消極的支持と心せよ=自民総裁選

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2024年09月28日 08:01  時事通信社

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時事通信社

 派閥裏金事件の逆風が収まらない中、異例の9候補が乱立した自民党総裁選は、よりましな候補を選ぶ「コンテスト」の様相を呈した。結果はある意味無難な選択と言えよう。第102代首相に選出される石破茂新総裁は、「裏金」で失った政治への信頼回復という重責を担う。

 岸田文雄首相の不出馬表明で口火が切られた総裁選。衆目の一致する「ポスト岸田」候補不在の中、石破氏が半ば消去法で選ばれた。かねて「党内野党」のレッテルを貼られ、時の政権に批判的な発言を重ねてきた経歴が、危機的状況に陥る党内で一定の支持を得たのだろう。

 総裁選は高市早苗経済安全保障担当相、小泉進次郎元環境相との三つどもえの争いとなった。論戦が進むにつれ、人気先行の小泉氏は経験不足を露呈し失速。決選投票では、強い保守色がむしろ危うさと感じられた高市氏と比べ、石破氏がよりましだと評価されたにすぎない。苦戦が予想される次期衆院選で結果を出せなければ、再び看板の掛け替えを求める声が強まろう。

 今回の総裁選は岸田首相の派閥解消宣言を受け、麻生派以外の5派閥が解散を決めた中で行われた。派閥なき総裁選のありようが問われたが、旧来の派閥を軸とした合従連衡の動きが最終盤で顕在化。派閥解消は「裏金」の醜聞から世間の耳目をそらせる狙いだったのかと疑いたくなる。

 石破氏は今後、党改革はもちろん内政外交の難題に取り組むことになる。人付き合いが苦手で徒党を組むことを好まないとされ、党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)なだけに不安も残る。直ちに取りかかる党執行部と閣僚の人事が試金石となるが、総裁選候補者らを寄せ集めた「ドリームチーム」(岸田首相)で切り抜けられる局面でないのは明らかだ。 

このニュースに関するつぶやき

  • しかし存在そのものが日本の政治にとって大きな災厄であった麻生太郎の晩年を飾る、惨めなみっともなさみすぼらしさに快哉。キングメーカー気取っていばり腐ってた爺さんが地に堕ちたのは何よりの清涼を日本にもたらした。
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