ルノー「アルカナ」に改良モデル! 輸入車唯一の(フル)ハイブリッドの現状は?

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2024年10月09日 09:01  マイナビニュース

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ルノー「アルカナ」(ARKANA)のマイナーチェンジモデルが発売となった。2022年に「輸入車で唯一の(フル)ハイブリッド車」として日本上陸を果たしたアルカナだが、これまでの販売状況は? 今回のマイナーチェンジで何が変わったのか。実車に乗って確認してきた。


アルカナ最大の特徴とは?



アルカナはクーペスタイルのデザインが印象的なルノーのSUV。ボディサイズは全長4,570mm×全幅1,820mm×全高1,580mmなので、トヨタ自動車「カローラクロス」など「中くらいの」大きさのSUVと同じようなサイズ感と考えればいい。


特徴はパワートレインだ。アルカナにはマイルドハイブリッド車(MHEV)とフルハイブリッド車(HV)がある。輸入車のHVというのは今のところ、アルカナ以外には同じくルノーの「ルーテシア」「キャプチャー」しかない。アルカナは日本導入当初、この国で選べる唯一の輸入HVだった。


アルカナの発表は2020年10月。世界的には2023年7月までに累計24万台が売れている。日本での発売は2022年10月で、これまでに約2,000台を販売したそうだ。この数字、ルノージャポンによれば、「過去の同じような車種(SUV)に比べると売れている」とのこと。HVの販売比率は6〜7割らしい。



日本は言わずと知れたHV大国。「国産 SUV ハイブリッド」で検索すると、選択肢が多すぎてクルマ選びが滞るくらいの勢いだ。そんな日本に輸入HVが乗り込んで大丈夫なのか? というのがアルカナ日本上陸時に浮かんだ疑問のひとつだったのだが、裏を返せば日本市場の顧客はHVに慣れている(抵抗感がない=欧州では抵抗感を持っている人がけっこういるらしい)とも言えるわけで、アルカナについてもHVがすんなり受け入れられたそうだ。



もっといえば、「SUV フルハイブリッド」あたりで検索したときに、これまでであればルノーのクルマが(ほかの輸入車も)検索結果に表示されることはおそらくなかったわけなので、アルカナ導入には、これまでルノーに縁のなかった人とルノーをつなげるきっかけになったという側面もあるはずだ。


マイチェンでグレード展開変更

今回のマイナーチェンジ(マイチェン)は「全体的に言えば、大きく変わってはいない」とルノージャポン担当者。肝心のパワートレインも変更なしだ。



グレード展開と価格は変わる。マイチェン前のグレードは「E-TECH エンジニアード」(HV、469万円)、「アントラクト E-TECH FULL HYBRID」(HV、特別仕様車、438万円)、「R.S. LINE マイルドハイブリッド」(MHEV、399万円)の3種類だった。マイチェン後は「エスプリアルピーヌ E-Tech フルハイブリッド」(499万円)と「エスプリアルピーヌ マイルドハイブリッド」(459万円)の2種類となった。値上げは装備の充実、輸送費と原材料費の値上がりなどによる。


「アルピーヌ」はルノー傘下のスポーツカーブランドだ。「エスプリアルピーヌ」(esprit Alpine)というグレード名を聞くと、新型アルカナもスポーティーに変身を遂げているのかと考えそうになるが、説明を聞くとアルピーヌの要素を取り込んでいるのは主に内外装で、走りに関するセッティング(例えば足回りを硬くするなど)をアルピーヌ風にしているというわけではないとのことだった。


走りの面ではHVに「E-SAVE」機能が追加となった。



この機能はバッテリーの残量を高め(残り3〜4割というレベル)に維持するもの。例えば長くてだらだらと続く上り坂を走行する際は、従来であればバッテリー残量が平たんな道に比べて早く減り、最終的にはエンジンのみ(モーターの支援なし)での走行となって力不足を感じるようなシーンがあったのだが、E-SAVEをONにしておけば状況に応じてエンジンが発電し、バッテリー残量が減りすぎないように維持してくれるので、最後までモーターのサポートを受けながら、力強く坂を上りきることが可能となる。


最近はEV(電気自動車)の普及に逆風が吹いていて、自動車業界ではここから先もしばらくはHVが売れ続けるだろうと言われている。アルカナは現時点で、輸入車勢では唯一となるフルハイブリッドSUVの選択肢だ。(藤田真吾)

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