「出産するのは私なのに」“無痛分娩”に対する嫌味に、未婚で出産した現役グラドルがア然

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2024年05月11日 09:30  日刊SPA!

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※写真はイメージです(Photo by Adobestock)
 5月7日、俳優・生田斗真がインスタグラムのストーリーで妊娠中のファンからの「出産こわいよー」というコメントに対し、「旦那様に無痛(分娩)おねだりするか」と返答。
「大変な思いをするのは女性なのに、なぜ無痛分娩はおねだりしないといけないのか」「女性は自分で決める権利がないのか」「確かに無痛分娩は高額だから、低所得な旦那に対してはおねだり対象になってしまうのか」などと物議を醸している。これを受けて、「僕の発言で傷つけてしまった方がいるようです。ごめんなさい」と謝罪したが、波紋は広がっている。

 そんな生田の発言で注目を集めている「無痛分娩」。筆者(吉沢さりぃ)も無痛分娩を選択したが、今回は実際に無痛分娩の経験者たちにどうだったのか話を聞いてみた。

◆無痛分娩を経験してみて…

「無痛分娩を選択してよかったです。というか、無痛分娩じゃなかったら生めた気がしません」と話すのは、千鶴さん(37歳・仮名)だ。

「出産って分娩だけじゃないですよね。つわりがあって、陣痛があって。そもそも10ヶ月も『この子はちゃんと生まれてくるのか』という不安とストレスを抱えている。それに加えて、男性だと死んでしまうぐらいの痛さなんて言われている普通分娩をやってのけるなんて無理です、無理」

 一般的に無痛分娩は「痛みが和らぐ」「疲労が少ない」「産後の回復が早い」といわれている。千鶴さんは妊娠当初から無痛分娩の一択だった。だが、夫や家族は普通分娩をすすめてきたという。

「私の親は『今は無痛分娩なんてあるんだねぇ』程度の反応でしたが、義実家は『ありえない!』と。クソ親のテンプレのように『無痛分娩じゃ子どもを愛せない!』『普通分娩をしないと、親として認められない!』と非難轟々でした」

 夫としても「お金も高いし、普通分娩で頑張ろう」と義両親と同意見だったんだとか。それでも千鶴さんは全て無視。産院で無痛分娩を申し込んだ。

「出産するのは私なのに、ありえないなって。うちの場合は私のほうが旦那より稼ぎも貯金もあるので、いざとなれば全部自分で払えるっていうのも大きかったですけどね」

 実際に経験してみて、この選択に間違いはなかったと千鶴さんは言い切る。

「無痛とはいえ、陣痛はめちゃくちゃ痛かったし、生まれた後も“後陣痛”とか、体にガタがきました。高齢出産だったし、本当に少しでも負担を軽減できてよかったです」

 千鶴さんの周りのママ友には「旦那のOKが出ずに無痛分娩が出来なかった子が多い」とか。

「私は気が強いし、旦那より稼いでいるので強行突破できましたが、専業主婦の子や自分で自由に使えるお金がない子はどうしても厳しいのかも。ただ、無痛分娩って通常料金にプラス10万円ですよ? もしも私が無職だったとしても実家にお金借りてでも無痛にしたとも思いますが。どういう出産方法を選択するかの決定権は、奥さんにあるべきだと思います」

◆親戚やママ友から嫌味を言われ続けて…

 逆に「無痛分娩をしないほうがよかった」という人もいた。ナオミさん(42歳・仮名)は、2人の子どもを出産したが……。

「10年以上前のことなんで、今ほど無痛分娩を選択する人はいませんでした。ただ、私が痛みに弱いこと、旦那が心配性なので無痛分娩にしました」

 出産はスムーズに終わり、子供たちもスクスク成長した。いったい、何が問題だったのだろうか?

「今でも『お腹を痛めて出産しないと子どもを愛せない』なんて人がいますが、当時はもっと多かったんです。最初は無痛分娩のことは黙っていたんですが、ひょんなことから周りにバレてしまって、嫌味を言われ続けてきました」

 当時は“芸能人やセレブしか無痛分娩をしない”といったイメージを持つ人も多かったようで、ママ友に嫌味を言われてしまうこともあったようだ。

「隠していてもどこの病院で出産したのかなどを話していたら、自然とバレてしまいますよね。もっと用意周到に嘘で固めておけば良かったのかもしれません」

 ナオミさんが何より嫌だったのは、義姉からの口撃だったそうだ。

「旦那の兄の嫁がすごく癖が強い人だったんです。何かにつけて『無痛分娩だからだよ!』といってくるんです。うちの子どもが風邪をひけば『出産を頑張っていないから風邪をひきやすい』だし、乳児湿疹が出れば『無痛分娩だから栄養が行き渡っていない』といった感じで(苦笑)」

 もはや単なる言いがかり……。“本家の長男の嫁”ということで、義両親にも可愛がられていたという義姉。実家で彼女の意見に逆らえる人はいなかったようだ。

「無痛分娩自体はすごく良かったけど、私の場合は風評被害といいますか。こんなにずっと嫌味を言われるってわかっていたら、普通分娩にしておけば良かった、と思ってしまうことが何度もありました。もうさすがに慣れましたけど」

 これから上の子が受験を控えているナオミさんは「第一志望に落ちたらまた『無痛分娩だから!』って義姉に言われると思います」と苦笑い。

◆出産するのは女性である

 筆者(吉沢さりぃ)も去年、息子を無痛分娩で出産した。

 無痛とはいえ、全て何もかもの痛みがなくなるわけではないので、前出の千鶴さんと同様に今でも「無痛じゃなかったら死んでいたかも」と思う。

 すでに別れていたパートナーから出産費用を半分出してもらえたが、一般分娩よりも高額な無痛分娩を選択したことには、弁護士ヅテに苦言を呈された。

 出産時にはもう別れていたので仕方ないことなのかもしれないが、これが夫婦だったら大喧嘩になっていただろう。普通分娩にせよ、無痛分娩にせよ、出産するのは女性。やっぱり選択権は女性にあるべきだと思う。

<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。X(旧Twitter):@sally_y0720

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