バニャイアがもてぎを完全制覇。中上は悔しさ跳ね除け、母国で見事ポイント獲得/第16戦日本GP

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2024年10月06日 15:20  AUTOSPORT web

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フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2024MotoGP第16戦日本GP
 10月6日、2024年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスの決勝が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝を飾った。

 いよいよ決勝日を迎えたもてぎ。決勝日となる10月6日(日)は、朝から時折青空が顔を出すものの、次第に曇が多く広がる天候となった。9時40分からはMotoGPクラスのウォームアップ走行が開始され、各車が時間を目一杯使って計測に取り組んだ。この走行では、土曜日に行われたスプリントの王者であるバニャイアが1分44秒359をマークしトップで終えた。

 2番手にホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、3番手にエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)となった。ポールポジションのペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)は4番手、日本勢の中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は10番手につけた。

 また、初日と予選での不安定な天候だったことから、朝のウォームアップ走行が終了し、ピットに戻った際にはフラッグ・トゥ・フラッグを想定したマシンの乗り換え練習をするライダーの姿もあった。走行を終えると、コース上でRIDERS PARADEも実施され、多くのファンがライダーたちに声援を送った。

 Moto3クラスの決勝を終え、Moto2クラスの決勝時には一時的に雨に見舞われたものの、路面は次第に回復へと向かいMotoGPクラスの決勝はドライコンディショとなった。23台のマシンが並ぶホームストレート上はスタート時刻となる14時が迫るとともに、会場は緊張感にも包まれる。

 スタート直前には『Motegi Night Live』にも登場したこっちのけんとさんが国歌独唱を行い、もてぎ中に君が代を響き渡らせた。それとともに航空自衛隊松島基地の第4航空団による『F-2B 戦闘機』歓迎フライトも行われ、いよいよMotoGPクラスも決戦の時を迎えた。

 やや小雨も落ちるなかで1周のウォームアップラップを終えて、各車が再度グリッドへ着くと決勝レースの火蓋が切られた。アコスタが好スタートを切るも、バニャイアが難なく交わして先頭に立ちレースを牽引していく。後方にはブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、ロケットスタートを決めたマルティンが続く。

 すると、3周目の14コーナーで2位につけていたアコスタがまさかの転倒。レースには最後尾で復帰したものの、表彰台争いからは脱落となった。それによりマルティンが2番手に浮上するも、前を走るバニャイアとは1.4秒ほどのギャップがある。また、マルティンの背後にはビンダーを捉えたマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)も迫る状況だ。

 そのなかマルティンはファステストを叩き出しながら、マルク・マルケスを引き離してアドバンテージを広げていく。9周目になる頃にはマルク・マルケスを2秒以上引き離し、バニャイアとは0.7秒ほどにまで迫っていた。

 ここまでジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)とアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、さらにアコスタなど序盤は多くのライダーの転倒が相次いだ。レースが進むにつれ天候が少しずつ悪化しており、10周目にはマシンの乗り換えが可能となるホワイトフラッグも振られる展開に。

 ピットでは各チームが準備を進めていたものの、各ライダーたちはコースにとどまり続ける。この後も転倒は相次ぎ、マルク・マルケスもややオーバーランする場面も見られた。それにより4番手のバスティアニーニと一気に距離が縮まることとなった。

 また、残り10周になると、最後尾を走行していたアコスタがピットに戻り、リタイアを選択。この時点で6台がリタイアを余儀なくされており、路面状況がやや厳しい状況であることが伝わってくる。

 トップでは、依然としてバニャイアが独走状態で快走を続けていた。マルティンも1.5秒ほど後方に迫り、マルク・マルケスとは4秒ほど引き離すスペースで攻めるが、なかなかギャップを埋めることができない。なお、バスティアニーニも同様に4番手から順位を上げることができずにいた。

 ただ、残り5周に差し掛かる頃には、上空から太陽も顔を出し天候と路面ともに少しずつ回復へと向かう。それによりマルティンが再びバニャイと1秒以内につけるが、わずかに届かない。ラストスパートをかけ逃げ始めるバニャイアは、最終的にマルティンに1.189秒のリード築いた状態でチェッカーを受けた。スプリントに続く優勝を飾り、見事に日本GPを完全勝利で収めた。

 マルティンは2位でフィニッシュし、ポイントリーダーはなんとか死守した。しかし、バニャイアとは10ポイント差に縮まっており、より一層チャンピオン争いは激化している。3位はマルク・マルケスが入り、スプリント同様に表彰台を獲得した。4位はバスティアニーニ、5位はフランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)が続き、上位5台はドゥカティ勢が占める結果となった。

 日本勢最上位は、11位のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)。ホンダ勢トップは12位のヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)だ。

 フル参戦としては最後の母国GPとなる中上は、スプリントでの雪辱を晴らす13位でチェッカーを受け、ポイントを獲得した。また、最後には日の丸を掲げて走行し、さらにマシンを降りた後もスタンドへと向かい、多くのファンを沸かせた。

 また、同じく日本勢のルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ・チーム)は14位、アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)は16位、ワイルドカード参戦しているレミー・ガードナー(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)は17位で終えている。

 ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)、ミゲール・オリベイラの代役として参戦しているロレンツォ・サバドーリ(トラックハウス・レーシング)はリタイアで終える結果となった。

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