サッカー日本代表入りにも期待したい大器 チェイス・アンリをシュツットガルトの名将も積極起用

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2024年10月03日 06:20  webスポルティーバ

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 チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ第2節、シュツットガルト対スパルタ・プラハ。チェイス・アンリがピッチに立ったのは62分、パスカル・シュテンツェルに代わって右サイドバックに入った。

 レアル・マドリード戦に続いて、CLで2戦連続の出場。それでも本人は「なんとも思ってないっす。出られてうれしいですけど、あとはとりあえず、また練習からがんばればいいかなと思います」と、試合の出場自体は喜びつつも、特筆すべき結果を残せなかったことを残念に思っている様子だった。

 チェイスが投入された時間帯、試合は1-1で推移していた。CLでまだ勝利のないシュツットガルトにとっては、ホームの6万人の大声援のなかでどうしても勝利を掴みたい第2戦だった。

 そんな試合の交代で一番手として出場した選手が、チェイスと前線のクリス・フューリッヒだ。だが、チェイスいわく「指示は特にないっす」とのこと。「サイドバックの仕事は攻撃面での貢献だ」と考えたチェイスは、積極的に攻撃参加を試みた。

 シュツットガルトのこの日のシステムは4-2-3-1。チェイスの前でプレーする右MFのエンゾ・ミロが外に張ってプレーすることもあり、チェイスは中から高い位置を取った。

 それでも、流れのなかでチャンスに絡むことは難しかった。唯一、チャンスらしいチャンスは66分、右CKの流れからこぼれ球を右足でシュートしたが、枠を超えてしまった。「あれはたまたま俺のところに(こぼれ球が)来ただけで」とシュートシーン自体は偶発的なものだったと説明した。

 それよりもチェイスが試合後に強調したのは、意識を含めた攻撃力向上の必要性だった。

「もっと攻撃を練習しないといけないし、もっと怖い選手になんなきゃいけない。今日の試合は『もっと前に、前に』と考えないといけなかったと思いました」

 サイドバックとして、得点に絡むことでチームに貢献したい。だが、上がってしまったあとの守備も気になる。そのサジ加減が、まだよくわからないという。

「もっと攻めたかったけど、やっぱカウンターも怖かったし、それがけっこう頭に入ってきて、なかなかいいポジショニングも取れなくて、それで守備的に試合に入っちゃった。攻撃やポジショニングをもっとやんなきゃいけないなと感じましたね」

【自身の不甲斐なさも素直に吐露】

 チェイスは188cmという高身長もあって、世代別代表やクラブではセンターバックを務めることが多かった。だが、セバスティアン・ヘーネス監督は左右どちらかのサイドバックとして期待を寄せていることが、これまでの起用からわかる。

「もっと攻撃的に。(サイドバックでは)やっぱ守備だけじゃ意味がない。センターバックでやる分には普通にプレーすればいいですけど、サイドバックはセンターバックと全然違うんで。ポジショニングも変わってくるし、技術もけっこう出る。中に入って受ける時もあるので、そこもやんなきゃいけないなと思いました」

 とにかく、課題ばかりが口をついた。

 悔やまれるのは、試合のラストプレーだ。相手陣内でボールを受けた時にバックパスを選択。その時、チェイスは聞こえなかったらしいが、場内からはやや大き目のブーイングが聞こえた。ドイツではよくある光景だが、勝利を求めるファン・サポーターは消極的な判断に対して容赦ない。

「俺もシュートを打ちたかったです。でも、意外と相手がプレッシャーにきていて......。俺もベンチで見ていたら『打てよ』って感じたと思う。でも、ピッチに立つと全然違う。蹴ったら相手に当たりそうだったし。でも、そこも必要なのは経験かな」

 ピッチに立っているものとして胸を張りつつも、自身の不甲斐なさも複雑に入り混じる。

 一方で守備面においては、スピードを生かして相手のカウンターを食い止める場面も見られた。10日前のドルトムント戦(ブンデスリーガ第4節)で左サイドバックとして投入された時はマークの受け渡しがうまくいかず、失点につながるシーンもあって難しさを口にしていた。だが、この日の右サイドバックでは本人的にもだいぶスムーズにプレーできたようだ。

「ドルトムント戦は左サイドバックで、右利きのヤツ(チェイスは右利き)が左はけっこうむずい。その調整も必要で......それも言い訳になっちゃうけど難しかった。でも今日は右で、俺も好きなポジションなので」

 最終ラインながら途中出場を重ねるチェイスに、ヘーネス監督が期待を寄せていることは明らか。手応えも課題も感じつつ。大器の予感をびんびんに漂わせながら、20歳のチェイス・アンリは日々成長中だ。

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