ライバルチームの躍進により連敗喫したレッドブルF1。技術ボスは「優位性を維持できる」と確信

0

2024年07月18日 07:20  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

ここまで12戦7勝のレッドブルF1が、オーストリアGPとイギリスGPでメルセデスに連勝を許した
 レッドブル・レーシングが“圧倒的”と言える優位なポジションを失ったあと、同チームのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェは、レッドブル・レーシング内部を落ち着かせるために動いた。直近の2戦、オーストリアGPとイギリスGPはともにメルセデスが勝利を飾っており、前者ではジョージ・ラッセルが、その1週間後のシルバーストンではルイス・ハミルトンがウイナーとなった。

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のお気に入りのメディアであるオランダの日刊紙『De Telegraaf』のインタビューで、ワシェは『RB20』が完全な開発ポテンシャルにまだ達していない状態であることを主張したが、エイドリアン・ニューウェイが開発に関わらなくなってから相対的にパフォーマンスが低くなったことの深刻さを一蹴した。

 このフランス人エンジニアは、「非常に単純なことだ。ここ数週間は我々がつねに優勢だったわけではない」とすぐに認めたが、次のように付け加えた。「パニックボタンを押しても意味がない。パニックに陥るのは正しい態度ではないんだ。我々は300人のエンジニアと一緒に仕事をしているのだから、5分ごとに考えを変えるのは間違ったやり方だ」

「他のチームが近づいてきたたため、我々はふたたび優位に立てるようにアップデートを投入する必要がある」とワシェは認めたが、次のように反論している。

「正直に言うと、今シーズンの初めは他チームは我々が予想したほど接近していなかった。しかし、マクラーレンの開発はもちろんのこと、特定の分野ではメルセデスの開発も成功しているようだ。マクラーレンは5月初めのマイアミ以降、大きな前進を遂げた」

 レッドブルの他の幹部が指摘したように、ワシェも次のように指摘した。「レギュレーションはここ数年同じままで、制限が多くある。私たちは、わずかな利益のために多大な労力を費やしている。同時に我々は確かにリスクを負ってきたが、それは完全に失敗する可能性もあるということだ」

「しかし、F1は非常に競争の激しい環境であり、立ち止まることは後退に等しい」

■ハンガリーでアップグレード第2弾が登場予定

 今年の『RB20』から得られるものがまだたくさんあるという自信を示した同氏。チームがどれだけ早く前進できるか、またどの分野で進歩が必要だと考えているかという問題について、ベテランエンジニアはこう述べた。

「このマシンの開発を継続し、近い将来にかなりのパフォーマンスを発揮できると確信している。あらゆるものを考え出して開発するには、ときに何カ月も掛かることがある。しかし、いったんコースに出れば、そのコンポーネントが期待どおりの効果をもたらしてくれるかどうか、そしてドライバーがそれを感じて活用できるかどうかが重要になる」

「私はふたとおりの見方をしている。オペレーション面では、短期的に見て、どうすればマシンパフォーマンスをできるだけ最高のものにできるか考えている。そしてファクトリーでは、より長期的な視点で見ている。ラップタイムがもたらされるかどうかを考えるのは、今後の計画に影響するため非常に重要だ」

 ライバルチームがレッドブルのクルマを指し、ダウンフォースを増やしつつマシンの空気抵抗を減らすことだけに集中していると主張しているなか、ワシェはそのような単純な諸要素を否定する。

「誰でも考えることはできるが、マックス(・フェルスタッペン)の意見は非常に具体的だ。マックスはとても明快で、私はそれが気に入っている」

「我々はあらゆることを考えられるが、実際に対処するのはドライバーだ。彼のレースエンジニアであるジャンピエロ(・ランビアーゼ)が意見を我々に伝えてくれるので、それを物理的な部分に取り入れ、コーナーでの特定の瞬間に彼が正確に何を必要としているか、あまり快適ではないと感じているのはどのエリアなのかを把握することができる」

 今週末のハンガリーGPでは、『RB20』に2回目のアップグレードが導入される予定だ。ワシェがチームを正しい方向に導いているのか、それともニューウェイの離脱がすでにマシンの開発プログラムに悪影響を及ぼしているのか、すぐに分かることだろう。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定