役所広司が推薦 カンヌ国際映画祭総代表、ティエリー・フレモーの自伝で明かされる柔道と日本映画への思い

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2024年10月08日 14:20  リアルサウンド

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「黒帯の映画人 柔道と映画に捧げた人生」(株式会社カンゼン)

カンヌ国際映画祭総代表、ティエリー・フレモーによる半生記「黒帯の映画人 柔道と映画に捧げた人生」(株式会社カンゼン)が2024年10月10日に発売されることが決定した。


 著者のティエリー・フレモーは9 歳で柔道に出会い、黒帯となり、四段を取得。柔道の指導者になるも、大好きだった映画の世界で働くことになり、柔道から遠ざかる。リュミエール研究所所長、そして 「カンヌ映画祭の顔」 として世界各地を飛びまわるなか、フランス柔道連盟の「鏡開き」でスピーチを頼まれたことをきっかけに、柔道が自分の人生において重要な役割を果たしてきたかを再認識する。


 本書では柔道の歴史・精神、「柔道の父」と呼ばれる嘉納治五郎とその時代、さらには作家・三島由紀夫の切腹が与えた衝撃など、ときに著者は、柔道という枠を超えた近代日本文化論を展開する。一方で、『姿三四郎』をはじめとする黒澤明作品や、溝口健二や是枝裕和といった日本の映画監督について触れるとともに、名匠クエンティン・タランティーノ監督との交流など、映画人としての興味深いエピソードも満載だ。


 また帯推薦文は、第76回カンヌ国際映画祭で主演作『PERFECT DAYS』の好演により最優秀男優賞を受賞した俳優・役所広司が担当。「柔道家・嘉納治五郎の生きざまが生粋の映画人を生み出した」 とコメントを寄せている。


◼️著者
ティエリー・フレモー( Thierry Frémaux)


1960 年、フランス、イゼール生まれ。カンヌ国際映画祭総代表、およびリュミエール研究所所長。9 歳から柔道を始め、少年時代・青年時代を柔道に捧げる。四段を取得し、柔道の指導者となる。リヨン大学で歴史社会学を学び、同大学院博士課程に在籍中にリュミエール研究所で働きはじめたことから、柔道を離れる。現在は、同研究所の所長としてリヨンに拠点を置きながら、カンヌ国際映画祭のために世界中を飛びまわっている。 2016 年には、膨大な数のシネマトグラフの作品から 108 本を厳選してまとめたドキュメンタリー映画『リュミエール!』を製作し、監督・脚本・編集・プロデュース・ナレーションの5役をこなした。続編『Lumière, l'aventure continue』も制作されている。本書(原題 Judoka)は、2021 年にフランスのスポーツ作家協会から《スポーツ&文学大賞》を授与された。


◼️訳者
山本知子 Tomoko Yamamoto


フランス語翻訳家。早稲田大学政治経済学部卒。東京大学新聞研究所研究課程修了。絵本・小説からノンフィクションまで幅広い翻訳を手がける。訳書に、トマ・ピケティ『格差と再分配』(早川書房)、『来たれ、新たな社会主義』(みすず書房)、エマニュエル・マクロン『革命』(ポプラ社、以上共訳)、シャルル・ヴァグネル『簡素な生き方』(講談社)、ジュール・ヴェルヌ『海底二万マイル』、『十五少年漂流記』(以上ポプラ社)など多数。

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