新LMP2規則導入が1年延期に。コスト管理と安定移行に重点を起き2025年のデビュー目指す

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2024年07月04日 02:40  AUTOSPORT web

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WECを含む各LMP2カテゴリーでは現在、『オレカ07』がクラス内で寡占する状況にあり、実質ワンメイクのような状態になっている。
 新しいLMP2レギュレーションの導入が当初予定されていた2024年から1年延期され2025年に改められることが、バーレーンで開催されたFIA世界モータースポーツ評議会の会合で確認された。

 新規定導入の遅延は、業界内では広く推測されていたもの。FIA国際自動車連盟の発表によれば、導入の延期は「技術的条件の徹底的な見直しと、コスト管理目標を確実に達成するための充分な時間」と「現世代のLMP2マシンから安定した移行を可能にする」ために行われるという。

 LMP2プラットフォームは現在、WEC世界耐久選手権やELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズ、および北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で使用可能となっている。

 ル・マンシリーズを統括するACOフランス西部自動車クラブのディレクターであるティエリー・ブーベは先週、セブリング・インターナショナル・レースウェイで記者団の取材に応じた際に延期の可能性があると語っていた。

 新しいLMP2規定車は当初、LMDh車両のデビュー翌年にあたる2024年に登場する予定だった。マシンは現行車と同様に、指定された4つのコンストラクター(オレカ、リジェ、ダラーラ、マルチマチック)が製作する。

 ブーベは、タイヤと新型車両に搭載されるワンメイクエンジンの入札がまだ行われていないことを確認した。

「私たちは、(新しい)LMP2にとっての重要なポイントはコストだと考えている」と同氏。

「パフォーマンスとコストの比率を高める必要があるかもしれない。これはチームとシャシーコンストラクターから得られるものだ」

「コストを削減するために、あらゆることが検討されている」

 新しいレギュレーションのコスト削減項目の中には、スチール製ブレーキへの移行が含まれている可能性が示唆されている。

「それはカーボンブレーキの使い方次第だ」とブーベは述べた。

「きっちり最後まで使用した場合と、レースごとに新しいカーボンブレーキをおろした場合ではコストが違ってくる」

「最後まで使用すれば、コストはスチールブレーキとそれほど変わらない」

 FIAとACOが、LMP3に見られる他の形態のコスト削減策を利用できるかどうかを尋ねられたとき、ブーベは次のように答えている。

「もしそれがコスト削減の方法を見つける道であるとしたら……我々はチームドライバーやジェントルマンドライバーが該当する“エンドユーザー”にとって魅力的なクルマを作らなければならない」

「つまり運転しやすいクルマでなければならない。LMP3はいいクルマだと思うが、明らかにLMP3とLMP2の間にはステップがある。それは気をつけなければならないほどの段差だ」

 ブーベはLMP2マシンのデザインは「まだ定義されていない」と述べたが、2017年から使われている現在のプラットフォームで見られるものとは「異なっていて、新鮮に見える」外観となる可能性を示唆した。

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