高石あかり「ベイビーわるきゅーれ」ダブル主演の伊澤彩織への思い「お互いを尊重、尊敬し信頼」

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2024年09月30日 07:45  日刊スポーツ

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ドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」について語る高石あかり(撮影・中島郁夫)

<情報最前線:エンタメ>



日本映画界に“殺し屋ジャンル”を確立させた「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの勢いが止まらない。


21年の映画第1弾は超低予算映画ながら、23年には続編が公開。そして4日からテレビ東京系で連続ドラマ「−エブリデイ!」(水曜深夜1時)がスタートし、27日には映画第3弾「−ナイスデイズ」が公開された。主演の高石あかり(21)に、これまでの歩みとダブル主演の伊澤彩織(30)への思いを聞いた。【村上幸将】


■お互いを尊重、尊敬して信頼


「ベイビーわるきゅーれ」は、高石演じる杉本ちさと、伊澤演じる深川まひろの、殺し屋協会に所属する2人組が主人公。過激でハードな殺し合いと、裏腹の若き女子のわちゃわちゃしたユルい日常を描く。


−連ドラ化され、放送中に映画第3弾が公開。ここまで来ると思っていた?


「誰も思っていないですよ(笑い)。個人的には、ドラマを見たいと思っていましたし、なったらいいなという声もあった。アニメっぽいとも言われたので、ポップで見やすいドラマになるのでは? と思ったら、監督の書いた脚本が、すごく面白くて。ドラマができて良かったです」


映画第1弾は、殺し屋協会に委託された人殺ししかしてこなかった2人が、高校卒業を前に表の顔として社会人をしなければならなくなり苦悩する姿を描く。2人は社会への迎合を余儀なくされ、ルームシェアも命じられる。特にまひろは周囲とコミュニケーションを取ることが苦手で、バイトなどそつなくこなす、ちさとに嫉妬。ちさともまひろを突き放す面があり、2人の間には距離があった。


それが23年の「−2 ベイビー」では、自らの立場を狙う殺し屋協会アルバイト兄弟との闘いの中で思いやり、連携を高め、伝説のコンビへと成長。お互いがかけがえのない存在になる。


−2人の関係性は?


「変わらないですね。『−2 ベイビー』は、2人が1つになる話だと言っていて。物理的にもお互い、傷を負って補っている。それを明確にするというのは、ドラマにはありますけど。良くなっている、深まっていると思います」


「−ナイスデイズ」では2人が宮崎県に出張する。


「一緒に住んでいた家から飛び出して、宮崎での出張ということで画も変わりますし、家の中にいた2人がテントの中にいたり、宮崎の空と海に囲まれて景色が変わっている中、はしゃいでいる。(作品を)見ていて楽しかったです」


■お互い凸凹で重なって1個…


“史上最強の殺し屋”冬村かえで役の池松壮亮(34)とのアクションシーンは、最大の見どころだ。


「池松さんが出す強者のオーラとアクションが重なって、今までで1番、強いキャラクター。アクションもお芝居も、皆さんの想像を何倍も超える人物ができあがっています。伊澤さんのやられ方、アクションも本当に素晴らしかった。2人が、すごくすてき」


前田敦子(33)との共演も実現。口が達者な先輩殺し屋・入鹿みなみはシリーズにおいて、これまでにないキャラクターだった。


「前田さんのお芝居が好きだったので、うれしかったですし、お互いのセリフの出し合い…怒っているのだったり、1個きたら、その上をいかないといけない。お互い、もっと、もっと、というところの難しさと楽しさ…食らい付いていける経験をさせてもらえること自体ありがたい。今、私は前田敦子さんとお芝居しているんだとかみしめながら…考えながらできていて。吸収というか(セリフを)浴びていましたね」


連ドラ「−エブリデイ!」は、殺し屋協会の組織内部を描く。一大プロジェクト「風林火山」を描く「風林火山」編では、超特急の草川拓弥(29)演じるプロジェクトマネジャー夏目敬と、本田博太郎(73)演じる夏目のボスで全国2位の伝説の殺し屋・宮原幸雄が強烈な存在感を発揮。後半の「ジョブローテーション」編では、まひろとコンビを組む殺し屋協会の監査部「粛清さん」日野彰を柄本時生(34)が演じる。


「草川さんは、ストレスマックスのキャラクターでためこんで、ためこんで…表情が変わっていく絶妙なお芝居で面白かったです。これまでのキャラクターとは違うお芝居の仕方で、新しい風が吹いていると思いました。(本田は)ひと言、ひと言の渋さ、重さ…全く深くないことを深くおっしゃるのが最高でした」


「ベイビーわるきゅーれ」は、阪元裕吾監督(28)が21年の映画「ある用務員」で起用した高石と伊澤で映画を作ろうと、2人の素の部分もキャラクター造形に織り込んだ。伊澤との信頼が作品によって成長、醸成されたのでは? と投げかけると高石はうなずいた。


「確実に信頼でしかない。お互い、弱さも強さも見せているので。デコボコで、重なって1個というか…私たちはドラマで、より、それも強く感じていて。お互いがお互いをちゃんと頼る。1つになって、どっちかが補い合ってということが、ちゃんとできたとドラマで強く感じました」


日本有数のスタントパフォーマーに成長した、伊澤とのアクションは常に課題だった。映画第1弾はガンアクションにとどまったが、アクション監督の園村健介氏と伊澤とともに、作品ごとにハードルを上げ、妥協なく作り上げてきた。


「伊澤さんは、ドンドン先を行きますから…背中を追って食らいついていくしかない。厳しいアクションでした。私には私の厳しさがあって、伊澤さんにも厳しさがあって…2人で頑張りながら、ずっと上がっていました。3で、2のレベルをはるかに超えた量と質を求めていただいて。自分にできるのかと思いましたけど、任せていただけているんだとポジティブな気持ちでドラマも含め、精いっぱい頑張りました」


「ベイビーわるきゅーれ」で初主演後、高石は注目作に相次いで出演。伊澤もキアヌ・リーブス主演の米映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」に参加。ともに一気に飛躍を遂げた、伊澤への思いは深い。


■ちさととまひろ2人がいれば


「どちらも主演映画が初めてで、お互いが初めて経験することだったり、一緒に歩んできているので(関係性が)全然、違う。大切な人です。伊澤さんは、私に『あなたはすごい』って、よく言うんです。真っすぐに、その言葉をかけていただけることって、ないじゃないですか? 感情そのままを言葉にする方だとは思いますけど…それって、私が強く伊澤さんに感じていることで。伊澤さんは感情、持って来るアイデアが自分にはないものなので、お芝居もすごいとしか言いようがない。お互いがお互いを尊重、尊敬し合っていると感じているからこそ信頼できている」


そして、こう断言した。


「ちさととまひろの2人がいれば『ベイビーわるきゅーれ』。そこは絶対に変わらないので」


◆映画「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」 ちさととまひろのコンビは宮崎県に出張し到着早々、ミッションをこなしバカンス気分を満喫。ちさとは、まひろの誕生日だと気づくが、次の殺しの予定が入りプレゼントを用意する暇もない。チンピラ1人を消す簡単な仕事のはずが、宮崎県庁に行くと、ターゲットに銃を向ける一匹おおかみの殺し屋・冬村かえでがいた。150人殺しの達成を目指す、かえでが2人を絶体絶命の危機に追い詰める。

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