三宅裕司73歳、今の日本は「不安だらけ」だからこそ「楽しい芝居を」SET創立45周年公演

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2024年10月08日 16:06  日刊スポーツ

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舞台「ニッポン狂騒時代」への意気込みを熱く語った三宅裕司(撮影・阪口孝志)

俳優三宅裕司(73)が8日、大阪市内で舞台「ニッポン狂騒時代〜令和JAPANはビックリギョーテン有頂天〜」の取材会に出席した。


三宅が主宰する劇団スーパー・エキセントリック・シアター創立45周年記念となる同公演。劇団45周年について「よくここまで続いた。いい創立メンバーに出会って支えてくれた。特に小倉の存在が大きい。小倉と出会ったことで劇団がおもしろくなった」と盟友小倉久寛に感謝した。


公演は東京公演(17〜27日、サンシャイン劇場)と神戸公演(11月8〜10日、AiiA2.5 Theater Kobe)が行われ、神戸公演には浅野ゆう子がスペシャルゲストとして出演する事が急きょ、決まった。


浅野とは三宅が座長を務める喜劇ユニット「熱海五郎一座」に「出たいんですけど、出してください」と楽屋に直談判に来たことがきっかけで2度出演してもらった。今回も神戸公演があることを知った神戸市出身の浅野が三宅のラジオ番組に駆けつけ、「神戸あるんですよね? 出してください」と売り込んできたという。


三宅は「もう台本もできて、稽古に入ろうとしてたら急に来た。別に頼んでないけど、『それじゃ、出てもらおう』と浅野さんの出番を付け加えました。東京公演には出ませんが、東京公演を見た上で、どこに出るのかなと神戸公演を見ると非常におもしろいのでは」と笑った。


公演では、安保闘争に明け暮れる1960年代の東京を舞台に、アメリカンポップスの魅力にとりつかれた若者と学生運動に明け暮れた若者たちの恋と挫折のストーリーを描く。60年代のカバーポップス、歌、ダンス、アクションシーンにギャグも満載で爆笑の連続となっている。


60年代をテーマにした物語を令和の時代に下ろすにあたり、当時とは状況が違いすぎることから、ラストシーンの台本も書き換えた。


「令和の人たちが見て、これからの日本をちょっと考えるというところで、何か胸に残るセリフがあればうれしい」


60年代に青春時代を過ごした三宅は「高度成長期でめちゃくちゃ楽しかった。次から次へと新しいものが出てくるので、失敗しても大丈夫、すぐ立ち直れるって気持ちが強かった。本当に楽しかった。今は情報がありすぎ。自分の青春時代の方が楽しいんじゃないかな」。


73歳となった今の日本は「不安だらけですよ。昔は情報が少なくて楽しく安心して生きられたけど、Xなんか見たら、世界ってこんなのかよって。日本はこうなってて、石破さん、ちゃんとやってくれんのかなとかね」と不安は尽きないという。


ただ、そういう時代だからこそ、演劇の素晴らしさを改めて実感している。「逆に不安が多いからこそ、こういう楽しい芝居を見に来てもらいたいですね」とアピールしていた。

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