萩原利久、杉咲花と5年ぶり再共演「十二人の死にたい子どもたち」から変わらぬ尊敬の想い「僕らの世代の中で飛び抜けている」【「朽ちないサクラ」インタビュー前編】

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2024年06月17日 07:04  モデルプレス

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モデルプレスのインタビューに応じた萩原利久(C)モデルプレス
【モデルプレス=2024/06/17】俳優の萩原利久(はぎわら・りく/25)が、映画「朽ちないサクラ」(6月21日公開)で、女優の杉咲花と5年ぶりの再共演を果たした。当時から互いにレベルアップした今、改めて芝居を交わして感じたこととは。【前編】

【写真】5年ぶりに再共演を果たした杉咲花&萩原利久、迫真演技

◆萩原利久「朽ちないサクラ」で杉咲花とバディに

本作は柚月裕子の「サクラ」シリーズの始まりとなる警察小説「朽ちないサクラ」が原作。本来は捜査する立場にない県警広報職員のヒロイン・森口泉(杉咲)が、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察”の存在に迫っていく。

萩原は泉のバディ的な存在となる年下同期・磯川俊一役。泉への好意をポケットに隠しつつ、泉の調査を献身的にサポートする。

◆萩原利久「ずっと高い集中力を求められる現場だった」

2023年の春に行われた撮影。萩原は「とてもクリエイティブというか、ものづくりをする中でプロフェッショナルな方たちがいて、すごく素敵な現場でした」と振り返る。「キャストだけではなく撮影部さんや衣装さんなど、それぞれがちゃんと一つの作品に向き合っているのを、僕は現場にいながらすごく感じていました。そういう『より良くしよう』という意欲が常に色々なところから感じられるというのは作品を作るうえでとても良いことなんじゃないかなと思いますし、そういう人が周りにいるとやっぱり感化されます。『自分もそこに乗っかりたい、参加したい』と感じながら演じていました」

本作では、長回しシーンが多いのが印象的だったという。「当たり前ですが『噛んだらどうしよう』とか思ったり(笑)。頭から最後までずっと高い集中力を求められる現場だったと思います。どこの現場でもそうかと言われるとそうではないので、だからこそ不思議な緊張感はありました。でもその緊張感も含めて楽しかったです」

◆杉咲花と念願の再共演「僕らの世代の中で飛び抜けていらっしゃる方」

杉咲との共演は、映画「十二人の死にたい子どもたち」(2019)以来5年ぶり。同作には2人に加え若手オールスターが集結していたが、「僕らの世代の中で飛び抜けていらっしゃる方だなと初めて共演した時から感じていたので、またご一緒できるとわかってすごく嬉しかったです。『十二人〜』が終わった後も『もう1回どこかでご一緒したいな』と思っていました。当時からなかなか同世代の方から得られない刺激があったのですが、今回も改めてそれを感じながらやらせてもらっていました」と5年前から変わらぬ尊敬の気持ちを明かした。

5年間での互いの変化を聞くと、自身に関しては「当時19歳だったので、そこから5年も経ったら多少は変わっていると信じたい(笑)」と回答。「とはいえ『十二人〜』のときの杉咲さんは役柄的にあえてコミュニケーションを遮断する部分もおそらくあったと思っていて。逆にあれだけ同世代の人たちが集まっている中で、そこもしっかり自立していらっしゃる部分に僕は感化されていたのですが、そういう雰囲気だったので、意外と今回2度目でも初共演みたいな感覚でした。だからなんだか面白かったです(笑)。そういう意味では、初共演の時とはそもそも何もかも違っていた気がします」

◆杉咲花とのオフの時間が活きた2人きりのシーン

杉咲との再会の瞬間を「『久しぶり』とは言いつつ、どこか初めましてみたいな空気感だったと思います(笑)」と思い返す萩原。2人きりのシーンも多いが、合間には役作りや芝居についてというよりは他愛もない会話をしていたという。

「『昨日は何食べた?』とか、現場で目に映ったものについて話したり。でも初日が車の中でのシーンで、いきなり閉鎖された空間に2人で入ることになって、もうとにかく話すしかない!みたいな感じでした(笑)。それこそ『十二人〜』のときの話とか、ざっくばらんに話していた気がします。だからある意味、本編のテンションに引っ張られない会話をしていました」

その何気ないやりとりは、劇中の泉と磯川の関係性を構築する手助けをしてくれた。「バディとして行動をともにする役ですし、(劇中で)描かれていない部分でも時間を共有していた間柄である以上、短い撮影期間でもそうやって気楽に、当たり前に、コミュニケーションが取れる状態であったというのは、少なからず良い影響があったのではないかなと。それがどう良くなったか、どのシーンに表れているのかは明確にはわからないですけど、なんとなく2人で歩いているところや、むしろ言葉じゃない雰囲気や空気感、会話のテンポなどにもしかすると出ているのかなと、今振り返ってみると思います」

だからこそ空気づくりは特に意識しなかった。「もし観た人が2人の良い空気感を感じてもらえたとしたら、そういうオフの部分での雑談などが良い空気感をつくるアクセントになっていたのかな。結果論ですが、僕はそう思っています」

◆萩原利久が語る磯川のテーマ&恋心のバランス

磯川を演じるうえでのテーマは「とにかくクリーンであれるか」。「あれだけ色々な個性ある登場人物がいる中で、磯川って本当に色で言うと白のような人。起こること一つ一つをありのままに受け止める子かなと思っていて。だからこそ濁りがあるとちょっと違うニュアンスに見えてしまうと感じていたので、いかに白くクリーンであれるか…純粋というか、ピュアというか、ジャストな言葉が見つからないですけど、とにかく濁りなくやることがテーマでした」

それを体現するために「起きていることや目の前にあること、会話や景色、色々なものをちゃんと見て聞く」ことを大切にした。「もちろん磯川に限らず、他の役柄でもある程度見る・聞くというのはすごく意識しているんですけど、よりそこで鮮度を落とさないようにしたかった。何回かやっていくと慣れていきますが、僕はその慣れが結構苦手というか、露骨に影響を受けるタイプなんです。それをわかっている分、よりそういう見て聞く部分をクリアに位置付けようと意識していました」

泉への恋心を全面に出しすぎず、バディとして彼女をサポートする。その塩梅も難しい。それでも磯川という人物と向き合った萩原は、それを明確に言語化した。「恋心を持っているという動機自体が、言ってしまえば全てを可能にするし、全てを不可能にもする。極論ですけど、その好意一つで行動理由として全てを説明しようと思えばできてしまうじゃないですか。ただ、じゃあそうなのかと言われると、そうではないなと僕は思っていて。もちろんきっかけは間違いなく好意を持っていたことだと思うんですけど、磯川なりに向き合うことで、それ以外の部分にもちゃんと気がついて『一緒にやりましょう』と行くわけで。とはいえ逆に好意がなければ多分ここまでやっていないだろうなと思うので、好意一つで行こうと思えばどこまでも行けてしまう人間の行動力はすごいなと思います。磯川の中でクリーンさはすごく必要だけど、好意が出すぎるとクリーンではなくなる。共感は十二分にできますが、演じるうえでそのバランスはすごく気を付けました」

★後編では、萩原が本作を通じて改めて考えたSNSの使い方や信念について語っている。

(modelpress編集部)

◆萩原利久(はぎわら・りく)プロフィール

1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。2008年にデビュー。主な出演作にMBSドラマ&映画「美しい彼」シリーズ、EX「月読くんの禁断お夜食」(22)、CX「真夏のシンデレラ」、ABC「たとえあなたを忘れても」、ytv「めぐる未来」(24)、映画「キングダム 運命の炎」(23)、「ミステリと言う勿れ」(23)など。7月7日より放送スタートするytv・NTV「降り積もれ孤独な死よ」(毎週日曜よる10時30分〜)へ出演予定。さらに7月12日公開の「キングダム 大将軍の帰還」に出演。現在、CX「萩原利久のwkwkはぎわランド」に出演中。また、年内に2nd写真集の発売も決定している。

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