『くる恋』プロデューサー、“花びらキス”の裏側告白　一部演出は「瀬戸さんのアドリブに近い」

　モデル・俳優の生見愛瑠が主演を務める、TBS系火曜ドラマ『くるり〜誰が私と恋をした？〜』（毎週火曜　後10：00）。残すは最終回（18日放送）のみとなり、回を重ねるごとに“くるり”とひっくり返ってきた物語もいよいよ完結を迎える。このほど八木亜未プロデューサーがインタビューに応じ、クライマックスの見どころや作品の制作秘話などを語ってくれた。

【写真】めるる、ずぶ濡れプールシーン

　本作は、人に嫌われないよう、自分自身の素を見せず、悪目立ちしないように生きてきた主人公・緒方まことが、ある事故で記憶喪失になり、手元に残された男性用の指輪を手掛かりに“恋の相手”と“本当の自分”を探していくラブコメミステリー。

　改めて本作の制作意図について問われた八木氏は「どういう火ドラを見たいかなと考えていたときに、最初から相手が決まってるのではなく、いろんなタイプの男性が現れて展開していくドラマが見たいなと。主人公が記憶喪失だったら、視聴者は主人公が誰を選ぶのかが見えにくくなって楽しそうだなという妄想から始まった感じです」と答えた。

　“記憶喪失の主人公”という難しい役どころには、バラエティーで活躍し、最近では役者業での活躍が目覚ましい生見を据えた。「バラエティーで見せる“めるる”としての明るさ、アイコンとしての魅力、そして女優としてお芝居をしている生見さんの幅の広さにとても魅力を感じていました」という八木氏は「今回、記憶喪失だけど明るく生きていく主人公で、なおかつ3人の男性に言い寄られても嫌味なく演じられるのは、生見さんしかいないと思ってオファーさせていただきました」と明かした。

　そんな思いに応えて、生見は記憶喪失という逆境でも明るく前向きに“自分探し”をする主人公を見事に演じている。いち視聴者として「もうとにかく可愛いんですよ」と、どっぷり魅了されている八木氏は「そして自然体なお芝居ができる人だなと感じていて、見ていて感情移入もしやすいのが彼女の魅力なのではないかなと思っています。そして本人は意識してないと思うんですけど、普段は明るく笑っているんだけど、本番になると“ちゃんと理解してやってくれている”という安心感があったり、より深い部分を表現してくれている。改めて（まこと役が）彼女でよかったなと思っています」と最大級の賛辞を送った。

　生見が演じるまことを巡り、公太郎役・瀬戸康史、朝日役・神尾楓珠、律役・宮世琉弥らが仕掛ける“胸キュンシーン”は、何度も作品を彩ってきた。撮影現場では、キャストそれぞれが意見を出し合い、実際にそのアイデアが採用されるケースもあったという。

　第3話で公太郎がまことの手にハンドクリームを塗るシーンでは「字面だけで見ると『ちょっと気持ち悪いかも…』と言われてたんですよ。実際に演じてもらって、ハンドクリームを塗った後に公太郎がポンとしたりとか、そういう部分は監督と瀬戸さんで相談して。一歩間違えると気持ち悪く見えちゃうものをキュンに変える。そこら辺の塩梅を実践しながらやっている感じですね」。

　さらに第9話のまことと公太郎の“花びらキス”シーンについても「どうやるかをすごく話しましたね。台本で書くのは簡単なんですけど、 それを実際に絵に起こすときに、どうしたらキレイに見えるか、そこら辺は本当にみんなでシミュレーションしながらやっています」と回想。続けて一連のシーンの撮影風景を振り返った。

　「多分、あそこまで（公太郎が）花を食べることになってなかったんですよ。実際に動きでやってみて、花をパクっとしにいった瞬間に、まことが花びらを吸う？とかも言ってたんです（笑）。でも花びらってうまく噛みちぎれないんですよね。だか本番で（花びらが）大きく残っちゃって、瀬戸さんが引き取る形になったんです。大きく残ったからすごく食べてる感じになって。逆にそれがとても良かったんですが、瀬戸さんのアドリブに近いですね」。

　特に反響の大きかった“花びらキス”の制作秘話を明かしてくれた八木氏は、最後に放送が近づく最終回の見どころを問われると「記憶をなくす前の恋と今の恋と、その2つの恋心に対するまことの選択、決断をしてからウジウジ悩むんじゃなくて、前向きに自分なりに進んでくまことの姿を見ていただけたらと思ってます。記憶喪失を経ての自分探しに対する答えも描かれています。見ている方の背中を押してあげられるような結末にできればと思っているので、最後まで楽しんで見てもらえたらと思います」と呼びかけていた。