「様子を見ながら」で2番手のENEOS福住仁嶺、「レンジが合っていないタイヤ」で4番手のau TOM’S坪井翔

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2024年09月21日 20:50  AUTOSPORT web

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決勝を2番手からスタートするENEOS X PRIME GR Supra。GRスープラ勢がトップ4を独占した
 悪天候に見舞われた2024スーパーGT第6戦SUGO予選日。天候の回復が見込めず公式予選がキャンセルとなり、午前の公式練習での結果順でスターティンググリッドに各車が並ぶこととなった。これにより、トップ4がトヨタGRスープラ勢が独占をする結果となったが、なかには“予選が行われない想定”でタイムを出しに行った車両もいれば、“予選があるかもしれない”と意識をして公式練習では我慢の走りをしていた車両もあった。

⚫︎14号車ENEOS X PRIME GR Supra福住仁嶺「選択したタイヤもタイミングも良かった」

 トップから0.303秒差の2番手につけたENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺。「特に1周にかけていたわけでもなかったですし、気持ち的にはもっと周回したかったという思いはありました。ただ、コース上は混雑していましたし、雨で前が見えないという難しい状況でした」と、セッションを振り返るが、どこか不完全燃焼なところもあったようだ。

「僕と大湯(都史樹/KeePer CERUMO GR Supra/1番手で決勝最上位スタート)が同じタイミングでタイムを出しました。ちょうど雨量が少ないところでしたし、僕の場合はトラフィックも比較的少なかったです。ただ、自分のなかでは全開にできていなくて、様子をみながら走っていました。もっとタイムを詰められる要素はありましたけど、クラッシュなくセッションを終えることも大事なことなので、そこは良かったのかなと思います」と福住。

 それでも、予選がキャンセルになる可能性に懸けてタイヤ選択を積極的に行ったという。

「選択したタイヤもタイミングも良かったと思います。午後がこうなる(悪天候でセッションがキャンセルされるかもしれない)ことを読んでチームのみんなと動いたことで、こういう結果になってくれました」

 決勝レースはフロントロウからのスタートとなるが「明日は誰が速くて遅いのかというのは全然分からないですが、重量(サクセスウエイト)とかを考えると良い位置で終われたのかなと思います」と、福住は前向きに捉えていた。

⚫︎36号車au TOM'S GR Supra坪井翔「予選があることも想定してレンジの合っていないタイヤで走った」

 公式練習で14号車と異なる動きをみせたのがランキング首位を快走するau TOM’S GR Supra。坪井翔がセッションすべての走行を担当し、1分25秒944で4番手に食い込んだ。しかし、坪井にとってはタイムを出したタイミングも選んでいたタイヤも、その状況を考えるとベストではなかったという。

「みんながベストを出した後に1回赤旗が出て、その次のタイミングで僕がベストを出しました。雨量的には少し多くなり始めた時だったので、一番良いタイミングではなかったです」と坪井。

「公式練習のタイムでグリッドが決まるかもしれないということは分かっていたので、もちろんタイムも追いかけていました。ただ、いろいろ考える中で『予選があるかもしれない』となった時のリスクマネジメントをして、公式練習で履くタイヤを選びました」と、このコンディションに一番合っているタイヤは、午後の予選に温存する作戦を選んでいた。

「(レンジが)合っていないタイヤで走って、(同じタイヤを履いた)周りの人は温められない感じでしたけど、僕たちは少しだけ温めることができた感じはありましたが、それでもレンジが外れているのでタイヤのパフォーマンスもそうですし、36号車のパフォーマスを出しきれていないなかで、あのタイムと順位なので、レンジに合ったタイヤを履けばトップも狙えたかもしれないなというのは感じていたので……少し残念なところはあるのですけど、ポジティブな要素は多かったのかなと思います」と、坪井は複雑な思いを語りつつも、この状況下で4番手につけられたことについては笑顔を見せていた。

 ポイントランキングを争う100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTや3号車Niterra MOTUL Zが下位に沈んだなか、36号車は上位から決勝をスタートできることになる。

「このチャンスを活かさないといけないですし、ウエットになればチャンスはなおさらあると思っています。ただ、ドライアップしていく展開も可能性としてあるので、とにかくミスなく36号車らしい走りができれば、自ずと結果はついてくると思います。大量得点はほしいですけど、焦らず着実に『自分たちはランキングトップで2リスダウンを背負っている』ということを忘れずにレースをしていきたいです」と、坪井は冷静に明日の決勝レースを見据えていた。

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