安田顕、50代を迎えても変化ナシ!「遠近両用メガネを買いました。でもそれくらいです」

0

2024年07月01日 09:10  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

写真
脇役、主演、善人、悪人と、どんな立場のどんな役柄でも自在に演じ切る俳優・安田顕さん(50歳)。

現在も『孤狼の血』シリーズでも知られる作家、柚月裕子さんの原作を実写映画化したノワールミステリー『朽ちないサクラ』が公開され、印象深い演技を見せています。

杉咲花さんが、親友の殺人事件の真相に、自らの手で迫ろうとする愛知県警の広報職員・泉役で主演を務める本作。安田さんは、泉の上司で元公安の富樫役に扮しています。初共演の杉咲さんの印象や、クライマックスに訪れる、2人きりのシーンについて聞きました。また、50代を迎えた安田さんが感じる変化とは?

◆杉咲花との初共演はフラットに

――富樫役で出演されることに決まったときの期待感を、主人公の泉役が杉咲さんであることと照らし合わせて教えてください。

安田顕さん(以下、安田)「原作を読ませていただきまして、杉咲さん演じる主人公はこういう方なんだと思いました。ストーリーもすごく面白かったです。そのなかで重要なポジションである富樫の役をいただけて本当に嬉しかったですし、杉咲さんとは初めての共演ですから、お会いできるのをとても楽しみにしていました」

――杉咲さんには、もともとどんな印象を持たれていましたか?

安田「フラットです。もちろん俳優さんとして名前も存在も存じ上げていましたが、フラットです」

――フラットというのは、杉咲さんがフラットな方という意味合いですか? それとも、安田さんが、どなたかと対峙する際、もしくは現場に臨む際の姿勢がフラットということでしょうか。

安田「どちらもです。大先輩の方や、自分が幼少期の時にファンだった方と現場でお会いすることもあるわけですけど、なるべくフラットな状態で臨みたいと思っています。杉咲さんはお若い方ですが、ちゃんと主演を張ってらっしゃる俳優さんなので、やはりフラットに臨みたいと思っています」

◆杉咲とのシーンに「お芝居ってすごく楽しいな」

――終盤のふたりきりの緊張感あるシーンは、目撃しているこちらも身じろぎできませんでした。

安田「台本上、非常に長いセリフのやりとりが続きましたが、一緒にお芝居できているという喜びがとても強かったです。“これは引きで2回”“ここは寄りで”とか、長回しで何度も演じさせていただいたシーンでしたが、お芝居ってすごく楽しいなと、そこにあった緊張感も含めて、印象に残っています」

――撮影スケジュールとしては、どの辺のタイミングだったのでしょうか。

安田「僕は最終日の前日でした。杉咲さんはその後もあったと思いますけどね。僕と杉咲さんの撮影としては最後です。あのシーンで呼んでもらえて、ああいう形に原廣利監督(『帰ってきた あぶない刑事』)が仕掛けてくださって、感謝申し上げます」

――出来上がった映像は、客観的に観られるものなのでしょうか。観客として楽しむことはできますか?

安田「どうしても客観的には見られないです。でもとにかく読み進めていくのが、とても面白い原作でしたし、その面白い本が生み出した物語が、予想を上回る映像世界で繰り広げられていると感じました。終盤の点と点が線になっていく様は、観ていてすごく楽しく、非常に興味深かったですね」

◆大先輩・豊原功補と同期を演じる工夫も

――富樫と同期の、捜査一課の梶山を演じた豊原功補さん(58歳)とのシーンも印象的でした。実際には安田さんと豊原さんは年齢が離れていますが、そう見えないのはさすがでした。

安田「自分よりキャリアもある大先輩ですから、ご一緒できて光栄でした。豊原さんはすごくお若いですし、私はどちらかというと上に見えるかもしれません。でも観てくださった方にそう観ていただいたのであれば本当にありがたいです。

見た目として、自分は富士額(ふじびたい)なので、少し剃っておでこを広くする工夫はしました。前髪を作ると少し若い印象になりますし、おでこを少し広く見せると年齢が多少上に見えるかもしれないと。その辺はご相談のうえ、そうさせていただきました」

◆遠近両用メガネは買ったが自分自身の変化はない

――50代に入りました。何か変化はありますか?

安田「ありますよ。体力的なこともそうですし、メガネの度数も変わりました。この間は遠近両用メガネを買いました。そういったことは多少感じます。でもそれくらいです」

――何か取り組み方が変わってきたとか、熟成してきたのを感じる、現場の居方、ものの見方が変わってきたとか。

安田「ないですね。変わってないです。自分自身に関して、変わったなとか、成長できたなとか、逆にダメになったなといったことは日常、感じません。周りから言われることも特にないです」

◆70代、80代の先輩を見て感じる感激と不安

――役者さんは70代、80代でも現役で輝いている先輩方がたくさんいます。そうした先輩方を見て何か感じることはありますか?

安田「それはもちろんあります。まずモチベーション。お芝居を70代、80代と続けていらっしゃるモチベーションに敬服しますし、感激します。

同時に、果たして自分はこの先、そこまでひとつのことに対して、モチベーションを持って今と変わらずやっていけるのか、という不安も感じます。そうした先輩方には続けている事実がある。現場に求められていて、居に対するモチベーションを持って取り組んでいらっしゃる。日々、すごいなと思います」

――そうした先輩方には、映像と同様、舞台に取り組んでいらっしゃる方々も多くいます。安田さんも舞台にも立ち続けています。映画やドラマといった映像表現と、舞台で演じることに、どんな思いがありますか?

安田「これはこれで、それはそれ。全部10割。舞台も10、映像も10。そうやって臨んでいければ、それでいいなと思っています」

◆原作を読んでから映画でも、映画から原作でも楽しめる作品

――ありがとうございます。公開中の『朽ちないサクラ』に、ひと言お願いします。

安田「すごく面白い原作です。それを読んでいただいた上で映画をご覧になっていただいても十分楽しめますし、この映画をご覧になってから原作を楽しむこともできる。どちらでも楽しめる作品だと思います。ぜひご覧になってください」

<取材・文・撮影/望月ふみ>
(C) 2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
    ニュース設定