「いい男評論家」から「イケメン評論家」に肩書変更「１週間後に『an・an』から」／連載２

「イケメン評論家」のタレント沖直実（59）が究極の推し活手帳「イケメン学習帳」（日興企画）を出版した。2004年（平16）からイケメン評論家として「沖直実のいい男祭！」を開催。沖は「今回の本にはイケメンの写真は1枚も載っていません。イケメンの歴史だったり、皆さんが読んで元気になったり、ちょっと勉強になる本です」と話している。【聞き手＝小谷野俊哉】

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04年から「いい男評論家」を名乗り、07年くらいから「イケメン評論家」になった。

「04年から『いい男評論家』を始めて『沖直実のいい男祭り』っていうイベントをやってたんですよ。放送作家さんなんかを呼んで見に来てもらったら、その中の1人が『なんで沖さんは“イケメン”っていう言葉を使わないの』と。『いい男』じゃ、検索で引っかからないぞって。07年くらいから、やっとネット社会になって来たんですよね。04年くらいまでは、まだスマホもないし、そこまでのネット社会じゃなかったんです。05年くらいからは検索ワードでどれだけ引っかかるかというのが肝な時代になって来た。それで『イケメン評論家』」

肩書を「イケメン評論家」にした途端に仕事が変わった。

「テレビの放送作家ってさすがだなと思って、次の日から名刺も『イケメン評論家』に変えました。書いていたブログのタイトルも『いい男評論家』から『イケメン評論家』に変えました。自分の周りのものを全て『イケメン評論家』に変えて、1週間後に雑誌の『an・an』から『来年来るイケメンを教えてください』と。正解ですよ、本当に1週間で全てをイケメンに変えたら、検索で引っかかったんですよね」

かくて「イケメン評論家・沖直実が」が誕生した。

「『イケメン評論家』を名乗り始めて、言ったもん勝ちなんですけど、調べてみるとイケメン関係で舞台をプロデュースしたり芸能人男子について書いたりしている方もいらっしゃる。私の場合は『いい男祭り』を開催していたのが大きかったと思いますね。ずっとやってきて15回目から地上波テレビの取材が来始めました」

第1回の「沖直実のいい男祭り」は04年に開催された。

「私が見つけたって言うのはおこがましいんですが『いい男祭り』で呼ばせていただいたのは、俳優の斎藤工君、城田優君、声優の宮野真守君たち。あとは俳優の上地雄輔君に瀬戸康史君に桐山漣君。『メチャ×2イケてる』でブレークした敦士君も出てもらいました。上地君とかは、お笑い担当じゃないんですけど、一緒に野球をやっていた松坂大輔くんとのエピソードトークがめちゃめちゃ面白くてね。その後、ご本人と周りの方たちの力であそこにまでなっている」

ひそかな自慢は、斎藤工（43）の初めての雑誌取材が「いい男祭り」の記事だった事だ。

「斎藤君って、いい男でもあるんだけど、すごくいい方なんです。人たらしって言われてるくらい。みんなが大好きになっちゃう。私にも周りの方にも本当に優しかった。城田優くんも初めて人前で歌ったのが『いい男祭り』でしゃべるが面白くていい方で。私、妊婦の時に、斎藤工君にも城田優君にもおなかを触っていただいてるんです。いい胎教になりました（笑い）」

新たなイケメンを“発掘”するために注目したのは、漫画、アニメ、ゲームを原作にした「2.5次元」の舞台だった。

「無名の男の子たちがいっぱい出る舞台というので、最初に目をつけたのが『テニスの王子様』。初めて『テニスの王子様』のステージを見に行った時の何千人という観客の熱量ね。誰1人、まだ知られてない出演者ばかりなんですよ。でも、日本青年館とかの大きな会場で、有名な出演者が誰もいないのに、グッズの物販がボンボン売れていて、黄色い声がキャーって。『誰なの？　皆さんは？』っていう感じなんだけど、この子たち本当にすごいって思った。それから「テニスの王子様」に出てた子たちをいっぱい『いい男祭り』に呼んだんです。斎藤工君も、城田優君も『テニスの王子様』出身。その子たちが、スターに育った感じ。それでマネジャーさんたちとも仲良くなっていったんです」

イケメン本人の発掘も大切だが、裏方のマネジャー達との絆も大きかった。

「『いい男祭り』をやるんだったら、うちの子が出てる舞台を見に来てよって言われて『テニスの王子様』を週に3回見に行き、そこから2人か3人をキャスティングさせていただいて『いい男祭り』をやったら、すぐにソールドアウトになったんですよ。『来てる、いい男！』『イケメン、来てる！』って思ったのが最初ですね」（続く）。

◆沖直実（おき・なおみ）1964年（昭39）、東京・渋谷区生まれ。92年にラジオニッポン「ラジオウエスト」のDJとして芸能界デビュー。04年からイケメン評論家。血液型B。