「ショックを受け、怒り、信じられない思いだった」
米OpenAIの生成AI「GPT-4o(フォーオー)」に使われている声の一つ「Sky」が、俳優のスカーレット・ヨハンソン氏にそっくりだと話題になった件をめぐり、同氏が代理人を通じて声明を発表した。
声明によると同氏は、OpenAIのサム・アルトマンCEOから「声を提供してほしい」というオファーを受け、断ったにも関わらず、そっくりな声がAIに採用され怒りを覚えたという。
ヨハンソン氏は対応のため弁護士を雇わざるを得なかったとし、「透明性の高い解決と、個人の権利を保護するための適切な法律の制定」への期待も述べている。
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●「アルトマン氏が不気味なほど似た声を追求するとは」
Open AIは5月13日(現地時間)、GPT-4oを発表し、音声で会話するデモを公開。そこで流れたAIの声「Sky」が、名作映画「her/世界でひとつの彼女」に登場する人工知能OS「サマンサ」にそっくりだと話題になった。サマンサはヨハンソン氏が演じている。
デモの後、アルトマン氏は自身のXに「her」とポスト。Skyはヨハンソン氏の声だともとれる内容で、憶測が広がっていた。
声明によるとヨハンソン氏は2023年9月、アルトマン氏から「声を提供してほしい」とオファーされていたという。ヨハンソン氏は熟考したが「個人的な理由から」断った。
だが、24年5月13日に公開されたSkyの声はヨハンソン氏にそっくりで、「デモを聞いたとき私は、ショックを受け、怒り、信じられない思いだった。アルトマン氏が私の声に不気味なほど似た声を追求するとは」などと驚きをあらわにしている。
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ヨハンソン氏は弁護士を雇ってSkyの声を取り下げるよう交渉。OpenAIは「渋々」取り下げに同意したという。
●OpenAI「有名人の声を意図的に模倣すべきではない」
OpenAIはヨハンソン氏の声明の2日前(5月19日)、AIの声に関する声明を公表していた。
これによると、「AIの声が有名人の声を意図的に模倣すべきではないと考えている」「Skyの声はスカーレット・ヨハンソンの模倣ではなく、別のプロの女優が彼女自身の自然な話し声を使って真似したもの」などと主張。Skyの声優の名前は「プライバシー保護のため」公表できないとしている。
また、GPT-4oの音声(全5種類)は、5カ月をかけたオーディションで、400人を超える応募者から慎重に選ばれたとしている。また彼らは「市場最高額を超える報酬を受け取っており、当社の製品に使用されている限り続く」としている。
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