに、国民的人気を誇る。そんな『クレヨンしんちゃん』は、原作・アニメともにギャグ要素の強い作品。しかし感動的な話もかなり多い。


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■弱ったスズメを治療


 ある日しんのすけが道を歩いていると、空を飛ぶ弱ったスズメが地面に落ちる。それを猫が食べようとしている様子を見たしんのすけは猫を追い払って救う。そして、ねねちゃんから「男は弱いものを助けるもの」といわれ、家で治療をすることにする。


 スズメを治療したひろしは「これは人間にいたずらされたんだろ。こういうことするやつ許せねーよな」と憤り、みさえも「そうよかわいそうよ、スズメが」と話す。しかし夕飯は、焼き鳥だった。


 ミミズなどの餌をあげながら回復を祈った3人だが、みさえが動物病院の医師から「傷が深すぎて治らないって」と宣告されたことを明かし、肩を落とす。ところが、ある朝、突然スズメは元気を取り戻し空を飛び、しんのすけはその様子を見て大喜びする。


 ところがその後すぐにポトリと地に落ち、動かなくなる。ひろしは「きっと最後の力を振り絞ってしんのすけにお礼が言いたかったんだよ」と話し、みさえとしんのすけは号泣した。(12巻)


■雨の日にみさえを迎えに行く


 しんのすけを1人にして、サトーココノカドーのバーゲンに出かけようとしたみさえ。結局バレてしまうが、「アクション仮面のビデオがある」と嘘をついて、家を出る。


 ビデオはアクション仮面ではなく、騙されたことに怒るしんのすけ。突然の雨が降ってくるに気がつくと、みさえが濡れる姿を想像し、傘を持ってサトーココノカドーに向かう。途中、車がはねた水によって泥だらけになるも、無事傘を持ってみさえの前に現れる。


 その姿を見たみさえは感動し、しんのすけを強く抱きしめた。


■よしなが先生の退職に……


 よしながせんせいが電話で「私、やっぱり幼稚園やめます。あなたのために」と話している様子を聞いたしんのすけ。風間くんやねねちゃんなどとともに、先生を辞めさせないため、電話の主でよしなが先生の婚約者・石坂が勤務する会社に電車で出かける。


 石坂は会社におらず、帰りを待っていると子供を探しに来たよしながせんせいが現れ、「いったいどういうつもり? 迷惑をかけて」と叱る。するとしんのすけは泣きながら「せんせいやめるな」「石坂さんのせいだ、おバカ」と訴え、ほかの子供たちも泣いてやめないよう訴えた。


 よしながせんせいは「やめないよ、やめるもんですか」と泣き、石坂も「みどりさん、僕は君と結婚できて光栄だよ」と泣いた。


■感動が散りばめられている


 ギャグやお色気路線が強かった初期の『クレヨンしんちゃん』だが、そのなかにさりげなく感動話が散りばめられていた。紹介したエピソードはアニメでも放送され、視聴者の心を掴んでいる。そんなバリエーションに富んだ内容が、『クレヨンしんちゃん』を国民的アニメに押し上げたのかもしれない。


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