道端に停車したパトカー、車体の5文字にギョッとしたが… 日本一優しい警官に「素晴らしい」の声

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2024年05月16日 05:50  Sirabee

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Sirabee

(©ニュースサイトしらべぇ)

後ろめたい行為や犯罪に手を染めていなくとも、警察官とすれ違ったり、前を歩くときは妙な緊張感があるもの。特に車の運転中は、普段以上に「安全運転」を心がける人も多いだろう。

現在X上では、とある国道沿いで目撃された「驚きの警察官」の正体に、称賛の声が寄せられている。

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■この警官たち、どこかおかしい…?

今回注目したいのは、Xユーザー・RasandRoadさんが4日に投稿した1件のポスト。

こちらの投稿には、道路沿いに2名の警官と移動式オービス、パトカーが写った写真が添えられているのだが、写真全体からそこはかとなく違和感が漂っている。

そこでポスト本文を見ると、なんと「R176沿いに斬新なおまわり人形があった」と、衝撃のネタバラシが綴られていたのだった。

 

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■車体には「POLICE」でなく…

よく見ると手前の男性警官の足元が固定されていたり、女性警官のスカートが明らかに短かったり、オービスが一斗缶だったり、パトカーのナンバーが日本のものではない…など、間違い探しのようなヒントが散りばめられているが、初見ですぐ「人形」と見破るのは難しいだろう。

驚きの光景は人々に衝撃を与えており、件のポストは投稿から数日足らずで1.5万件以上ものリポストを記録するほど話題に。

他のXユーザーからは「こういう斬新なの好き、素晴らしい」「(顔が)ビートたけしやないか!」「新たな観光地になりそう」「ツッコミどころ満載だけど、抑止になるのは間違いない」「時々本物の警官と入れ替わってたら、より効果あるな」など、驚きと称賛の入り混じった声が多数寄せられていた。

ポスト投稿主・RasandRoadさんに話を聞いたところ、これらの人形は兵庫県丹波篠山市の国道176号線沿いで発見したものと判明。

人形がいる方とは反対の車線を運転していたため「自分には関係なさそうだな」と思い、そのまま通り抜けようとしたが、パトカー車体の文字に違和感を覚え、Uターンして引き返すことに。すると、パトカーには「POLICE」でなく「PEACE」と書かれており、警官は人形であると気づいたのだ。

発見時の心境について、RasandRoadさんは「交通安全協会が設置した警察官人形とは違った風貌で、見事に引っかかった自分に半ば呆れつつ笑ってしまい、誰かに共有したい思いでXにポストしました」と振り返っている。

しかし、ここまで精巧な警官の人形を設置し、法的には問題ないのだろうかという疑問も…。そこで今回は、話題の人形を設置した兵庫県三田市の「エムクラスガーデン・三田」に詳しい話を聞いてみることに。

すると、決して「ジョーク」の一言で片付けられない、人形の素晴らしい正体が明らかになったのだ。

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■地元民、完全にノリノリである

R176沿いに斬新なおまわり人形があった pic.twitter.com/XHMPiah6gS

— ラス&ロード (@RasandRoad) May 4, 2024

オブジェクトが設置されたのは、話題のポストが投稿されるほんの数日前の、5月1日のこと。

エムクラスガーデン・三田を運営する宮田守さんは「車線が長い国道では事故が多く、しかもこちらは通学路となっているため、悲しい事故が少しでも無くなれば…と思い、設置させて頂きました」と、設置までの経緯を説明する。

とは言え、なかなかアクの強い人形なので、地元民は戸惑っているのではないだろうか。…と思いきや、近隣住民からのウケはかなり良いようで、宮田さんは「ご近所のおじいちゃん、おばあちゃんからは『孫が通学路で通る道なので、人形が設置されてから車の走行スピードが遅くなって嬉しい』とのお声を頂いています」と、笑顔を見せていた。

なお、県内外の他施設にもこうした人形のオブジェクトを設置しており、いずれの施設からも評判は良好。

小児科からは「お子様が警察官に守られている」、美術館からは「警察官オブジェがあることで、防犯効果がある」、自動車教習所からは「免許を取りに来られている生徒さんたちは若い方が多く、皆さんSNSに投稿してくれるため、今まで以上に認知度がアップした」といった具合に、喜びの声が寄せられているそうだ。

 

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■警察や議員に相談するも…

…と、各所で人気とともに受け入れられた人形だが、公道にこうした「警察組織」を連想させるオブジェクトを設置することに問題はないのだろうか。

宮田さんは、設置に至るまでの経緯を「今回の場所に関わらず、全国あらゆる道路で悲惨な事故が発生していますが、信号機を設置するなどの方法は莫大な費用がかかるため、安価で効果のある方法を考えていました」と振り返る。

そうした中で、この「警官人形の検問所」を閃き、警察や議員らに提案をするも良い返事はもらえず、「自治体など地域の方々に相談してください」と返ってきたという。

これではなかなか前に進まないと…と感じた宮田さんは「論より証拠」と言わんばかりの行動力で、具体的な効果を実感してもらうべく、三田市内で運営するカフェ『Shrine Paddy Field』にて、地元・三田警察署へ申請を行うことに。

その後は兵庫県警察の確認を経て、様々な要望をクリアし、話題のオブジェクトが設置されるに至ったのだ。ちなみに、前出のカフェに設置された警官とパトカーが「第1号」だそう。

今回大きな話題となった件について、宮田さんは「今回僕がさせて頂いた速度取締り違反オブジェが良い事例となって、全国の事故が多発する箇所などに広まり、少しでも悲しい事故などが減ってくれると嬉しいです」と語っている。

宮田さんの切実な思いが込められたこれらのオブジェクトは、「日本一優しい警官たち」と称しても過言ではないだろう。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

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