ドンキ、「日傘」のようなTシャツを開発 ジャケットと組み合わせたい担当者が着目した“小さな”イライラ

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2024年06月17日 08:21  ITmedia ビジネスオンライン

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提供:ゲッティイメージズ

 ドン・キホーテが5月中旬に発売した「ジャケットを着ても脱いでもサマになるTシャツ」(2189円、以下サマになるTシャツ)が、注目を集めている。同商品は、開発担当者の「ジャケットにぴったりなTシャツが欲しい」という思いから誕生した。ビジネスシーンで着用できるデザイン性だけでなく、これからの猛暑の時期に向けた「ひんやり」機能も搭載した。


【画像】ドンキの「日傘」みたいなTシャツ(全7枚)


●日傘のように太陽を遮るTシャツ


 サマになるTシャツのサイズはM、L、LLの3種類で、デザインは半袖のみ。カラーは白と黒の2色を用意した。


 開発担当者によると、生地には「COVEROSS(カバロス)加工」という生地プリント後加工技術を施している。機能素材を開発する際、原料や糸の段階で機能を持たせるのが一般的だ。しかし、同技術を使用すれば、生地や製品になってから、後付けでさまざまな機能を追加することができるのだという。


 サマになるTシャツの表面には、これから本格化する猛暑に備え、日傘のような遮光機能を追加した。夏場の厳しい太陽光や熱を遮ることで、暑さを感じにくくする働きがある。


 裏面には接触冷感機能を追加。湿気や自分の汗といった水分に反応し、ひんやり感じるようにした。日傘のような遮光性と接触冷感機能を併せ持つことで、夏場のビジネスシーンにおいて、ジャケットとの重ね着を可能にした。


●小さなイライラの解消も目指す


 サマになるTシャツは、ジャケットと着用した時に感じる小さなイライラの解消も目指している。通常のTシャツにジャケットを羽織ると、ジャケットの後ろ襟と首が直接当たってしまう。夏場はジャケットの後ろ襟が汗などで汚れてしまうだけでなく、首の動きで擦れて傷んでしまうことが多いそうだ。


 「サマになるTシャツは、通常のTシャツよりも後ろ襟を高く設計しています」(開発担当者)。ジャケットの後ろ襟とTシャツの後ろ襟が重なるので、汚れにくくかつ傷みにくくなるのだ。サマになるTシャツを着ることで、その都度ジャケットを洗う、クリーニングに出すといった手間が省ける。


 胸元にはポケットを配置している。開発担当者によると、開発時にポケットは必要派と不要派で分かれ、議論になったという。ビジネスシーンでの着用を想定していたので、ペンやスマートフォン、名刺などをさっとしまいたい、もしくは取り出したい場面も多いだろうと、ポケット付きのデザインとなった。


 ポケットにしまう際に入口部分をつい引っ張りがちになってしまうため、へたらないように工夫がされている。「ポケットの入口部分の裏側に、生地が伸びないようテープを貼っています」(開発担当者)。


 ジャケットを脱いだ際にもサマになるよう、シルエットにもこだわった。Tシャツ1枚になったときに気になるお腹周りをスッキリ見せるため、逆三角形のシルエットになるよう設計したのだ。また、Tシャツの裾は後ろを長くしており、かかんだときや座ったときに背中が出ないようにしている。


 ドン・キホーテ全体では、4月以降から夏物の売れ行きが好調だという。サマになるTシャツは5月中旬に発売したため、認知度拡大はこれからという状況だ。開発担当者は「暑さが本格化するに合わせて消費者認知を高めていきたい」と意気込んだ。


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