「夏バテ」「血糖値スパイク」に注意、暑い夏に「麦とろご飯がいい」理由を専門家に聞く【麦とろの日】

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2024年06月16日 15:00  ORICON NEWS

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【麦とろの日】暑い夏に「麦とろご飯がいい」理由を医師に聞いた
 6月16日は、「むぎ=6」「とろ=16」の語呂合わせから“麦とろの日”と制定されているそう。夏を目前に控え、のど越しよくサラリと食べられる麦とろごはんは、定食屋等でも人気メニューのひとつだ。栄養価も高いことから、体調を崩しがちなこの季節には最適。夏バテ防止にも活用できる「麦とろ」について、専門家に聞いた。

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■「麦とろご飯」で夏バテ知らずの体質に

 粘りの強い山芋をだし汁で伸ばして作ったとろろを、ぷちぷち食感が楽しい麦ごはんの上にかけて食べる「麦とろご飯」。暑くて食欲がない…という日でも、簡単でスルっと食べられることから、コンビニや定食屋等でも取り入れられている。

 「麦とろご飯」が体にいいイメージもあるのはなぜか。麦ごはんの主役である大麦には、ビタミンB類やミネラルが豊富。とろろとなる山芋にもビタミンB群や食物繊維、カリウム、マグネシウムなどの栄養素が含まれている。東京慈恵会医科大学付属病院栄養部の濱裕宣先生は、「麦ごはんととろろを組み合わせることで、発汗で失われがちな栄養素の補給ができ、ダブルで夏バテ対策になります」と話す。

 汗をかくと水分だけでなく、臓器や組織を円滑に働かせるために必要なミネラルや、糖質を燃やしてエネルギーに変える際に欠かせないビタミンB1などの成分も失われてしまう。また、暑さによるストレスを受けるとミネラルが消費されるため、さらにミネラルが足りなくなる。

 とろろのネバネバの成分とでんぷんの消化酵素であるジアスターゼが、たんぱく質やビタミンB1類などの栄養の吸収率を高め、胃腸の消化吸収も助けてくれる。このことから、麦とろご飯はダブルで夏バテ対策ができるのだ。

■「血糖値スパイク」は“麦とろご飯”で阻止

 最近「血糖値スパイク」という言葉を耳にしたことがある人もいるだろう。「血糖値スパイク」とは、食後に血糖値が急上昇と急降下することをいう。正常な人の場合、血糖値は緩やかに変化するが、血糖値スパイクは変化の波が激しいのが特徴で、「食後高血糖」とも言われている。

 このような血糖値の急激な変化は、血管に大きなダメージを与えるため、血管が詰まる原因となり様々な病気を引き起こしてしまうそうだ。「動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの病気の原因になります」と、濱先生は警鐘を鳴らす。

 血糖値スパイクの症状は、全身のだるさやめまい、頭痛など、夏バテに似ている。通常の検査では見つけにくいので注意が必要だ。血糖値スパイクが起こりやすいのは、炭水化物中心の食事、運動不足、糖尿病予備軍の人たち。特に夏は、そうめんや冷やし中華など、炭水化物に偏った食事が増えるため、血糖値スパイクのリスクが高まるという。

 そんな時、予防のひとつとなるのが「麦とろごはん」。“麦ごはん+とろろ”の組み合わせは、白米との組み合わせよりも血糖値の上昇が抑えられることも研究で明らかになっていると濱先生は話す。

「血糖値スパイクを防ぐには、食事の内容だけでなく、食べ方にも気をつけてみてください。早食いは血糖値スパイクのリスクを高めます。ゆっくりよく噛んで食べることを心がけましょう」(濱先生)

 運動不足も血糖値スパイクの原因の一つに。「適度な運動は、血糖値の上昇を抑える効果があります。日頃から軽い運動を取り入れることをおすすめします」(濱先生)

 夏バテ予防には、バランスのとれた食事と適度な運動が欠かせない。これから気温が高くなる季節。「麦とろごはん」を取り入れて、健康に夏を乗り越えよう。

〇監修:濱裕宣先生
東京慈恵会医科大学付属病院栄養部部長 管理栄養士
「はじめての減塩」「その調理、9割の栄養捨ててます!」「慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ」など多数の健康レシピ本に関わる。給食栄養管理と臨床栄養管理をバランスよく機能させ、患者の立場に立った食生活の向上指導などにあたる。

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