入社初日、1時間でいなくなった新入社員。「トイレに行ってきます」と言い残し…――大人気記事・すぐ辞めた新入社員トップ10

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2024年05月11日 09:01  日刊SPA!

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※写真はイメージ
新入社員が今年もやってきました。そこで「すぐ辞めた新入社員」の記事の中から、反響の大きかったトップ10を発表。まだまだある大人気記事を順位不同で紹介!(初公開2019年5月20日 集計期間は2018年4月〜2023年12月まで 記事は取材時の状況) *  *  *

 入社後、短期間で辞める社員がいるのはそれほど珍しいことではない。だが、わずか1日、それもたった1時間というのは、さすがにほとんどないはずだ。

◆ブチ切れる社長にビビる新入社員

「ついさっき『今日からよろしくお願いします!』って元気よく挨拶していた人間が忽然と姿を消したわけですから。あれは本当に衝撃的でしたね」

 そう振り返るのは、不動産会社に勤める青山誠二さん(仮名・37歳)。ただし、これは彼の前の職場である広告会社で起きたことだ。

「ちょうど’14年のGW明けごろだったと思います。そこは従業員が20人程度しかおらず、年中求人広告を出しているような会社でした」

 ちなみに青山さんは、新入社員が来ることを事前に聞かされていなかった。毎朝行っていた朝礼のとき、社長の隣に見知らぬ若い男性がいたことで知ったそうだ。

「まあ、あの会社ではいつもそんな調子でしたね。新人の教育係もその場で社長が急に決めるもんだから指名されたほうは大変ですよ。あの日も『頼むからほかの社員にしてくれ!』と祈っていました(笑)」

 幸運にも教育係は別の同僚が担当することになり、ホッと胸を撫で下ろす青山さん。しかし、朝礼が終わって10分と経たないうちに今度は社長の怒鳴り声がオフィス全体に響き渡る。

「クライアントから頼まれていたウェブ広告が修正されないまま公開されているとのお叱りの電話でした。そのことにキレた社長が担当していた社員に『ふざけんじゃねぇよ!』って大声で喚き散らしていました。自分が最終チェックしてOKを出していたんですけどね……。社長はとても気の短い人で、しかも口が汚い。取引先には見せない姿ですが、私たちにとってはいつもの光景です。でも、そんなことをまったく知らない新入社員の彼をビビらすには十分すぎる出来事だったと思います」

◆トイレに行ったまま戻ってこない!?

 このときは「初日からこんなモノを見せられてアイツ(新入社員)も災難だなぁ」という程度にしか見ていなかったそう。ところが、しばらくするとその新入社員の姿が見えなくなったという。

「社長が怒鳴り散らしてから30分ほど経ったころ、教育係を任命された同僚が『新人がトイレに行くと言ったまま居なくなった!』と騒ぎ始めたんです」

 電話を何度かけても一切出ず、LINEでメッセージを送っても既読スルーが付くだけで返信はなし。ただし、青山さんをはじめ、社員たちに大きな動揺はなかった。

「正直、またか……という程度にしか思いませんでした。社長がああいうキャラですし、拒否反応を示す人は多い。会社も仕事は毎日夜遅くまであったし、当時は基本的にサービス残業。中小企業にありがちな典型的なブラック企業だったので離職率の高さがとにかくハンパなかった。入社しても8割は1年以内に辞めているような会社でしたから(苦笑)」

◆自分が会社に見切りをつけるきっかけの1つになった

 新入社員が消えたことは教育係の社員がすぐ社長に報告していたが、翌日になって彼から辞意を伝えるメールが会社宛に届く。そこには「あの社長の下で働くのは無理です」といった内容のことが書かれていたそうだ。

「それを見て社長は案の定キレてました。自分が面接して採用したくせに、『なんで探してでも捕まえなかった!』なんて無茶なことを教育係の同僚に怒鳴ってました。ただ、個人的には1時間でバックレたくなる気持ちもよく分かる。過去最短記録だったですけど、私は彼を責める気にはなれないですね。むしろ、よく逃げた!って誉めてやりたい」

 それから2年後、青山さんも社長に嫌気が差して退職。現在の不動産会社に転職した。

「彼みたいにすぐ辞める新入社員が後を絶たず、私も社長や会社に見切りをつけて転職する決心がつきました。もちろん、すぐ辞めるのは新入社員の側に問題があるケースも多いのでしょうけど、前の職場に限っていえば悪いのは会社のほうでしたから。私が辞めるきっかけの1つを作ってくれたという点で、彼には感謝しています」

 すぐ辞めたからといって必ずしもダメなヤツと見られるわけではないようだ。

<TEXT/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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