ホン・サンス監督、モノクロ映像で好奇心や想像力を刺激する『WALK UP』予告編解禁

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2024年05月14日 10:00  ORICON NEWS

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ホン・サンス監督の長編28作目『WALK UP』6月28日より全国順次公開 (C) 2022 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED. 
 ベルリン国際映画祭で銀熊賞を5度受賞している韓国を代表する映画監督ホン・サンスの長編28作目『WALK UP』が6月28日よりより東京のヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、Strangerほか全国で順次公開される。

【動画】映画『WALK UP』予告編(90秒)

 端正なモノクロームの映像で紡がれる本作は、都会の一角にたたずむ地上4階・地下1階建ての小さなアパートを舞台にした人間ドラマ。ドラマ『冬のソナタ』(2002年)のキム次長役で知られ、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20年)、Netflixシリーズ『寄生獣 ―ザ・グレイ―』にも出演し、ホン・サンス監督作品の常連でもあるクォン・ヘヒョが映画監督のビョンス役で主演を務める。

 予告編は、著名な映画監督のビョンス(クォン・ヘヒョ)が、インテリア関係の仕事を志望する娘のジョンス(パク・ミソ)と一緒に、インテリアデザイナーとして成功した旧友ヘオク(イ・ヘヨン)の所有するアパートを訪れる場面から始まる。ヘオクの案内で1階がレストラン、2階が料理教室、3階が賃貸住宅、4階が芸術家向けのアトリエ、地下がヘオクの作業場になっているアパートを見学していく。

 やがて、アパートのオーナーのヘオク、ビョンスの熱烈なファンだというレストランの店主兼シェフのソニ(ソン・ソンミ)、世話好きな不動産業者の女ジヨン(チョ・ユニ)らと親密な関係を育んでいく様子が切り取られていく。ビョンスがギターを弾き、娘とヘオクと3人で和やかなひと時を過ごしている中、仕事の連絡が入りビョンスがその場を離れると…。

 本編では、ビョンスが戻ってくると、そこには娘のジョンスの姿はなく…。アパートの階をひとつずつ上がるごとに、いつしか物語は4つの章へと枝分かれし、ビョンスと彼を取り巻く女性たちの人間模様は予測不能な方向へとねじれていく。

 これは、“もしもの人生”を提示したパラレルワールドなのか、それとも…?ユーモアあふれるトリッキーな仕掛けから、芸術家たちの葛藤やささやかな喜び、そしてままならない人生の本質が浮かび上がっていく。「第70回サン・セバスチャン国際映画祭」や「第47回トロント国際映画祭」などの映画祭でも高く評価された。

 これまで10作品以上のホン・サンス監督作品に出演し、ほとんどの作品でホン・サンス監督の分身のような映画監督役を好演してきたクォン・ヘヒョ。単独主演は『それから』(17年)以来となる。出演者は撮影当日に初めて台本を受け取るという特異なホン・サンス監督の撮影スタイルについて「役作りのために特別なことはしていません。私にとって、ホン・サンス監督と一緒に映画を撮るということは、新しい旅に出るようなものです。何も準備しないのが一番なんです」とコメント。観る者の好奇心や想像力を刺激してやまないホン・サンス監督の新境地に期待が高まる。


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