チャンピオンシップ最上位の直接バトル。巻き返した100号車STANLEYと重くてもやっぱり強い36号車au

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2024年09月22日 23:00  AUTOSPORT web

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au TOM'S GR Supraと最終的に5位を争ったSTANLEY CIVIC TYPE R-GT
 スーパーGT第6戦の決勝は雨上がりで路面がドライアップしているコンディションで目まぐるしく順位が変わり、セーフティカーが2度導入される波乱の中、やはりというべきか、ランキング上のチームはサクセスウエイトが重い状況にも関わらず、着実に順位を上げていった。ランキングトップの36号車au TOM'S GR Supra、そしてランキング2位でこの第6戦を迎えた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTは、2台が5番手の直接対決をするという展開となった。

 4番手でスタートすることになった36号車au TOM'Sに対して、100号車は11番手スタートと、雨のSUGOでパフォーマンスを発揮させられずに苦しんでいた。決勝日も午前は雨で20分間のウォームアップ走行でも手応えを感じられないまま、ウエットコンディションでのレースに臨んだ。スタートを担当した100号車STANLEYの牧野任祐が振り返る。

「そもそも、ウエットに昨日からまったく上手くいっていなくで、今日のダンプコンディションに助けられたなと。普通にウエットのレースだったら、今回の僕らは周回遅れになったんじゃないかと思うくらいウエットタイヤを使えていませんでした」と牧野。

「ですので、スタートは僕もだいぶ硬い(コンパウンドの)ウエットタイヤを選びました。最初はかなりキツかったのですけど、スティントの終盤で周りが落ちてきたところでなんとかポジションを上げることができて、6番手まで行けたので、自分たちが狙っていたところまでは行けました」

 雨上がりでドライアップしていくコンディションの中、43周目に牧野は6番手で後半スティント担当の山本尚貴にドライバー交代。山本はスリック(ドライ)タイヤで後半スティントに臨み、山本も実質9番手から順位を上げていった。

「実質、自分が抜いたクルマはウエットを履いていたクルマを抜いただけで、あとはスリックを履いていたクルマはペナルティとか、自滅していったクルマです」と山本は謙遜するが、その山本の目前にはランキングトップの36号車au TOM'Sが照準に入り、近づいていった。

「彼らの前にはなんとしてでも出たいと思っていたのですけど、彼らの方が単独で走った時のペースが速くて、追いついた場面もありましたけど、そこからは離されてしまいました。ちょっと力及ばずでしたね」

⚫︎4位フィニッシュにも笑顔のないau TOM'S GR Supra山下健太

 一方、前を行く36号車auの山下健太も、当然、後ろの100号車を強烈に意識していた。

「100号車とはポイントを争っていたので、100には絶対に抜かれちゃいけないと思って走っていました」と山下。

 36号車はそのまま100号車を抑えて4位フィニッシュ。最も重いサクセスウエイト、そしてチャンピオンシップを争う100号車に先行するという理想的なレースとなったが、レース後の山下には笑顔はなかった。

「個人的にはそんなに満足はしていません。走り始めの時は路面が濡れている状況でスリックで走っていたので難しかったですけど、その最初の状況でちょっとペースが遅かったので。2リスダウン(燃料リストリクター2段階制限)以上に、自分が遅いと感じていて、周りは自分よりソフトなタイヤだったのかもしれないですけど、セーフティカー明けで2〜3台に抜かれてしまいました」と山下。

 山下にとっては土曜日は1周も走ることがなく、日曜の朝のヘビーレインで今週末初走行。レースでは雨上がりのスリックタイヤと、難しいシチュエーションでの走行となった。「しんどかったですね。決勝も長かったですし」と山下。

「タイヤが温まった後もあまりペースが良くなくて、自分が思っているよりも若干、乗りにくい部分もありました。今回は勝つのは厳しかったと思いますけど、個人的にはもうちょっと上に行けたんじゃないかという思いがあるので、あまり満足できる結果ではないですね」と厳しい表情のままだった。

 対する100号車も、ウエットでの厳しさを考えると5位フィニッシュは上出来とも言えるが、ランキングトップの36号車に敗れることになり、素直には喜べない結果となった。

「今回、僕たちの目標は5位だったので、その目標は達成できたけど、36号車が前にいるので悔しいレースになりましたね。悔しいですけど僕たちとしてはやれることはやり切ったと思いますし、このダンプコンディションにだいぶ助けられました。最後スリックになったときもペースよく走ることができていましたけど、それ以上に36号車のペースが良かったので、相手はだいぶ手強いなと感じましたね」と牧野。

 山本尚貴も、「今回は5位、6位には最低限行きたいという話をしていたので、その目標は達成できましたけど、前に36号車がいるというのは想定外というか、(ポイント争いでも)追いつけなくて離されてしまったので悔しい部分はあります。でも、こういう荒れたレースの中でチームもメカニックもミスなくきちんと戦ったことが結局、このポジションにつながっているので、今日はチームクニミツらしいレースができたんじゃないかなと思います。満足はできていないですけど、納得できるレースはできたかなと思います」と振り返った。

 残り3戦、次第に緊張感が増していくチャンピオン争い。36号車と100号車、さらにこの第6戦SUGOを制した37号車Deloitte TOM'S GR Supraも加わり、GT500のランキングは混沌となってきた。

「一番は最後の最後までチャンピオン争いの中にいることなので、きちんとタイトルが狙えるポジションに居続けることができれば大丈夫だと思うので、着実にポイントを取っていきたいなと思います」と山本。

 次の第7戦オートポリスも優勝争いと同様に、チャンピオン争いも見逃せない展開となる。

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