「株価10倍を達成したゲーム株」はこれ!日本株高騰のなか“明暗くっきり”のゲーム銘柄8選

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2024年06月16日 09:30  日刊SPA!

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ヒットタイトルが待たれるスクエニ公式サイト
―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―
◆時代の波で激しく変動するゲーム株

 すき家を展開するゼンショーの株価はここ10年で約10倍、三菱UFJ銀行の株価は4年で約4倍……。予想を超える高騰で、儲かっているという方も多いと思います。では、ゲーム株の動きはどうでしょうか? ゲーム株には中東のオイルマネーが流入しているという噂も!?

 今回は、大手ゲームメーカーやスマホアプリメーカーのなかから、時代の波に乗って株価が大きく変動した8銘柄をピックアップ。まさに明暗くっきり! みなさんは注目しているゲーム株はありますか?(※以下、コラム内の株価はすべて現在の分割を考慮した数字です)

◆●日本を代表するゲーム株・任天堂

 Wii Uの失敗で一時期低迷していた任天堂株。2012年には807円の安値をつけましたが、Nintendo Switchの大ヒットで上昇気流に乗り、今年2月には上場来高値となる9028円を記録しました。現在はやや下落して調整中なものの、いまだに高値圏で推移。

 ただし、Switch本体の売上はピークを過ぎ、後継機の全容もいまだ見えず、先行きは不透明。任天堂の株価はハードの成否に大きく左右されます。後継機の発表で株価がどのように動くか注目です。

◆●「量から質への転換」を図るスクウェア・エニックス

 2012年からのアプリゲームブームに乗り遅れたスクウェア・エニックス・ホールディングスの株価は、2013年に943円の底値をつけました。しかし、コロナショック以降、巣ごもり銘柄の代表格として注目され、2020年には株価7000円を達成しました。ただ現在は、2023年6月の上場来高値7566円からおよそ4割減の4000円台半ばまで下落しています。

 2024年3月期に、開発中のゲームの見直しで220億円の特損を出し、5月に発表された新中期経営計画では、「量から質への転換」を打ち出しています。ここのところスマホアプリや新規のコンシューマゲームでヒット作に恵まれていないスクエニ。『ドラクエ』『FF』に肩を並べる新ブランドが待たれます。

◆●世界進出に成功したカプコン

 2017年末頃から株価が上がり始め、300円台だった株価が、昨年夏には3000円を超えて約10倍を達成したカプコン。『モンスターハンター』のグローバルブランド化、『ストリートファイター』のeスポーツ化などにより海外での売上が増加したことや、旧作のリピート販売が好調を続けていることが評価されています。

 PSPや3DSで展開されていたかつての『モンスターハンター』は、海外での販売本数が日本の1/4程度に留まるなど、認知度アップが課題でした。2018年発売の『モンスターハンター:ワールド』の成功はカプコンにとって非常に大きかったといえます。看板タイトルの『バイオハザード』も、VRに対応するなど時代に合わせてブランドを保っています。

◆●往年のハードホルダー・セガの復活なるか?

 ドリームキャストの失敗で経営不振のセガをパチスロ遊技機メーカーのサミーが買収して、2004年に誕生したセガサミーホールディングス。2006年に株価4980円の上場来高値をつけたものの、以降はおおよそ1000〜2000円台のレンジ内で推移。

 2020年のコロナ禍では巣ごもり需要で他のゲーム株が高騰しましたが、セガサミーはサミーの遊技機事業とセガのゲームセンター事業が不調に……。セガはゲームセンターを売却、撤退するなど苦しい状況が続いています。昨年4月に『アングリーバード』で知られるフィンランドのロビオ社を約1000億円で買収したセガ。その効果が今後現れるでしょうか。

◆●『パズドラ』大ブレイク後のガンホーは?

 2012年にリリースした『パズル&ドラゴンズ』の空前のヒットで、およそ1年間で100倍という伝説的な大相場を演じたガンホー・オンライン・エンターテイメント。2013年に上場来高値16330円をつけたあと、株価は右肩下がりとなり、コロナショックの底で1359円をつけました。現在はなだらかに回復し株価は2700円前後で推移しています。

『パズドラ』のブームは落ち着いたものの、根強くファンに支持され、現在でもセールスランキングトップ10に顔を出しています。この5月には国内累計6200万DLを記録しました。また、低年齢層向けのSwitch用アクション『ニンジャラ』(2020年DL開始)が世界累計1100万DLを突破と、新たなブランドも確立しつつあります。ゲーム事業がメインのガンホー。『パズドラ』の奇跡は再び起こるのでしょうか?

◆●『モンスト』を当てたmixiの次なる狙いは?

 招待制のSNSサービスとして一時代を築いた「mixi」。2006年に上場したあと、ブームの終焉とともに株価は下がり、2013年には高値から約1/15の200円台に……。しかし、2013年9月に配信が始まったスマホアプリ『モンスターストライク』が大ヒット。一気に7000円近くまで株価は上昇しました。

 現在は株価3000円手前。競輪アプリを中心としたスポーツ事業、子ども用GPSサービス「みてねみまもりGPS」など事業は多様化しており、ゲーム株とは言えないかもしれません。

◆●『ドラクエウォーク』の開発を手掛けるコロプラ

 位置ゲーム『コロニーな生活』から始まり、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』『白猫プロジェクト』で名を馳せたコロプラ。上場来高値は『白猫プロジェクト』配信開始の2014年につけた4975円。その後は『ドラゴンクエストウォーク』配信開始時の2019年に株価上昇局面があったものの、現在は5〜600円台。

『白猫』ブランドは長寿命化に成功し、『ドラゴンクエストウォーク』も堅調。新たに注力しているブロックチェーンゲームや、『真・女神転生』シリーズの名物クリエイターだった金子一馬氏を迎えての新作の出来が、株価浮上のきっかけになるかもしれません。

◆●『ラブライブ』で一世を風靡したKLab

 ソーシャルゲームの開発・運営を軸に事業を展開し、2011年に上場したKLab。2013年配信開始の『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』(運営:ブシロード)の開発で脚光を浴び、2014年には上場来高値をつけました。

 しかし、2022年にはその流れを汲む『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』から撤退というニュースもあり、株価は現在上場来安値の200円代前半に突入する逆テンバガー(1/10)状態。今年1月に、「『ポケモン』ライク」と世界的に話題になったサバイバルアクション『パルワールド』の制作スタジオとのゲーム共同開発を発表し、そこに期待がかかります。

 以上、数あるゲーム株のなかから8銘柄の動きをざっくりと見てきました。Switchの後継機はどうなる? ブロックチェーンゲームの行方は? メタバースゲームは浸透するのか? 次なるゲーム株の主役をいち早く見つけたいものです。

<文/卯月 鮎>

―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―

【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン〜なつかしゲーム子ども実験室〜』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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