アクシデントとハプニングが多発した波乱の決勝。GT500の気になる3チームのレース事情/第6戦SUGO

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2024年09月22日 23:20  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第6戦SUGO レース序盤のGT500クラスの争い
 午前の大雨が止んで、路面コンディションが刻々と変わるなかで行われた2024年スーパーGT第6戦SUGOの決勝レース。特にGT500クラスでは選んだタイヤやセットアップなどの違いで目まぐるしく順位が入れ替わるなか、力強い走りをみせながらも悔しい結果となったチームも少なくなかった。

 今回はそのうちの3台をピックアップした。

⚫︎14号車ENEOS X PRIME GR Supra「仁嶺のせいでは全くありません」
 2番グリッドからスタートしたENEOS X PRIME GR Supraは大嶋和也がスタートドライバーを担当。しかし、選んでいたタイヤの特性もあり、セーフティカー先導を経てレースが始まった序盤は思うようにペースが上がらず、後方集団に飲み込まれてしまった。

「見てのとおり、完全にスティント後半に振ってタイヤを選んでいました」と大嶋。

「絶対にドライアップするところまで行くだろうと読んでいて、一番硬いゴムは他のタイヤに比べればダメですけど、意外と行けるんじゃないかなと思っていましたが……予想より(序盤はグリップが)来なくて焦りました」

「でも、狙いどおりにタイヤが温まって内圧が上がってきてからは誰よりも速く走れていたので、もうちょっと上手くトラフィックの処理ができていれば、ぶっちぎりのレースになったと言う面もあるので、悔しいところもあります」と、複雑な気持ちが入り混じるレース後の大嶋。

 それでも20周を過ぎてタイヤが温まってくると、一気に順位を上げて2番手に浮上。ここでGT300車両のアクシデントが発生してセーフティカー(SC)が導入されたが「あれはSCが出なかった方が良かったんです」と、大嶋は悔しい表情をみせる。

「あの時は、ラップタイムでトップの36号車(au TOM'S GR Supra)より3秒近く速かったので、たぶん次の周には追いついていた感じでした。SC中に36号車のタイヤが冷えたことで少し回復して、逆にこっちは硬い分、冷えてしまったことで(再開後の)1周目が辛くて。あのままレースができていれば、もっと違った展開になっていたと思います。なかなか難しいですね」

 14号車はレース中盤に福住仁嶺に交代したが、福住はその直後のレインボーコーナーでコースオフを喫した。ちょうど、フルコースイエローが出ているタイミングだったため、14号車はドライブスルーペナルティを受けて後退。最終的に9位でレースを終えた。

 これについて14号車の阿部和也エンジニアは「あれは完全に僕がタイヤの内圧設定をミスしました。仁嶺のせいではまったくありません」と肩を落としていた。

 いずれにしても悔しさが残る1戦となった14号車陣営。「とはいえ、このハンデを背負っていても、ちゃんと戦えることが分かったので、諦めずに次に臨みたいと思います」と大嶋は次戦を見据えていた。

⚫︎17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT「『意地でも追い抜く!』と決めて追いついていった」太田格之進

 こちらもウエット路面のレース前半から上位争いを繰り広げたAstemo CIVIC TYPE R-GT。塚越広大が前半スティントを務め、一時は3番手でレースを進めた。

 42周目にピットストップを行い、太田格之進に交代。スリックタイヤを装着して以降も好ペースを維持し4番手を走行していた。しかし、塚越がピットインした際に他チームのタイヤに接触したとのことでピット作業違反となり、残り6周のところでドライブスルーペナルティを消化。最終的に7位でフィニッシュした。

「(塚越)広大さんのペースがめちゃくちゃ良くて、3番手まで上がることができました。ピットで逆転されたのですけど、マシンのフィーリングはすごく良かったし、ペースという点ではかなり力強いものがあったのかなと思います。ただ、ピット作業違反をとられてしまって……」と後半スティントを担当した太田。調子の良さを感じることができていただきに、終盤のドライブスルーペナルティを悔しがっている様子だった。

 これで8番手まで下がったが、必ず爪痕を残す走りを見せるのが太田の特徴でもある。残り1周のところでWeds Sport ADVAN GR Supraを追い抜き、7位でチェッカーを受けた。

「残り5周くらいでドライブスルーを受けて、ピットアウトした時は19号車が見える位置にいました。そこから『意地でも追い抜く!』と決めて追いついていって、最終コーナー入口のめっちゃ水溜りになっているところに飛び込んでいきました。怖かったですけど、とにかくいきました」と太田。最終盤で一矢報いるオーバーテイクをみせた。

⚫︎64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT「結果的にウエットの状態でもペース的は十分ではなかった」大草りき

 6番グリッドからスタートしたModulo CIVIC TYPE R-GT。ウエットタイヤでスタートした伊沢拓也は序盤は力強い走りを見せていたが、路面が乾いていくにつれてライバルの先行を許す展開となった。

 41周目にピットインしてスリックタイヤに交換するも、乗り替わった大草りきはピットアウト直後の4コーナーでコースオフを喫するなど苦しい展開が続き、最終的にトップから1周遅れの14位でフィニッシュした。

「ピットのタイミングとかタイヤ選択というところも裏目に出てしまったところがあって、厳しいレースになってしまいましたね」と大草。今回は刻々と変わるコンディションのどこに照準を合わせ込むかがポイントとなったが、ダンロップタイヤを装着する64号車はウエット路面でのペースに重きを置いたとのこと。

「ドライアップのことを考えるよりも、レインのペースが良くなるようにというアジャストしていきましたが、結果的にウエットの状態でもペース的は十分ではなかったです。そこは悔しいレースでした」と大草。

 それでも「雨での速さに関しては次戦に向けてポジティブな部分もあったので、オートポリスに向けて反省点をまとめて頑張りたいなと思います」と前向きに捉えていた。

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