Q. 劣等感が強く苦しいです。どうすれば克服できますか?
Q. 「自分の外見にも学歴にも、ずっと劣等感があって苦しい思いをしています。自分より優れていると思う人に会うと、みじめな気持ちになってしまうので、人が集まる場所も避けてしまいます。このままではいけないと思うのですが、どうやって劣等感を克服していけばいいでしょうか?」A. 一番簡単で効果的な方法は「コンプレックスを口に出すこと」です
劣等感を克服することは可能です。人によっては、「劣等感の原因をなくさなければ、根本的な解決にならない」と考える人もいるかもしれません。たしかに、劣等感を持っている容姿や学歴などを自分の理想通りにしようと努力することも素晴らしいですが、現実的には非常に時間がかかって難しいものです。
まずは今抱えている「劣等感」が、自分の感情や思考、行動に悪影響を及ぼさないように変えていくことが近道であり、有効な方法です。
可能なら「お手本となるような人物」を探してみましょう。自分と同じような、何らかの劣等感やハンディキャップを克服して成功している人は必ずいるはずです。
こうした人の生き方から、よい方法が見つかることは珍しくありません。結果として、劣等感という「負のエネルギー」を、何かを成し遂げる「正の原動力」に変えられることができれば、それが一番でしょう。
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自分が劣等感を持っていることには触れたくないかもしれませんが、「自分の感情から切り離して」、口にすることには効果があります。
やみくもに劣等感にのまれることなく、自分が劣等感を感じるものや感情を、客観視することができるからです。
そして劣等感を覚える相手がいた場合に、避けるのではなく、「素晴らしいね!」と口にして伝えることができれば、非常に大きな一歩です。
こうしたステップを少しずつ重ねていくことで、劣等感を覚える点も、自分の個性として受け入れられるようになります。
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もし強い劣等感から、仕事などの日常生活にまで支障が出るほどの状態になっているなら、精神科(神経科)の受診もぜひ考慮してください。
中嶋 泰憲プロフィール
千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。(文:中嶋 泰憲医師(医師))