名誉パルムドールを受賞したメリル・ストリープ。白いドレスを纏い、カンヌ開幕日のステージに立った(『Festival de Cannes Instagram「Juliette Binoche remet une Palme d'or d'honneur à la “Dancing Queen” Meryl Streep」』より) 米女優メリル・ストリープ(74)が、カンヌ国際映画祭の名誉パルムドールを受賞した。メリルは35年ぶりにカンヌのステージに立つと、「計り知れないほど、光栄に思います」と感激を述べた。さらに自身のキャリアを振り返る映像が流されると、「まるで超高速列車の窓から眺めているよう」と言い、「私の顔に飽きず、列車を降りずにいてくれたことに感謝します」とジョークを加えた。
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現地時間14日、フランス南部コート・ダジュールの都市カンヌで「第77回カンヌ国際映画祭」が開幕した。
今月25日まで開催される華やかな映画祭の幕開けを飾ったのは、米大御所女優メリル・ストリープへの名誉パルムドールの授賞式だ。
会場のステージには、仏女優ジュリエット・ビノシュ(60)がプレゼンターとして登場し、メリルに賞を授与した。メリルがカンヌ国際映画祭のステージに立つのは、1989年に映画『クライ・イン・ザ・ダーク』(原題: A Cry in the Dark、1988年公開)で最優秀女優賞を受賞して以来、35年ぶりとなる。
名誉パルムドールは映画界に多大な功績をした俳優や映画監督を称える賞で、今年はメリルに加え、ジョージ・ルーカス監督と団体初となる「スタジオジブリ」の受賞が発表されていた。
この日、メリルは白いドレスを着てステージに現れると、ジュリエットからトロフィーを受け取った。そしてスピーチでは、「このような名誉ある賞の知らせを受け、計り知れないほど光栄に思います」と述べ、こう続けた。
「カンヌ国際映画祭での受賞は、国際的な芸術家コミュニティにとって、常に映画製作という芸術における最高の達成を意味します。以前に称えられた人々の影に立つことは、屈辱的であると同時にスリリングなことでもあります。」
そして会場で自身のキャリアを振り返る映像が流されると、メリルは冗談交じりにこう話した。
「まるで超高速列車の窓から、私の青春時代が中年期へと飛翔し、まさに今夜このステージに立っているところを眺めているようです。私の顔が嫌にならず、列車から降りずにいてくれたことに、本当に感謝しています。」
この後には、かつて自身の母親から言われたという言葉をこのように回想した。
「常にすべてのことに正しい母が、こう言ったのです。『メリル、いつか分かるわ。すべてがあっという間に過ぎ去ることを。本当に速いのよ』とね。そして実際にそうなった。ただし、私の長すぎるスピーチを省いてね。」
続いてメリルは35年前にカンヌに出席したことについて、「あの時、私はすでに3児の母で40歳になろうとしていた。キャリアは終わったと思っていました」と振り返ったうえで、こう述べた。
「それは当時の女優にとって、非現実的な期待ではなかった。そして私が今夜ここにいて、それが続いている唯一の理由は、私が一緒に仕事をした非常に才能あるアーティスト達のおかげです。」
そしてメリルは、自身が出演した映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019年米公開)を監督した、審査員長のグレタ・ガーウィグを指差した。ガーウィグ監督は、カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めた初の米国人女性監督だ。
画像は『Festival de Cannes Instagram「Juliette Binoche remet une Palme d'or d'honneur à la “Dancing Queen” Meryl Streep」』より
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)