またも“非”プレーオフからウイナーが誕生。ロス・チャスティンが待望の今季初優勝/NASCAR第30戦

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2024年10月01日 12:20  AUTOSPORT web

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ロス・チャスティン(Trackhouse Racing Team/シボレー・カマロ)が、こちらもレギュラーシーズン終了時点でプレーオフ出場権を逃した後の今季初勝利を獲得
 当初のプレーオフ出場資格を持つ16名から、マーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)らを含む4名が脱落して迎えた2024年NASCARカップシリーズ第30戦『ハリウッド・カジノ400』は、残り20周のリスタートで、そのトゥルーエクスJr.を出し抜いたロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)が、こちらもレギュラーシーズン終了時点でプレーオフ出場権を逃した後の今季初勝利を獲得。これは「大きな出来事だ」と、いわゆる“スポイラー”の役割を演じて見せた。

 ポストシーズン“Round of 12”の緒戦となったカンザス・スピードウェイの週末は、トラックハウス・レーシングのチームメイト同士であるチャスティンとダニエル・スアレス(シボレー・カマロ)の最速で始まった。

 しかし予選に入ると、同地で無類の強さを誇るクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が3年連続のポールウイナーに輝き、現行Next-Gen規定で開催されたカンザスでの6戦のうち、実に4回目の最速となった。

「はっきり言って、このレースカーの開発に携わった人たちが、この結果を出してくれたんだ」と、キャリア通算12回目のポールポジション獲得を喜んだプレーオフドライバーのベル。

「今日は、おそらくこれまでで最高の“カンザス・カー”で臨んだ。ここは予選にいつも最適なトラックで、レースに出るたびにいつも3位から7位の範囲にいるようだが、今日は違った。FPでは本当にいい感じで、クルマをドライブしていて本当に快適だった。そして予選ではバランスを再現することができたね」

 迎えた決勝でもベルはレースハイの122周をリードしたが、タイヤの損傷などもあり各ステージはウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、アレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が勝利を挙げ、ヘンドリック陣営にポイントを攫われる展開となる。

 その一方、同じく右リヤタイヤの損傷により19周目のターン2でウォールにヒットした前戦勝者カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)は、56周目にリードラップから脱落して午後の大半をグリップとスピードに欠けるマシンの修復に費やす対照的な展開となる。

■トラックシリーズは最終ラップでのガス欠で首位交代

 バンク内でも4〜5ワイド上等のカンザスでは複数のコーションが発動したが、157周目にオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)を追いやっていた“非”プレーオフドライバーのカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)は、レース終盤にチャスティンとの首位攻防を繰り広げる。

 実に30周以上にわたって続いた“暴れん坊”同士のデュエルは、残り32周の時点でリードラップに留まろうとしていたチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)に近づきすぎた瞬間、ターン2で姿勢を乱した8号車カマロZL1がコントロールを乱し、アウト側の壁面に衝突。この日、26周をリードしたブッシュは、ポストシーズン残り6戦で“19年連続勝利”記録の更新に賭ける状況に追い込まれた。

 そして最後のコーションは、カーソン・ホセヴァー(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がトッド・ギリランド(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・マスタング)との接触後にバックストレッチでスピンを喫したことによるもので、この時点で隊列を率いていたトゥルーエクスJr.に対し、ボトムレーンを選択したチャスティンが残り20周でクリアなリードを奪う。

 これで最終的に52周をリードした“スイカ男”が、季節外れのキャリア通算5勝目を手にする結果となった。

「この1号車のクルーにとって、ジャスティン・マークス(チーム代表)とNASCARで契約を結んでいるのは、まさにこのようなことをするため……つまりチャンピオンシップを混乱させるためだ」と語ったチャスティン。

 この勝者は「今季はカップレースどころか、ダーリントンのほとりにある小さな池でさえ、波紋を投げ掛けることもできなかった苦しい時間もあった。難しい、本当に厳しいシリーズなんだ」と続けた。

「今週はFPと予選の後、自分たちに必要なものがないと思ったときもあった。でも僕らの1号車『クボタ・シボレー』は、タイヤが減るにつれ良くなり(レース中の)バランス調整も素晴らしかったよ」

 併催となったNASCARクラフツマン・トラック・シリーズの第19戦『クボタ・トラクター200』は、ファイナルラップを示すホワイトフラッグまでリードを守ったタイ・マジェスキー(ソースポーツ・レーシング/フォードF-150)が燃料切れとなり、その脇をすり抜けたコーリー・ハイム(トライコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRD-Pro)が劇的な今季6勝目を獲得することに。

 同じく併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第27戦『カンザス・ロッタリー300』は、パートタイム参戦のアリック・アルミローラ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタGRスープラ)が、プレーオフ出場者同士が不満を抱くなか今季2勝目を挙げている。

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