甘くて美味しいごちそうフルーツといえばメロンを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。中には少し熟してから食べるのを楽しみにしている人もいるはず。しかし人気のフルーツであるメロンは熟成具合によって、時に苦くなってしまうこともあります。Instagramで日常漫画を投稿しているぷにまあむさん(@punimaamu)は、メロンにまつわる注意点を「危ないメロンの話 前半・後半」として紹介しています。
【漫画】衝撃の苦さには食中毒の危険性が…「危ないメロンの話」全編を読む
頂き物のメロンを美味しく食べようと、廊下で追熟させていたぷにまあむさん。数日後、メロンの熟し具合を確認すると、表面に白カビのようなものが生えていることに気づきます。カビ部が生えていた部分を切り落としてみたところ、見た目は普段食べているメロンと変わらず、安心して一口食べてみることにしました。
しかし口に入れた瞬間、今まで経験したことのない苦さに驚き、すぐに吐き出してしまいます。その異常な苦味に恐怖を感じたぷにまあむさんは、すぐにメロンについて調べ始めました。
メロンが苦いと感じる理由は未熟な状態や過熟した場合、さらには病気にかかっている可能性もあることが分かります。ぷにまあむさんが食べたメロンは、この病気にかかっていた可能性が高いと漫画の中で語っています。
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病気になって苦くなったメロンは食中毒の危険性があり、メロンのような瓜科の植物にもみられるそうです。食べたのが子供ではなく自分で良かったと安心しているぷにまあむさん。このような経験から「メロンは必ず自分で味見をしてから子供に食べさせる」と漫画の中で注意を呼びかけています。特に、子供に食べさせる際には慎重に確認したいものです。
病気になっているメロンの見分け方は
同作でのメロンは白いカビ以外に目立った異常は見られなかったそうですが、このような事態を防ぐために、農業指導員の五十嵐靖博さんに詳しいお話を聞きました。
ー病気になっているメロンの見分け方はありますか?
素人目には見分け方が難しいのですが、今回のようにカビが生えているなど見た目に異常がある場合は病気にかかっている可能性があります。
またメロンは緑から黄色へと熟していきます。ツル付きのものならば、ツルがねじれていれば食べごろといわれます。ツルがあったと思われるところ(おへそといいます)を軽く押して、柔らかいものは熟しきっている証拠です。
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ー今回のばら色カビ病以外にもメロンがかかる病気はありますか?
メロンの病気は大きく分けて、うどんこ病、つる割病、つる枯病、黒点根腐病、べと病、菌核病、モザイク病、えそ斑点病などありますが、ほとんどの病気は花が咲く前(生育中)にかかります。これらの病気にかからないように、農家さんは大切に耕作していますが、風の有無や湿度管理不足でも病気にかかります。
ー病気にかかっているメロンが市場に出回ることもあるのでしょうか?
そもそもメロンは高価な商品なので、栽培時、入荷時、陳列時、販売時にかなりセンシティブにチェックしています。そのため基本的に病気にかかっているメロンは流通しません。また、ばら色カビ病は収穫後も稀になる病気ですが、もしも店頭にばら色カビ病のメロンが並んだ場合、店員さんのチェックで排除されるはずです。
その他には、高級マスクメロンなどでも実際に食べてみたら全然甘くなかったという事例が多いです。これは道の駅や農協(JA)などでの庭先販売(生産者直売)が原因のひとつと考えられます。生産者直売の場合、品質が安定していませんので購入者自身の目で品質を判断するしかありません。あと注意するべきは通販サイトで販売されているメロンです。一部の通販サイトでは盗難品で品質が不明確なメロンを販売している場合があります。
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ー食べて苦いと感じた時の対処法について教えてください
苦みは人間の本能で『毒』だと認識しますので、すぐに吐き出して口を水でゆすいでください。特にカビが生えているものはメロンに限らず全て腐敗しているので、カビの部分をとっても危険です。全ての人がお腹を壊すわけではありませんが、食べるのはおすすめしません。十分に注意してください。
◆五十嵐靖博(いがらし・やすひろ)東京都渋谷区出身 農業指導員。岐阜県、静岡県で農業に従事。現在茨城県ひたちなか市にて、外国人技能実習生の受け入れや新規就農支援を中心に活動中。メロン、スイカアレルギーなので味見は出来ないが、栽培指導を行う。座右の銘・死ぬ事以外はかすり傷。
(海川 まこと/漫画収集家)