「ホラーすぎ」「国際ロマンス詐欺?」『光る君へ』の春、衝撃展開&クセ強キャラを振り返り

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2024年06月28日 08:41  クランクイン!

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大河ドラマ『光る君へ』まひろ役・吉高由里子  クランクイン!
 “ラブストーリーの名手”とも称される脚本家の大石静が、吉高由里子を主演に迎えて紫式部の波乱に富んだ生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合ほか)。物語も折り返しを迎えつつある本作だが、ここでは4月〜6月に放送されたエピソードの中から、ネット上でも注目を集めた重要なシーンを紹介。後半戦を一層楽しむために、この3ヵ月の間に劇中で起こった“事件”をプレイバックしていこう。

【写真】“周明”松下洸平、“まひろ”吉高由里子にキス拒否され豹変「ヤバいやつ過ぎ」

 本作は、平安中期に「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を描く第63作目の大河ドラマ。のちに紫式部として「源氏物語」を執筆する主人公・まひろ(吉高)と、彼女の生涯のソウルメイト・藤原道長(柄本佑)の歩みを、ラブストーリーや権力闘争劇を織り交ぜながら活写する。

■“闇堕ち”道隆&“光堕ち”道兼に相次いで悲劇


 絶大な権力を誇った藤原兼家(段田安則)の死後、その威光を引き継ぐことになったのが井浦新演じる道隆。物語の序盤では穏やかなたたずまいを見せていたが、長女・定子(高畑充希)が一条天皇(塩野瑛久)と結婚し、兼家が亡くなると、これまで隠されていた権力欲が加速。息子たちを重用し“独裁”ともいえる政治体制を敷いていく。しかし、驕れる者は久しからず。ある日、道隆は突然倒れるとそのまま衰弱。第17回では、死が近付いていよいよ正気を失った道隆が、子宝に恵まれない定子のもとを訪れ、苦悶の表情で「皇子を産め…早く皇子を産め!」と詰め寄る。さらに一条天皇の前にも現れては、息子を関白に据えるよう要求する。道隆の“闇堕ち”ぶりが常軌を逸した行動とともに描かれると、ネット上には「これは怖すぎる」「ホラーがすぎる…」などの声が続出していた。

 ほどなくして亡くなった道隆に代わって関白に就任したのは、道隆と対立関係にあった弟の道兼(玉置玲央)。彼は第1回でまひろの母・ちやは(国仲涼子)を手にかけたのを皮切りに、藤原家の“汚れ仕事”を一手に引き受けてきた。その後、一時は荒んだ生活を送っていたものの、弟・道長の助けを得て再起すると、疫病の解決に心を砕く公卿として“光堕ち”ともいえる見事な転身を果たしていた。そんな道兼だったが、関白に就任し一条天皇との対面直後に卒倒。その後、薬師を連れて駆けつけた道長に対して、道兼は「近づくな。俺は疫病だ…」とポツリ。仕方なく部屋を出た道長だったが、道兼が読経しながらも激しく咳き込む声を聞くと、堪えきれなくなり部屋へ駆けつける。そして道長は憔悴した道兼を抱きしめて背中をさすってやるのだった…。35歳の若さで他界することになった道兼が、死の間際に見せた道長との兄弟愛に、ネット上には「兄弟愛…良き…」「道長さまと道兼さまの兄弟愛が尊い」といったコメントが寄せられていた。

■ききょう、驚きの告白を経て“清少納言”が爆誕!



 第6回での初登場以降、その動向が常に視聴者からの注目を集めているのがファーストサマーウイカ扮するききょうだ。まひろとも意外と馬が合い、ききょうがまひろの暮らす屋敷を訪問することもしばしば。第14回では、まひろのもとを訪ねたききょうが“宮中に女房として出仕して広く世の中を知りたい”と自身の夢を語る。そしてききょうはまひろに「私は、私の志のために…夫を捨てようと思いますの」と告白。驚くまひろに対してききょうは、夫から女房としての出仕を猛反対されたことを説明し、さらに「息子も夫におっつけてしまうつもりです」と子どもがいたことも打ち明ける。

 そんなききょうは、念願かなって定子の女房として出仕することが決まり宮中へ。ききょうは初めて対面した定子の美しさに思わず見惚れてしまう。一方の定子は、ききょうの父の姓が“清原”であり、彼女の夫の役職が小納言だったことから「今よりそなたを清少納言と呼ぼう」と名前をつける。ききょうが笑顔で「素敵な呼び名ですので、ぜひそれでお願いいたします」と答えると、視聴者は清少納言誕生の瞬間に歓喜。ネット上には「清少納言爆誕」「歴史に残る才女の名が誕生した!!」などの反響が集まっていた。

■都を離れるまひろが道長に“別れのキス”

 道隆と道兼、2人の兄を相次いで亡くした道長が右大臣となり、ついに公卿のトップの座に付く。そんな道長は、まひろの父・為時(岸谷五朗)を国司に任命。のちに為時が越前に配属されることが決まると、まひろも為時とともに京を離れることを決意する。越前への旅立ちが近付いたある日、まひろは道長に文を送る。かつて逢瀬を繰り返していた廃院で、再び対面したまひろと道長。道長の横顔を見つめていたまひろは、ゆっくり近付き彼の体に寄り添う。すると道長は強くまひろを抱きしめる。道長の腕の中で、まひろは「この10年、あなたをあきらめたことを後悔しながら生きてまいりました」と告白。一方の道長も「いつの日も…そなたのことを…」と告げる。そしてまひろは「今度こそ、越前の地で生まれ変わりたいと願っておりまする」と話すと、道長の頬に両手を添えて、口づけをする。道長は一瞬驚きの表情を見せつつも、目をつむってまひろの唇を受け入れるのだった。

 まひろから道長への“別れのキス”がエモーショナルに描かれると、ネット上には「美しい!! やっぱり道長×まひろ好きだなあああ!!」「大人の純愛にキュン度MAX堪らん」「まひろから道長にキスしたの胸がキュンキュンした〜」といったコメントが相次いでいた。

■松下洸平、宋の薬師役でダークな一面を披露



 2021年放送のドラマ『最愛』(TBS系)で、連続殺人事件の重要参考人となる女性実業家と彼女を取り調べる刑事役で共演していた吉高と松下。2人の大河ドラマでの再共演に、かねてから注目が集まっていた。そんな中、第22回では、越前へ渡ったまひろと宋の薬師・周明(松下洸平)の出会いが描かれた。日本語で話しかけるまひろに、周明は宋の言葉で応じる。しかし第22回の終盤で、通訳の死をめぐって宋の商人・朱(浩歌)が捕らえられると、周明は流暢な日本語を披露。朱が犯人ではないと主張する。

 実は周明は、対馬の生まれながらも幼少期に口減らしのために海に捨てられ、宋の船に助けられたという。まひろはつらい過去を持つ周明に同情しつつ、彼から宋の言葉や文化を教わる。2人が急速に距離を縮めていく第23回の終盤では、朱と周明が対面。周明は、まひろが左大臣になっていた道長と交流があることを報告。周明は宋語でまひろについて「もしかしたら左大臣の女かもしれません」と伝えつつ「うまく取り込んで左大臣に文を書かせます。朱様のお力になれるよう」と告げる。

 周明の意外な素顔が明らかになると、ネット上には「不穏…!!」「まひろ逃げて!!」といった反響が続出。さらに第24回では周明が「早くまひろと宋に行きたい」と思わせぶりにつぶやく姿も。ミステリアスかつダークな周明の言動に「国家ぐるみの国際ロマンス詐欺やん」「ヤバいやつ過ぎ」「周明、どうか。ピュアでいて…ロマンス詐欺師にならないで」などのツッコミも多数寄せられていた。

■宣孝、まひろへのド直球プロポーズに視聴者悶絶


 第23回では、周明が狙いを抱えてまひろに接近していた一方で、都からは宣孝(佐々木蔵之介)が為時とまひろのもとを訪れる。為時が仕事で不在だったため、まひろが宣孝をもてなすことに。宣孝が都へ戻る朝、まひろは笑顔で彼を見送ろうとする。宣孝は真剣な表情で「まひろ」と呼びつつ「あの宋人が好きなのか?」と周明について聞く。そして「あいつと宋の国などに行くなよ」と話すと「都に戻ってこい。わしの妻になれ」と言い放つ。

 続く第24回の冒頭シーンでは、宣孝からの突然のプロポーズの続きが描かれる展開に。困惑するまひろに、宣孝は「戯れではない」と言い「あの宋人と海を渡ってみたとて、忘れえぬ人からは逃げられまい」と語りかける。一瞬動揺したものの“忘れえぬ人”の存在を否定したまひろに、宣孝は「自分が思っている自分だけが、自分ではないぞ」と語りかけ「ありのままのお前を丸ごと引き受ける。それができるのはわしだけだ」と断言。これにまひろが「忘れえぬ人がいても、よろしいのですか?」と応じると、宣孝は「良い」と即答し「それもお前の一部だ。“丸ごと引き受ける”とは、そういうことだ」と笑顔を見せる。

 2週にわたって描かれた宣孝からまひろへのプロポーズに視聴者は興奮。ネット上には「ド直球プロポーズにキュンキュンしちゃった」「包容力エグいくらい出してくるやん」「嫁入り不可避」といったコメントが多数寄せられていた。

 まひろと道長の関係性の変化に加えて、2人の人間的な成長や、都と越前という2つの舞台で物語が進行する点など、新たな展開を見せてくれたこの3ヵ月。宣孝の妻になるため、都へ戻ったまひろがこの先どんな活躍を見せてくれるのか、引き続き要注目だ。(文:スズキヒロシ)

 大河ドラマ『光る君へ』は、NHK総合ほかにて毎週日曜20時放送。
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