自民党安倍派の政治資金パーティーを巡り、還流した収入を収支報告書に記載しなかったとして政治資金規正法違反容疑で告発された堀井学衆院議員(52)=比例北海道、自民離党=が、東京地検特捜部の任意の事情聴取に不記載を了承したという趣旨の供述をしていることが27日、関係者への取材で分かった。
堀井氏は選挙区内の有権者に香典などを配ったとする公選法違反容疑でも捜査を受けており、特捜部が堀井氏の略式起訴を検討していることも判明。特捜部は政治資金規正法違反容疑での立件も慎重に検討しているもようだ。
政治資金パーティーを巡る裏金事件で、堀井氏の政治団体は安倍派からの還流分計2196万円を2018〜22年の収支報告書に記載しておらず、このうち19〜21年の計1714万円について神戸学院大の上脇博之教授が告発した。関係者によると、堀井氏は任意聴取に不記載の了承を認める趣旨の供述をしているという。
一方、堀井氏は22年ごろ、選挙区である北海道9区(苫小牧市など)内の複数の有権者に対し、自身名義の香典(1万〜数万円)や枕花計数十万円分を秘書らに持参させた公選法違反の疑いが持たれている。
堀井氏は任意聴取に「違法性を認識していた」と供述し、元秘書らへの指示も認めているとされる。