カインズ(埼玉県本庄市)とP&Gジャパン(神戸市)は、物流効率化に向けた協働を強化したと発表した。P&GのAI需要予測システムの運用を加速させるとともに、トラックの「帰り便」を活用した共同輸送により、約30%の輸送能力をカバーするとともに、カインズの店舗オペレーション効率化を目指す。
両社は、サプライチェーン全体での物流の効率化、在庫の最適化、店頭での売り上げ最大化を実現するべく、長期にわたり包括的なサプライチェーン協働を進めてきた。カインズでは、2020年からP&G独自の「AI需要予測システム」を運用。各店舗の売り上げや在庫、将来の販促プランなどのデータを連携し、需要予測を進めている。その結果、店舗ごとの最適な在庫計画や納品量、納品頻度の算出が可能となり、まとまった量を早期に発注する仕組みを構築したという。
こうした仕組みは、輸送トラックの事前確保、積載効率の向上など輸送の効率化に寄与するほか、供給計画と店舗在庫の最適化により、店頭での欠品を防いで店舗オペレーションの効率化も期待できるとしている。カインズは今後、P&G製品で同システムに基づく本部発注率を高め、物流全体の最適化を目指す。
帰り便については、2023年10月から北関東エリアで試験運用を開始していた。カインズ流通センターから店舗へ輸送する配送トラックが、帰り便でP&G高崎工場の物流センターを経由。P&G製品を積載してカインズ流通センターに運ぶ仕組みだ。
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9カ月にわたる試験運用の結果、物量やトラックの待機時間、ドライバーの付帯作業が削減でき、2024年7月には全国9拠点のカインズ流通センターを経由する共同輸送物流網を構築し、現在は共同輸送を本格展開しており、今後も拡大に向けた検討を進めるとしている。
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