寺島しのぶ 父が「七代目菊五郎」を“老害”と批判浴びながら名乗り続ける「本当の理由」

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2024年06月27日 11:10  web女性自身

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《舞台の出番前、鏡に向き合い、私はこの人の血を引いていると呪文を唱え楽屋を出る》



6月16日の父の日、寺島しのぶ(51)は自らのインスタグラムに父・七代目尾上菊五郎(81)との過去の写真を公開して、メッセージを送った。



菊五郎といえば、先月27日、W襲名会見で梨園は騒然となった。息子・尾上菊之助(46)が来年5月、大名跡・尾上菊五郎を八代目として襲名。長男・丑之助(10)は六代目菊之助を名乗ることに。



ところが、当代の菊五郎も「七代目菊五郎」として引き続き活動すると発表したのだ。会見では、「52年間名乗ってきた菊五郎のまま歌舞伎人生の幕を閉じたい」と説明していた。後援会関係者はこう語る。



「團菊に象徴される、大看板・菊五郎が同時期に並立するのは極めて異例な出来事。いっぽう、この襲名を巡り一部で父娘の確執ともとれる報道もあったので、寺島さんは否定したかったのでしょう」



寺島は女優業に加え、おかみ業にも奮闘している。長男・眞秀くん(11)は昨年5月、初代尾上眞秀で初舞台を務めた。



「かねて寺島さんは“第1子なのに自分が女性であるだけで、歌舞伎役者になれないことを知って愕然とした”と公言しています。それが理由で、両親と衝突したこともあったといいます。



そのため、愛息の眞秀くんを父のような看板役者にするため、幼少期から自宅で歌舞伎の映像を流して親しませ、3歳からは日本舞踊を学ばせていました。小学校に入ってからは稽古の傍ら、自らの収録を見学させたり、ドラマや映画に出演させたり、表現力を学ばせる場を設けるようにしていました」(歌舞伎関係者)



音羽屋の“梨園のおかみ”として執念を燃やしていた寺島だけに、弟・菊之助親子の「八代目菊五郎」「六代目菊之助」襲名には複雑な思いを抱いていたようだ。



「今回のW襲名には“尾上家が七代目存命中に息子に継がせたのは、内紛の芽を摘む狙いも込められている”とみる向きがあります。“寺島さんは、眞秀くんに菊之助を襲名させたい思いがことさら強く、各方面に働きかけていた”ため、“七代目が娘の野望を封じた”と報じた一部週刊誌もありました」(前出・歌舞伎関係者)



だが、実情は異なるという。



「菊五郎さんは孫の眞秀くんを溺愛しています。しのぶさんが眞秀くんを歌舞伎役者にすると話したとき、梨園の幹部の中には“ハーフが歌舞伎役者になるなんて……”と心ない発言をする人もいました。



しかし、菊五郎さんは“歴史的にも市村羽左衛門さん(十五代目)の前例がある”と彼らの口をピシャリと封じ込めたのです。菊五郎さんは本心では、しのぶさんと同様、眞秀くんも菊五郎を名乗れる資格があると思っています」(前出・後援会関係者)



寺島の“嘆願”は、父の心に響いていたようなのだ。





■菊五郎が「尾上梅幸」を名乗る構想だった



そもそも、今回の菊五郎襲名は、尾上家主導ではなく、松竹が率先して行われたものだったという。



「毎年5月に開催される團菊祭のため、市川宗家の團十郎さんの襲名披露が終わったら、同い年の菊之助さんを菊五郎にして“同格”にしたいという思惑がありました。そのため当代の菊五郎さんには新たに別の名跡を名乗れるよう各方面で動いていたといいます。



ところが、菊五郎さん本人が断固として拒否したのです。表向きは“菊五郎に愛着がある”と説明したことで、老害と揶揄する心ない声もありましたが、実はまったく別の理由があったのです」(前出・後援会関係者)



その名跡が「尾上梅幸」だった。



「菊五郎さんが次に名乗るとすれば、彼の実父の名跡・尾上梅幸にほかなりません。もともと初代尾上菊五郎は『忠臣蔵』の由良之助で一世を風靡した江戸時代の名優でした。芸達者ゆえ歌人としても知られ、彼の俳名が梅幸だったのです。



つまり、尾上菊五郎と尾上梅幸は元来、同一人物だということ。初代、二代目、五代目菊五郎は俳名として梅幸を併用しました。三代目、四代目は菊五郎襲名前の名跡が梅幸でした。そのため、菊五郎さんは自分ではなく、眞秀くんに梅幸(=菊五郎)を継がせたいという固い意志があるのです。それは眞秀くんの将来を案ずるしのぶさんのためでもあります。



菊五郎さんの2人への最大限の愛情表現が、世間からどう思われようと、菊五郎を貫き続けることなのです」(前出・後援会関係者)



“3人目の菊五郎”の道を照らしてくれた父に、寺島は感極まり、心から感謝しているという。



昨年10月、寺島は歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」の『文七元結物語』で初舞台を踏んだ。取材で菊五郎、寺島、眞秀の3世代共演を聞かれ、こう答えていた。



《今の時代、面白い顔合わせで面白い演目をやらないと、お客さんは入らない。試行錯誤しながら、ワクワクする組み合わせで、いいお芝居を見せるということが一番大事だと思います》(『朝日新聞デジタル』’23年10月11日配信)



社会の価値観が変化する今、寺島が“3人の菊五郎”と同じ舞台に立つ日も来るかもしれない。

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