北陸 5日夜は警報級大雨か その後も前線停滞でループする大雨リスク 熱中症も警戒

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2024年07月05日 14:14  日本気象協会

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日本気象協会

北陸 5日夜は警報級大雨か その後も前線停滞でループする大雨リスク 熱中症も警戒

今日は、福井・金沢・富山のいずれも最高気温35度以上の猛暑日となり、福井・金沢は今季初となりました。このあと今夜はじめ頃から6日にかけては、局地的に激しい雨や雷雨となり警報級の大雨となる所がある見込みです。6日夜遅くにかけて土砂災害、低い土地の浸水、河川や用水路の急な増水に注意・警戒して下さい。その後も、停滞する梅雨前線の影響で、断続的に大雨となる所がありそうです。総雨量が多くなり、地震の影響で地盤が緩んでいる所もあるため、8日頃は再び土砂災害リスクが高まるでしょう。大雨への警戒を続けて下さい。



●7日七夕は日中を中心に晴れ間も その後 8日は再び警報級大雨か


今夜は、地上天気図で表現されていませんが、日本海の低気圧から延びる前線のような気圧の谷が北陸地方を通過する見込みです。太平洋高気圧の縁を廻って暖かく湿った空気も流れ込み、6日にかけて北陸地方では大気の状態が不安定となるでしょう。6日夕方にかけて、雷を伴って1時間に30ミリの激しい雨が降り、警報級の大雨となる所もありそうです。土砂災害、低い土地の浸水、河川や用水路の急な増水に注意・警戒して下さい。

その後、雨の降り方は小康状態となり、7日の日中は北陸西部を中心に晴れ間もありそうです。7日は七夕ですが、天気は下り坂となるでしょう。日本海から次第に南下する前線が北陸地方に近づく見込みです。現時点の予想では星空が良く見られるかは微妙ですが、天気の崩れが遅くなれば星空観測は出来そうです。

その後は、各モデルでバラつきはありますが、8日〜12日頃までは断続的に激しい雨が降り、大雨となる可能性もあります。気象台は5日11時時点で、8日にも石川・富山・新潟の3県に警報級の大雨を見込んでいます。能登半島地震の影響で地盤が緩んでいる所もあります。土砂災害による災害リスク、低い土地の浸水、河川や用水路の急な増水などが継続する可能性があり、今後の情報に十分注意して下さい。


●熱中症警戒アラート 出ても出なくて危険な暑さ 発表有無の違いは紙一重


環境省では、暑さ指数(WBGT)が28以上で「厳重警戒」とし、室温が上昇した屋内や炎天下では、運動を伴わない場合でも熱中症患者の発生率が急増するとしており、注意が必要です。また、31以上は「危険」として運動は原則中止を呼びかけています。更に、33以上で「熱中症警戒アラート」、35以上で「熱中症特別警戒アラート」の発表基準になるとしています。

熱中症警戒アラートは、予測に基づいて「暑さ指数(WBGT)」が計算されます。熱中症の危険性が極めて高くなると予測される暑さ指数33以上の地点が1地点でもあると、その自治体単位ではなく、該当する都道府県全域を対象に発表されます。一方、かなり極端な例ではありますが、対象地点のいずれも暑さ指数が32と予測され、1地点も33が無い場合は、これも危険な暑さですがアラートは発表されません。ただ、アラートの発表がなくても安全とは言えず危険な暑さになることがあるのです。

更に言えば、気象庁では、日々の天気予報で、予報と実況の乖離が大きくなると、修正報を発表することがありますが、熱中症警戒アラートに修正報はありません。当該日に環境省のHPで確認できる実況推定値で33以上の地点があったとしても、当該日に改めて熱中症警戒アラートが発表されることはありません。

個々の地点の暑さ指数は、環境によって大きく異なります。また、各個人が暑さから身体に受けるダメージもその日の体調によって大きく左右されます。環境省の熱中症予防情報サイトでは、暑さ指数の県別地域別時間帯別の実況推定値を確認することができます。体調管理の参考になさって下さい。


●湿度が高いこの時期も熱中症に注意・警戒


図は2023年の富山県で熱中症救急搬送があった日の富山地方気象台で観測された富山の最高気温と平均湿度をプロットしたもので、それぞれ、「紫色の●は熱中症警戒アラートが発表されていた日:救急搬送は平均14.6人」「赤色の●は救急搬送人数が10人以上の日」(アラート無し)、「緑色の●は救急搬送人数が10人未満の日」(アラート無し)を示しています。

注目点の一つ目は、紫色の●の集団の近くにある、複数の赤色の●です。これらは、紫と赤の気温や湿度分布が同じような気象条件となっており、現実には、アラートが発表されていなくても危険な暑さになっていたことが推測されます。

二つ目は、緑色の楕円で囲んだ範囲です。最高気温が35℃に届かなくても、湿度が上がると、一定数の救急搬送があることです。

暑さ指数の計算は、「気温」「湿度」「輻射熱(ふくしゃねつ)」の割合で影響が計算され、湿度のウェイトは高めとなっています。梅雨の期間や風通しの悪い屋内など、湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくいために、体温が下がりにくく身体の中に熱がこもりやすくなるために熱中症リスクが高まってしまうのです。「ムシムシ」としたが不快なこの時期も、熱中症に十分注意し、特に高齢者や小さなお子様は、周囲の大人が十分に気を配るようにしましょう。


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