【バスケ】渡辺雄太「Bリーグデビュー戦は今日しかない」一生に1度の経験かみしめ16得点8R

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2024年10月05日 22:38  日刊スポーツ

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千葉J対宇都宮 第2Q、バスケットカウントとなり、雄たけびを上げる千葉J渡辺(左)(撮影・鈴木みどり)

<バスケットボールBリーグ1部(B1):千葉J91−84宇都宮>◇5日◇第1節◇ららアリーナ東京ベイ



バスケットボール米NBAで6季プレーしたパリ五輪代表の千葉J渡辺雄太(29)が、Bリーグデビューを果たした。先発として約39分間プレーし、16得点、8リバウンド。アシストとスチールも1つずつ記録して攻守で貢献。大量リードを追い付かれて延長にもつれ込む苦しい展開だったが、競り合いの末に勝利で発進した。


  ◇  ◇  ◇


先発メンバー紹介で背番号1の渡辺が真っ先にコールされると、ファンの大声援が響いた。高まる期待が渡辺本人の心にも突き刺さった。「自分にとってBリーグのデビュー戦は今日しかない。一生に1度の経験。そのことをかみしめながらプレーしよう」。そう誓った通り、真新しい赤いユニホームで元気はつらつとプレーした。


試合開始から約3分、自らドリブルで持ち込み、遠めからのジャンプシュートでBリーグ初得点をマーク。第2クオーター(Q)にはゴール正面から放った3点シュートは外れたものの、味方がリバウンドボールに反応するのを見るとゴール下へすかさず走り込んだ。ファウルを受けながらもシュートをねじ込み、直後のフリースローも難なく決めて3点プレーに成功。相手のエース比江島と何度も対峙(たいじ)して得点を防ぐなど、守備での貢献も光った。


序盤の大量リードを追い付かれ、延長の末に辛勝。自身も前半11得点を挙げたが、後半は第3Q序盤の2得点にとどまった。「後半は疲れもあり、プレー精度を欠いてしまった。映像を見てしっかり反省したい」。連係面やスタミナ面にまだ課題を残すも、それでもしっかり存在感を示すのが千両役者の証しだ。


いつもの食事メニューがパワーの源となった。開幕日だからと特別な料理を口にするのではなく、「家で1人で、うどん食べた。香川県民なんで」とニッコリ。今年3月に帰国した際にも「11年間、毎日うどんを食べていた」と冗談交じりに明かしていた。胃に負担をかけずに素早くエネルギーに変わる勝負飯をたいらげた。


米国に旅立つ11年前には考えられなかった、巨大なアリーナで躍動した。今季、NBAグリズリーズから数多くのオファーの中から選んだ新加入チーム。真っ赤に染まった会場を見渡し、胸を張った。「こういうアリーナで、素晴らしいお客さんたちの前でプレーできたことは本当に光栄。勝つこともできたし、楽しむこともできた。満足している。明日の試合も楽しみ」。国内での新たな戦いは始まったばかり。米国帰りの新戦力が、千葉Jを、Bリーグをさらに盛り上げていく。【奥岡幹浩】


 千葉Jの富樫主将は、苦戦しながらも手にした勝利を素直に喜んだ。「開幕戦で独特の空気。ららアリーナでは最初の試合を勝ててうれしい。ただの1勝以上の価値がある」と力を込めた。親友でもある渡辺と、Bリーグで初めて一緒にプレー。「今日はとくに前半、彼がアシストや得点を挙げてくれた。守備でもビッグマンを止めてくれた。攻撃でも守備でも存在感を出してくれた」と評価した。


 千葉Jの新本拠地として完成したアリーナ東京ベイのBリーグ開幕戦に、9708人を超える観衆が詰めかけた。入場券は前売り完売。雨が降る中でも開門を待つ行列ができ、渡辺の背番号1をつけたユニホーム姿のファンも目立った。開場後もグッズ売り場などに長蛇の列。開幕戦限定グッズとして用意されたキーホルダーやトートバックなどは試合開始前に完売した。注目度の高さは報道陣の数にもうかがえ、70社以上のメディアが取材申請した。

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