井浦新&水原希子が思い語る『徒花 -ADABANA-』東京国際映画祭「ウィメンズ・エンパワーメント部門」出品へ

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2024年09月25日 13:21  cinemacafe.net

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『徒花 -ADABANA-』Ⓒ2024「徒花-ADABANA-」製作委員会 / DISSIDENZ 
井浦新主演、共演に水原希子、三浦透子、斉藤由貴、永瀬正敏らが集結した日仏合作映画『徒花 -ADABANA-』が、第37回東京国際映画祭に新設される部門「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に出品決定。甲斐さやか監督が構想20年以上をかけた本作について、井浦、水原が思いを語った。

本作は、長編映画デビュー作『赤い雪 Red Snow』が第14回 JAJFF(Los Angeles Japan Film Festival)最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず高く評価されている甲斐監督の最新作。

ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに全く同じ見た目の“もう一人の自分「それ」”の保有が許された世界。死が近づいている新次(井浦)と、臨床心理士のまほろ(水原)、そして治療のために人間へ提供される「それ」の物語は、国内外問わず注目を集めている甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げたという、現代に解き放つ、命の問題作だ。

甲斐監督は、「1996年に、世界初の哺乳類のクローンである『羊のドリー』がスコットランドで作られて話題になったことがあって、日本でも記事にもなっていたんです。その記事を読んで調べていたら『クローン桜』のことを知りました。実は、日本で見ている桜のほとんどが一代限りのクローン桜なんです。私たちが日本の原風景だと信じているものがクローンだということに気づいてしまったことで、いまの私たちがコンピュータや技術を操っているように思っていても、実はこっちが操られているんじゃないかと思ったのです」と本作の構想についてふり返る。

井浦新「楽しみで仕方がないと言う意味で『身震い』しました」
甲斐監督の5年ぶりとなる待望の長編第2作の主演を務めたのは、前作『赤い雪 Red Snow』にも出演し、「甲斐監督の今後の作品は、どんな小さい役でもいいから出演させてほしい」と監督が捉える世界観に惚れ込んでいる井浦。

本作の構想を聞いたときは、「いままで観たこともないような表現の在り方に挑んでいかないといけない」と感じたという。

さらに、死が近づいている中で、もう1人の自分である“それ”と向き合っていく新次役について、「監督が『新次という役は新さんしかいない』と言ってくださって、高いハードルに対する不安と、でも絶対に演じてみたいというワクワクが混じって、楽しみで仕方がないと言う意味で『身震い』しました。監督の思いを超えていきたい、自分の気持ちをすべて作品に捧げたいという気持ちで作品に参加しました」と、相当な覚悟で新次役に挑んだと語る。

臨床心理士のまほろを演じた水原は、甲斐組初参加。「特別な思いのこもった、大切な作品なんだろうなというのが第一印象でした。のめり込みながら脚本を読みました」とふり返る。

前作『赤い雪 Red Snow』を観た水原は「人間の怖い部分が描かれているのが魅力でした。でもそこに、美しさも感じました。そういう、言葉にはできないものが映画の中にはあって、怖いけれど美しくて芸術的な作品だなと思いました」と、本作にも通ずる甲斐監督の世界観に魅了されたという。

第37回東京国際映画祭 新設部門「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に出品
10月28日(月)〜11月6日(水)に開催される第37回東京国際映画祭で、今回より新設部門として発表された「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に、本作の出品が決定。東京都と連携し、女性監督の作品あるいは女性の活躍をテーマにした作品に焦点をあてた部門となる。

同部門のシニア・プログラマー、アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏は、「『ウィメンズ・エンパワーメント部門』の1作に映画『徒花-ADABANA-』を選んだのは、甲斐監督が示唆に富む近未来の世界を説得力を持って創り出しているからだ。森を瞑想の場として使い、『羅生門』の自然描写を思い起こさせる」とコメント。

「そして、この映画のアイデンティティ、人生、人間性に対する探求は格別であり、現代の社会問題と共鳴する複雑な哲学的ジレンマを扱っている。さらには、説得力のある演技、的確なストーリーテリング、力強い語り口によって、この映画は観客を魅了すると同時に、存在と道徳に対する理解を再考するよう挑戦している。監督の先見性の強さが、この作品を傑出した1作にしている」と大絶賛を寄せている。

さらに今回は、新・場面写真も解禁。新次の身に何が起きたのか。怯えたような表情の新次や、窓ガラスに手をついて感情を溢れさせるまほろ、三浦演じる謎めいた「海の女」が夜の海で微笑む姿などが捉えられている。

『徒花-ADABANA-』は10月18日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。

第37回東京国際映画祭は10月28日(月)〜11月6日(水)、会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。





(シネマカフェ編集部)

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