「インディ500の次に重要な勝利」ボビー・レイホール、“地元”でのBMW初ワン・ツーに感無量／IMSA

　BMW Mチーム RLLのチーム代表、ボビー・レイホールは、9月22日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第10戦『バトル・オン・ザ・ブリックス』で歴史的な勝利を収めたことは、チームがこれまでに達成した「もっとも重要な」勝利として記憶されるかもしれないと語った。

　24号車のフィリップ・エングと25号車のコナー・デ・フィリピは、このファクトリーGTPチームのBMW Mハイブリッド V8をワン・ツー・フィニッシュへと導いた。

■FBIの捜索はレースに影響なし

　インディアナポリス郊外のジオンズビルを拠点とするこの組織にとって、これは波乱に満ちた1週間の出来事だった。レース前の水曜日には、未公開の進行中の調査をめぐってFBI（アメリカ連邦捜査局）がファクトリーの捜索を行ったが、週末のブリックヤードにおけるチームの努力には影響を及さなかった。

「今週の狂気を考えると、これはチームとして最大の勝利と言えるだろう」とレイホールは語った。

「今年だけでなく、昨年もその前の年も素晴らしい仕事をしてくれたこのチームには、本当に感謝している」

「BMWモータースポーツとの関係。これらの人々は、我々と同じように、チームとして昼夜を問わず働き、今日達成したこの順位にたどり着くために努力している」

「今年は多くの点で厳しい年だったので、チームと BMW Mモータースポーツの全員に心から感謝している」

「昨年は何度も表彰台に上がったが、実際よりも少し楽だと思っていたかもしれない。だが、今年はさらに困難なものになった」

「今日もまだ……ライバルたちのトラブルには頼らずに、我々は成功することができた。これは大きなことだ。本当に努力した甲斐があった」

　1986年のインディアナポリス500マイルレースの優勝者であり、チームオーナーとしてもインディ500に勝利した経験を持つこの元ドライバーは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権での今回の勝利は、非常に重要な意味を持つと述べている。

「インディ500での個人的な勝利を除けば、これが我々にとってもっとも重要な勝利かもしれない。なぜなら、これはまさにタイムリーであり、我々全員が注いできた努力のすべてを表すものだからだ」とレイホールは語った。

「我々のチームにとって、そしてこのプログラムに日々取り組んでいるミュンヘンの全員、そしてジオンズビルの全員にとって、これは大きな出来事だ」

「報復とは言いたくないが、これは全員が注いできたすべての努力に対する報酬だ」

「だから、私はとてもうれしい。この人たち、我々のチーム、このプログラムのために一生懸命働いているミュンヘンの人々のことを考えても、うれしい。本当に、これ以上ないほどうれしいのだ」

「なぜなら、率直に言って我々は一生懸命働いてこれを獲得したと思うし、今日は我々にとって素晴らしい日だったからだ」

　なおレイホールは、レース前に彼のファクトリーで起こった出来事については「詳しくは話さない」と述べている。

■チームメイトの理解を超えたエングの走り

　同じBMWファクトリードライバーのイェッセ・クローンと勝利を分け合ったエングは、温存しなければならなかったエネルギーの量を考えると、最後の数ラップは厳しかったと認めた。

　エングは残り1時間強で最後のピットインを行い、最後のリスタート直後にデ・フィリピと当時レースリーダーだったアキュラのルイ・デレトラズを抜き去った。

「レース序盤はアップ＆ダウンが非常に多かった」とエングは語った。

「実際のところは、『アップ』よりも『ダウン』の方がはるかに多かったけどね。だけど、最終的にはレースをリードするという素晴らしい位置につけることができた」

「エネルギー（燃料量）の制限があることは分かっていた。だから最後まで走りきるためには、僕たち、あるいは僕自身がエネルギーを節約しなければならなかった」

「周りのクルマも同じような状況にあると分かっていたが、チームはスティント全体を通して僕をうまく導いてくれた。だから、何をしなければならないか、どれだけ節約する必要があるかを常に理解していたんだ」

「そして、実際、これはかなり感動的な勝利だった。というのも、生活が少し厳しく、自分のクルマのための燃料を買うのがそれほど簡単ではなかった日々を思い出すからだ」

「レースを最後まで走りきって最終的に勝利を得るためには、それが僕がしなければならなかったことだから、あの頃をかなり思い出したよ」

　チームメイトのクローンは、次のように付け加えた。

「僕は（ピットで）無線を聞いていたが、ストレスフルだったのでヘッドフォンを外さなければならなかった。僕は自分の仕事はやり遂げた。成り行きに任せようと思っていたんだ」

「燃料について、ライバルが何をしているか、いつかは成功するためにはどれだけの燃料を節約しなければならないか、などについて多くの話があった」

「チャンスがないように見えたけど、フィリップは煙を出さんばかりの勢いで走っていた」

「彼があの燃費でどうやってあのペースを維持できたのかは分からないが、フィリップのドライブは本当に素晴らしかったし、彼がどんなドライバーであるかを示しているよ」