松下洸平“周明”の行動に視聴者疑念…そこに近づく佐々木蔵之介“宣孝”がたまらない|大河ドラマ「光る君へ」第23回

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2024年06月16日 15:50  女子SPA!

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女子SPA!

大河ドラマ『光る君へ』第23回(C)NHK(以下、同じ)
越前に着任してからというもの、落ち着かない日々を送る為時とまひろ。

そんな中でのまひろの楽しみは周明から宋の言葉を教わることのようだが……。

周明が魅力的に描かれる一方で、宣孝がまひろに対して大胆なことを言い出す。

◆為時を悩ませる国際問題

実は日本語が話せるということが発覚した周明(松下洸平)。周明によって、朱仁聡(浩歌)が通事の三国若麻呂(安井順平)を殺していないと明らかになる。実際は商人の早成(金子岳憲)が関与、目撃した下人が源光雅(玉置孝匡)に報告したところ、殺害したのは朱だと証言するように言ったのだという。

為時(岸谷五朗)は自分で早成に尋問。宋と商いをしたいと考えた早成は、三国に賄賂を渡し、朱への取次を頼んだが、賄賂が少ないと言われてもみ合いに。その拍子に転んだ三国が石に頭をぶつけて亡くなった……というのが真相だった。急にサスペンスドラマのような展開に……!

光雅は、朱らが「国同士の商いの道を開かせようとしている」と推測。良い話のようにも思えるが、宋が直接朝廷と商いをすれば、宋人にいいようにされて朝廷が損害を被るのではないか、と考えたのだ。光雅なりに朝廷を思ってのこと。これを機に朱を排除しようとしたわけだが……。

実際に朱は宋の朝廷から、越前を足掛かりに日本との交易を図るように命じられていた。主は正直にそのことを話すが、為時としても、商いには応じないと伝えて帰国させるように、と言われている。つまり、双方の意見は平行線をたどるわけだ。為時としては頭が痛い話である。

◆距離が縮まる周明とまひろ

一方、周明。彼は対馬で生まれたが、幼いころに口減らしのために、父によって海に捨てられた。そこを宋の船に拾われたのだった。宋では牛や馬のように働かされた。ここにいたら死ぬだけだ――そう思った周明は逃げ出し、その後、医師に助けられ、見習いにしてもらった……というわけだ。

周明から事情を聞いたまひろ(吉高由里子)。周明にもっと宋のことが知りたい、とねだる。周明から宋語を学ぶまひろ。時を重ねていくにつれて、心の距離も、隣にいる距離感も近くなっていふたり。いい雰囲気だ。

為時も、伴侶としてどうなのか、と言うがまひろは首を横に振る。周明に好意を持っているようにも見えるけれど、「友」だという認識なのだろうか。周明のほうはまひろに対してまんざらでもないような空気があるような、ないような……。

しかし、まひろが左大臣・道長(柄本佑)と繋がりがあると分かった途端に表情が変わる。

朱にはまひろは左大臣の女かもしれない、うまく取り込んで左大臣に文を書かせる、と言う。そうして交易がうまくいけば、自分の出世を世話してほしい、と朱に訴える。実は強い野心を持っている人物のようだ。

◆まさかの国際ロマンス疑惑

そんな周明、SNSでは「国際ロマンス詐欺」だと盛り上がりを見せる。確かに、かっこよくて、不幸な生い立ちで、でも優秀で……さらにどこかミステリアスな雰囲気がある。そこに加えて「俺を信じるな」と言ったり、そのくせ熱心に宋語を教えたり、さりげなくスキンシップがあったり。確かに、噂に聞く国際ロマンス詐欺の手口と似ている……。

とはいえ、周明も最初からそういうつもりではなかったわけで(いや、利用は使用としていたかもしれない)、左大臣と繋がりがあると分かった途端に状況が変化した。もはや、遠く離れていても気持ちだけでまひろの恋路を邪魔しようとしているんじゃ……。

◆宣孝、見参。

そんなまひろのもとに、今度は宣孝(佐々木蔵之介)がやってくる。たんまりとお土産を持って、ニコニコとまひろと話をする。

まひろは宣孝を館に招き、酒や越前のウニで宣孝をもてなす。ウニの食べ方をレクチャーするまひろ。おいしそうに食べて見せる。宣孝もその味わいに目を丸くし、「会うたびにお前はわしを驚かせる」と言う。そして、帰り際に「都に戻ってこい」「わしの妻になれ」。

今回は、登場からずっと表情は雄弁だった。周明を値踏みするような視線、まひろの前で魅せる茶目っけのある表情、かと思えば、琵琶を弾くまひろに意味深な目線を向ける。

いや、子どものころから知っているまひろに結婚を申し込むって……とちょっと引いてしまう(なにせ視聴者としてふたりの関係はずっと見てきた)。演じているのが佐々木蔵之介だから良いけれど、まひろはどんな気持ちなの、これ! という話だ。

歴史上、まひろが宣孝と結婚したのは事実として知ってはいたが、形だけの夫婦という関係性じゃないのだな……と少し驚いてしまった。

◆まひろの気持ちは?

周明と宣孝に取り合われることとなったまひろ。本人はどちらが好きとかあるのだろうか、という話であるが、個人的には「この人、実のところあまり自分の恋愛ごとに興味がないのでは?」と思う。

ウニをおいしそうに頬張り、宣孝が持ってきた書の匂いを嗅ぎ、宋のものだって一番興味があるのは書。基本、知識欲旺盛なオタクなのである。なのに、なぜ「源氏物語」が書けるのかと言ったら、物語の持つ力を信じているから。そしてモデルになるエピソードや人物がいれば、そこから想像力で膨らませられるから、というところだろう。

どのエピソードもきっと源氏物語につながっていくのだろう、と思うと、改めて今後に向けてワクワクが増していく。

<文/ふくだりょうこ>

【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ
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