ドジョウ顔のフランス車? かなりレアなこのクルマの正体は!

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2024年05月24日 20:11  マイナビニュース

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丸みを帯びた黒い車体につぶらな瞳、そしておちょぼ口なグリル(?)の雰囲気……。なんとなくドジョウとかナマズを連想してしまうかわいい1台ですが、このクルマの正体とは?


ヒント:正面から見てみましょう

ボンネットの先端に書いてあるのは「Panhard」の文字です。こういうつづりはフランス語でよく見ますよね。今のところ、どう読むのか見当もつきませんが……。


おそらくフランス車かと思いますが、このクルマの正体は? モビリティジャーナリストの森口将之さんに聞いてみました! 次のページで教えていただきます。



――正解は次のページで!



○問題をおさらい!


正解はこちら!


○【答え】パナール「ディナZ」


正解はパナール「ディナZ」です。



パナールは1890年、フランスではプジョーとともに、いち早くガソリンエンジンの自動車を作りはじめました。その後の主流になった「フロントエンジン・リアドライブ」(FR)方式を最初に実現したブランドでもあり、当時は「システム・パナール」と呼ばれるほどでした。



第二次世界大戦前は大型車中心のラインアップでしたが、戦争でフランス国内が多大な被害を受けたこともあって、アルミボディに空冷水平対向2気筒エンジンを積んだ前輪駆動という先進的なメカニズムを持つ小型車「ディナX」を1946年に送り出しました。



ここで紹介する「ディナZ」は、後継車として1954年に発表されたものです。大きく違うのがボディサイズで、ディナXよりふたまわり大きく、全長4,570mm、全幅1,668mm、全高1,430mmもありました。長さで言えばトヨタ自動車「プリウス」とほぼ同じです。

しかし、アルミボディのおかげで重さはわずか650kg、空気抵抗も小さかったおかげで、850ccしかない空冷水平対向2気筒エンジンでも十分に走るという、フランスの叡智を結集したような1台だったのです。



ただし翌年、パナールはシトロエンからの資本参加を受け、後に完全に吸収されます。この過程でディナZのボディ材質は、少しずつ鉄に置き換えられていきました。



その後は1959年に「PL17」に進化し、4年後には2ドアの「24」が登場するものの、1967年に生産を終了。パナールの乗用車は姿を消すことになり、シトロエンが設計した「GS」がこのクラスを受け継ぐことになりました。



「乗用車は」と書いたのは、パナールは並行して軍用車も作っていたからで、こちらは最近までパナールのブランドで生産を続け、「アルクース」と名を変えた現在も技術は受け継がれています。


以上、森口将之さんの解説でした。それでは、次回をお楽しみに!



森口将之 1962年東京都出身。早稲田大学教育学部を卒業後、出版社編集部を経て、1993年にフリーランス・ジャーナリストとして独立。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員を務める。著書に『これから始まる自動運転 社会はどうなる!?』『MaaS入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略』など。 この著者の記事一覧はこちら(MN ワーク&ライフ編集部)

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