トヨタ、2025年の新生SUVストックカーに向け新型『カローラクロス』をブラジルで初披露/SCB

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2024年10月07日 12:40  AUTOSPORT web

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来季2025年よりTOYOTA GAZOO Racingブラジル陣営が投入する『トヨタ・カローラクロス』を初披露
 隣国アルゼンチンへと越境し、今季第9戦としてTC2000の“クラシック”に位置付けられる『ブエノスアイレス200km』との併催戦を実施したSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”は、その週末に来季2025年よりTOYOTA GAZOO Racingブラジル陣営が投入する『トヨタ・カローラクロス』を初披露。導入が予定される新車両規定『Audace SNG01』のプラットフォームをベースに構築された新型モデルは、同じく新生SUVシリーズに投入される『ミツビシ・エクリプスクロス』や、GMシボレー陣営の『トラッカー』などと覇を競うことになる。

 ブラジルのモータースポーツを代表する主要カテゴリーを運営するVicar(バイカー)は、来季よりグループの技術部門であるAudacetech(アウダーステック)社の主導による革新的な車両規定を導入。世界最大級の鉄鋼メーカーであるArcelorMittal(アルセロール・ミッタル)社製の鋼管パイプフレームを採用した新設計シャシーを採用する。

 その心臓部には、こちらも新開発の直列4気筒2.1リッターのターボエンジンを搭載し、世界的なモバイル通信機器大手Qualcomm(クアルコム)社製CPUの“Snapdragon(スナップドラゴン)”による高速5G対応の通信機能が備えられ、将来的には拡張現実(AR)メガネとマルチカムを併用することで、観客がドライバーの隣に仮想的に座っているかのようにレーシングカー内部から360°ビューが提供される臨場感あふれるリアルタイム5G伝送も計画されている。

 TGRブラジルのストックカーでの歴史は、現行のE210型カローラをグリッドにデビューさせた2020年より始まると、競技開始から5年間で106回のレース、49回の優勝、27回のポールポジション、37回のファステストラップ、そして141回の表彰台獲得という実績を刻んできた。

「今回の承認により、我々の新型カローラクロス・ストックカーは、このカテゴリーで新しい時代を切り開く準備が整った。これは競技向けの多くの新技術を搭載し、プロジェクトを開発してきたストックカーにとって大きな進化の瞬間でもある。ブラジルのモータースポーツにおける、この新しい章に参加できることを非常にうれしく思う」と挨拶したのは、TGRブラジルのプロジェクトリーダーを務めるダニエル・グレスパン。

 地元企業のMagna Compósitos(マグナ・コンポジット)が製造した複合ボディには、カーボンファイバーを筆頭にアラミド、グラスファイバー、ケブラーなどの各種繊維素材が活用され、前世代のセダンよりも軽量で、機敏で、安定しており、より技術的な指向を強めている。

■ワイドボディと大型リヤウイングで攻撃的な印象に
 トヨタにおけるCセグメントSUVレーシング版のプロファイルは攻撃的な印象をもたらし、そのスポーティな外観は拡幅されたワイドボディキットと調整可能な大型リヤウイングによってさらに強調されている。

 ボンネットやフロントバンパーを含む、ブレーキとエンジン用の新しいエアインテークは、専用設計されたこのプロジェクトの規定に沿うものであると同時に、ブラジルの複数のレーストラックで実施した集中的なテストプログラムの成果でもあるという。

「カローラクロスは、モータースポーツを愛する人々にとって非常に興味深い1台だ。グリッドに加わる素晴らしいモデルと言える」と歓迎の意を示すのは、プロモーターを担当するバイカーのCEOであるフェルナンド・ジュリアネッリ。

「我々の視点からすると、この新しい時代の最大の課題はストックカーの競争力レベルを維持すること、さらには向上させることだ」と続けたジュリアネッリ。

「実質的にグリッド全体を1秒未満に集約し、各車がコース上で追い抜くことができるカテゴリーは世界でもほとんど存在しないからね。場合によっては、0.5秒未満でそれを実現しているほどだ。これは野心的な目標だが、期待を上回ることは間違いないだろう」

 約500PS級のアウトプットを誇る新型共通ターボユニットには、イギリスのX-Trac(エクストラック)製6速シーケンシャルギアボックスを組み合わせ、脚元では4輪独立懸架のダブルウィッシュボーンとプッシュロッド式サスペンションに、ペンスキーレーシングから輸入された調整可能なショックアブソーバーが備わる。

 さらにMangels Industrial S.A.(マンゲルス・インダストリアル)が開発、製造するホイールセットに、Hipper Freios(ヒッパー・フレオ)のベンチレーテッドディスクとCobreq(コブレク)のパッド(いずれもストックカー専用設計)、そして英国APレーシング製の競技用キャリパーを搭載し、フロント6ポッド、リヤ4ポッドの組み合わせとなる。

「ドライバーとチームに非常に競争力があり、機敏で、安全で、アグレッシブなクルマを提供するという哲学のもと、こうしてトヨタ・カローラクロス・ストックカーを発表できて光栄だ」と語るのは、アウダーステック社のCEOを務め、今回はTGRブラジルのエンジニアリングチームとも協業したエンツォ・ボルトレト。

「これは各分野のリーダーである企業が開発した最先端の技術を集結した結果でもある。当社のエンジニアが達成した結果を誇りに思っているよ」

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