最安でも12万超えの「iPhone 16」…購入は見送るしかない? iPhoneはなぜこんなに高くなっているのか

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2024年10月03日 21:21  All About

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9月20日に発売されたiPhone 16。価格は最も安いモデルで12万4800円(税込)と、もはや10万円超えは当たり前になってきた印象です。なぜこれほど高額になっているのか、ユーザーはiPhoneとどのように付き合っていけばよいのか。元携帯ショップスタッフでITライターの迎悟が解説します。
2024年9月20日、Appleから「iPhone 16」シリーズが発売されました。価格はiPhone 16の最も安いモデル(128GB)で12万4800円(税込)。iPhone 15(128GB)の価格を据え置いたとはいえ、今年も10万円を超える価格となりました。

これだけ高価になると、最新モデルが登場してもなかなか買い替えに踏み切れない人も多いのではないでしょうか。今回はiPhoneの価格が上昇している理由を考察すると共に、もはや高級品となりつつある最新のiPhoneと上手に付き合っていくためのヒントをご紹介します。

iPhoneが高くなっているのはなぜ?

まずは、ここ数年で登場したiPhoneの発売時価格を振り返ってみましょう。Appleが発行したiPhoneに関するプレスリリースより、日本での発売時価格が表記されていたモデル(iPhone 7〜16)を抜粋して比較しました。
各機種、発売当時にApple Storeで最小ストレージ容量のモデルを購入した場合の金額(税込)

これを見ると、iPhone 7以降のiPhoneは発売時価格が年々上昇する傾向にあり、iPhone 14以降は10万円を超えるモデルが続いていることが分かります。

5年前のiPhone 11と最新のiPhone 16を比べてみても、その差は5万円。価格上昇の背景には何があるのでしょうか。

1. iPhoneの高性能化

最も影響を及ぼしていると考えられるのは、iPhoneの高性能化です。

背面カメラを例に挙げてみますと、1つしか搭載していないモデルが主流だったところから、現在ではスタンダードモデルでも2つ、高性能を売りにするプロモデルでは3つと搭載数が増えています。

単純にカメラの数が増えればそれだけ部品点数も増えますし、撮影モードの追加や撮影品質の向上など、性能も進化していますから、その分価格が上昇するのは当然のことでしょう。

高画質な写真や映像が撮影できるようになれば、それらを表示するディスプレイにも対応が必要です。iPhoneのディスプレイは大型化していくと同時に、高画質モデルのテレビなどに搭載される「有機EL」の採用が進んできました。

インチサイズが大きく、有機ELを採用したテレビには高級なイメージを抱く人も多いと思います。それと同じことがiPhoneにも起きているのだと考えれば、高額化にも納得がいくのではないでしょうか。

さらに最新のiPhoneには「5G通信への対応」や、AIを活用した「Apple Intelligence」への対応のように、毎回新機能が盛り込まれます。これらに対応するには高品質な半導体を採用する必要があり、ここにもコストがかかっていると想像できます。

2. 円安の影響

また、為替の影響も考えられます。ここ数年外国為替市場では大幅に円安が進み、アメリカでは据え置かれたiPhoneの発売時価格が、日本では数千円〜数万円の値上げになる事態も発生しています。
米ドルと日本円で比べた、直近5年間のiPhoneの発売時価格(税込)

冒頭で述べたように、今回のiPhone 16の発売時価格は日本でも据え置きとなりましたが、iPhoneの価格上昇には為替も関係していると考えるべきでしょう。

iPhoneのこれまでの進化を振り返る

年々性能が向上していくiPhone。過去にはどのような進化があったのでしょうか。iPhone 7以降のモデルについて、主な変化を振り返ってみましょう。

2016年発売の「iPhone 7」シリーズでは、大画面モデルの「iPhone 7 Plus」で初めてカメラの数が2つになり、今までにない撮影を楽しめるようになりました。

翌年の2017年にはiPhoneの登場から10周年を記念し、デザインを刷新した「iPhone X」が登場しました。高画質な有機ELディスプレイを搭載するだけでなく、指紋認証のTouch IDに代わり、顔認証の「Face ID」を採用。発売時価格は11万2800円(税込)と、前モデルから大幅な値上げに踏み切りました。

2019年発売の「iPhone 11」シリーズでは、初のプロモデルとなる「iPhone 11 Pro/Pro Max」が登場。カメラの数も3個に増え、プロの名に恥じない本格的な撮影機能が売りになりました。一方、スタンダードモデルの「iPhone 11」では、有機ELではなく液晶ディスプレイを採用。比較的求めやすい価格で発売されました。

2020年に登場した「iPhone 12」シリーズでは、すべてのモデルで5G通信に対応しました。

そして2024年モデルの「iPhone 16」シリーズでは、生成AIを活用する「Apple Intelligence」に対応。日本語対応は2025年とされていますが、カメラを向けるだけでお店の情報を調べられたり、メールの文章の要約や返信の作成をお願いできたりするなど、さまざまな場面でAIに手助けしてもらえるようです。

高価なiPhoneをお得に入手するには?

10万円を超える価格が当たり前になってきたiPhone。値上げは避けられないとしても、できれば安く購入したいと考えている人も多いことでしょう。

おすすめの買い方

筆者のおすすめは、携帯電話各社が実施する「端末購入プログラム」を利用することです。36回や48回と長期の分割払いでの契約になりますが、2年使用してiPhoneを返却すれば、残りの支払いは免除されるため、10万円超えのiPhoneを買う場合も自己負担は約半額で済みます。

同じ買い方を続けていけば「2年ごとに約半額で最新のiPhoneを利用できる」のもメリットです。

あるいは最新ではなく「少し前のモデル」を狙うのも手。1〜2世代前のものなら10万円以下で購入できる場合もあります。

今使っているiPhoneを下取りに出すのもあり

もし今使っているiPhoneがあるのであれば、それを売り、買い替え費用に充てるのもいいでしょう。最近のiPhoneは「中古での買い取り価格も高い」のが特徴。キレイに使えば2〜3年後に売ったとしても意外と高値で買い取ってもらえます。

ただし、落として傷つけてしまったり画面が割れてしまったりしたiPhoneは、買い取り価格が下がってしまいます。心配であれば「AppleCare+」のような保証サービスに加入しておくといいでしょう。そしてiPhoneが「10万円以上する高級なもの」と、値段相応の取り扱いをしておくことが重要です。

10万円以上という価格になかなか手を出しづらくなってきた最新のiPhoneですが、実は「手の届く値段」で購入できるような仕組みも多数存在しています。

「高いから見送る」よりも「高いけど、安く買う方法があるはず」と考えて実行してみると、意外とお得に買えるかもしれません。ぜひ新しいiPhoneへの買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。

<参考>
・Newsroom プレスリリース(Apple)
(iPhone 7/iPhone 8/iPhone X/iPhone 11/iPhone 12/iPhone 13/iPhone 14/iPhone 15/iPhone 16)
・Newsroom PRESS RELEASE(Apple)
(iPhone 12/iPhone 13/iPhone 14/iPhone 15/iPhone 16)

【この記事の筆者:迎 悟】
家電量販店やキャリアショップなど、多数のチャネルで携帯電話販売の最前線に10年近く従事。その経験をもとに、現在はフリーランスライター・ブロガーとして活動している。携帯電話販売の現場インタビューや契約・使い方のハウツーを中心に、さまざまな媒体で執筆中。
(文:迎 悟)

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