山田尚子監督『きみの色』仏アヌシー国際アニメーション映画祭で初上映「次につながるパワーになった」

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2024年06月17日 11:21  ORICON NEWS

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「アヌシー国際アニメーション映画祭 2024」でのプレミア上映に立ち会った『きみの色』山田尚子監督
 フランスの現地時間9日より開催された「アヌシー国際アニメーション映画祭 2024」にて、同13日にプレミア上映された山田尚子監督の『きみの色』の概況が届いた。

【動画】フルキャストが登場する新予告編

 世界最大規模のアニメーション映画祭として知られる「アヌシー国際アニメーション映画祭」。今年は世界108を超える国と地域から3400本の応募があり、その中から113本の映画が出品。長編コンペティション部門には12タイトルがノミネートされ、『きみの色』はその1つ。山田監督にとって3度目の長編部門への出品となった。

 今回用意された949席のメイン会場のチケットは即完売。追加で補助席が使用され超満員となった。アヌシー映画祭では、上映前のステージへ作品の期待を込めて紙飛行機を飛ばすのが恒例だが、本作でもたくさんの紙飛行機が飛ばされていた。

 上映の前に山田監督が舞台へ登壇すると、客席は大興奮し、異例のスタンディングオベーションで出迎えた。監督は「ただいま、アヌシー!私のバンドへの思い出と憧れがたくさん詰まった作品です。音楽は素晴らしいということと、人を大切に思う気持ちは素晴らしいということを伝えたいです」とあいさつした。

 上映が始まると、たくさんの笑いが何度も起こったり、登場人物の感情の揺らぎに固唾をのんだりと、観客の目はスクリーンに釘付けに。さらに今作の最大の魅力である音楽シーンでは、リズムに合わせて会場全体で手拍子が打たれ、900を超える観客のボルテージは最高潮に達した。

 エンドロールに入ると再びスタンディングオベーションで、入場の時以上の歓声と拍手が沸き起こった。最初は安堵の表情を浮かべた山田監督だったが、鳴り止まない拍手に満面の笑み。監督が紡いだ少女たちの自立、葛藤、恋の模様を描いた物語は、遠くフランスの地でも観客を魅了したようだ。

 上映を終え、山田監督は「胸がいっぱいで、言葉が出てこないです。観客の皆さんが、すごく楽しんでくださっているのが伝わってきて、誇らしい気持ちになりました。次につながるパワーになりますね。スタッフのみんなで一緒に来てみんなにこの景色を見せてあげたかったです」と感無量の表情で語っていた。

 映画を観た観客からは、「とても素晴らしい作品。アニメーションはもちろん、色彩が素晴らしかった。色についての作品だが、きちんと色から感情が伝わってくる、大好きな作品だった」、「映画祭の中で特に好きな作品!観ていてとても楽しかったし、音楽もキャラクターもすっと入ってきて、最高の体験だった」「すごくアメージングだった。歌も好きだったし、観客全員が一緒になって楽しんで笑って、とても温かい気持ちになった」と、称賛する声を聞くことができた。

 その後行われたサイン会では、性別、年代、国籍問わず多くの人が押しかけ300人を越える長蛇の列が。過去作のコンテ集を持ってきた青年がいたり、お年寄りの夫婦が熱心に話しかけたりと、現地での山田監督への関心度の高さがうかがえた。監督本人も言葉の壁を越え笑顔や身振り手振りで応えるなど現地のファンとのコミュニケーションを楽しみ、サイン会は予定の時間を大幅に越えることとなった。

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