ルーキーライダー佐々木歩夢が経験した初めてのMoto2クラス「冬にベースセットが出せなかったのが大きいが、徐々に慣れてきた」/第16戦日本GP

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2024年10月04日 09:20  AUTOSPORT web

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母国GPを前に初めてのMoto2クラスを振り返る佐々木歩夢
 10月4日から6日、栃木県にあるツインリンクもてぎにてMotoGP第16戦日本GPが開催される。昨年Moto3クラスでランキング2位を獲得し今シーズンからMoto2クラスに昇格した佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp Team)が記者会見を行い、Moto2クラスの特徴や日本GPに向けた意気込みを語った。

 7年間のフル参戦の後、惜しくもチャンピオンには届かなかったものの、ランキング2位でMoto3クラスを卒業した佐々木歩夢。だが、Moto2クラスのスタートは簡単ではなかったようだ。

「シーズン初めは、腕上がりなど身体の面で少し苦労してしまいました。転倒で頭を打ってしまい、出られなかったレースもあります。いろいろうまくいかないスタートだったのですが、徐々にMoto2にも慣れてきていて、最近は少しずつ良くなってきていると思います」

「まったく違うバイクなので、苦労するかなとは思っていましたが、確かに今年のシーズン初めみたいなことが起こるとは思っていませんでした。思ったよりは少し苦戦していますね」

「Moto2は本当に差がなく、1秒遅ければビリになってしまうようなクラスです。すごく難しいクラスですが、逆に良く言えば差がないので、ちょっと上がればポジションも上がります。徐々にではありますが前は見えてきているので、日本GPをきっかけにもう少し前で走れるように頑張っていけたらいいかなと思います」

 MotoGPへの登竜門であるAsia Talent Cup時代から切磋琢磨してきた同世代の小椋藍(MT Helmets – MSI)は一足先に、2021年にMoto2クラスに昇格し現在はポイントリーダーとしてチャンピオン争いをリードしている。

「(小椋)藍はすべて整っていますよ、今は。今年は確実にチャンピオンを取れると思っています。Moto2バイクは自分のライディングスタイルではなく、バイクに合うライディングスタイルで走らないと速く走れません。そんな中で自分の走りだけではなく、バイクがしてほしい走り方をすぐにできるような、そういった器用なところが、すごく今に響いているんじゃないかなと思います」

「自分としてもここまで苦労するとは思いませんでしたが、他のルーキーを見ると、みんなも苦労しています。3年前くらいのMoto2クラスよりも、さらにぎゅっとしたように思うんです」

「前はトップ10台ぐらいが速くて、あとはちょっと差がありました。でも最近のMoto2クラスは、MotoGPに上がれる人が少なくなっていることもあって、Moto2のトップライダーがどんどん多くなってきていて。Moto2のトップライダーでも年に1、2人くらいしかMotoGPに行けないから、速いライダーがずっとMoto2に残ります。Moto2で速いライダーがたくさんいる状態」

「速いライダーだとしても、少しでもセットアップをミスすると、簡単に今自分が走っている位置ぐらいの順位で走っているウイークもあります。そう考えると、本当に差がないクラス。自分の中でもまだ気持ちよく走れていない感じがあり、それを解消してもう少し気持ち良く走ることができれば、もうちょっと上の順位を目指せるのではないかなと思っています」

「問題はセッティングだけではないと思っていますが、もちろんセッティングも、どこまで改善できるかは、1年目なのでわからない部分は多いです。結構自分のせいなのか、バイクのせいなのかわからないことがあって、苦労している部分はあります。でも、自分もバイクもどちらも改善しなければいけません。フィーリングが良い時は結構自分も気持ちよく走れていますしね」

「今年の冬にベースセットが出せなかったというのがいちばん大きい原因かな。今年の冬はまだ、(ベースのセットを固めるには)自分がルーキーで遅すぎて。やっと今、そこそこ良いスピード域に来た中で、みんなは冬の間にもうベースセットアップが出ているのに、自分は毎戦違うサーキットに来て、毎回セットアップを変えて、という風になっちゃっているから。そこがいちばんのポイントかなと思います」

「Moto3と比べてパワーの差はそんなに感じなくて、どちらかというとバイクの重さ、大きさを感じます。バイクの大きさがいちばん違うかな。あとは、Moto3みたいにバイクを操ろうとしてはいけないんだなと……。Moto3では自分でバイクを振り回して乗るような感じだったんです。でも、Moto2では急にバイクが大きくなって。やっぱり大きいバイクになればなるほど、振り回すだけではなくて、バイクの言うこと聞いて乗る。ちょっと乗り方が変わってくる部分はあります」

「そんなにジムに行くわけではありませんが、やっぱり乗っていることによって身体も大きくなってきました。あと、やはり体重を増やさなければいけない面もありますね。Moto3の頃は結構ダイエットをしていましたが、今普通にご飯食べるようになってから、筋肉も勝手につくようになりました」


 好スタートは切れなかったが、シーズン終盤になってようやくMoto2クラスに慣れてきた佐々木。ヤマハという日本メーカーのチームで迎える日本GPについての意気込みも聞かせてくれた。

「今まではKTMで走ることが多かったので、ヤマハのような日本の会社と一緒にレースしたことがありませんでした。日本のメーカーさんと一緒に戦うというのは、プレッシャーは大きいというか、いつもよりも背負うものは多いと思います。しっかりと良いレースができるように頑張ります」

「もてぎのサーキットは、得意な方です。めちゃくちゃ好きなコースという訳ではないですが、昨年も一昨年もMoto3では良い成績で終わることができているので、苦手なサーキットではないと思います」

「でも、大きいバイクは一度もここで乗っていないのでまったくわかりません。ただ、他のサーキットよりはよく知っているサーキットなので、そういったところではアドバンテージがあるはずです。ウイークの最後には、良いサーキットのひとつと言えるようにしていけたらいいな」

 日本GPが上位進出への足がかりとなるか。Moto2ルーキーである佐々木の好走に期待したい。

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  • 同じバイクなのだが、2サイクルの500ccのGPとは違う。見てて面白くない。鈴鹿8耐も面白くなかった。
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