<ラグビー:関西大学リーグ>◇第2節◇6日◇2試合◇東大阪市花園ラグビー場第2グラウンド◇観衆1029人
関大が、近大に大逆転で今季初勝利をあげた。
前半を5−20の15点差で折り返し、後半開始直後の6分にもトライを追加されて20点差まで広がった。
関大はそこから猛反撃を展開した。佐藤貴志監督は「自分たちの“関大スタイル”を選手たちが体現して勝つことができた。持っているもの以上、予想を超えた。チームにとって本当に大きな1勝」と興奮を隠さない。
後半23分のロック中村豪(3年=常翔学園)のトライから32、38分とWTB遠藤亮真(3年=東福岡)の連続トライでゴールも決まって1点差に詰め寄る。最後は43分に途中出場の1年生、森下陽希(報徳学園)が左中間に逆転のトライを決め、31−25で勝利した。
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「みんながつないでくれたボールなんで。死ぬ気でいきました。絶対に勝ちたかった」という森下は関大への進学が決まり、入学前の2月から練習に参加。佐藤監督によると「スクラム強化に貢献してくれた」と言い、「その結果が今日につながったと思います」と殊勲のルーキーをたたえた。
後半に際立ったのが関大の激しい「当たり」だった。近大は前半にわずか1の反則が後半は9。関大が厳しいタックルでターンオーバーを重ねた。最後の逆転トライもチャージから得たチャンスをつなげた。
今季の関大の“秘策”だった。佐藤監督は「コンタクトフィットネスを道場で鍛えてきた」と明かす。毎週火曜、早朝7時半からの「朝練」がぶちかましの時間。日本拳法部が使う道場を利用し、1対1で当たる稽古を行ってきた。
CTB石川海翔主将(4年=大産大付)は「低く強く当たることを徹底した。当たりの強化もだが、迷いなく当たりにいけるメンタル面でも変わってきた」と言う。
関西の上位常連校、京産大、天理大は海外からの留学生が主力を担う。強靱(きょうじん)な体格を相手にどう戦うか。導いたのが「当たり」の強化だった。
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その成果をこの日は存分に発揮し、大逆転劇を生み出した。石川主将は「来週(13日)は京産大、その次(20日)は天理大と強い相手が控えている。課題を修正して臨んでいきたい」と試合後の円陣で喜びにわくチームを引き締めた。この“2強”に勝ってこそ、台風の目に名乗りをあげられる。【実藤健一】
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