そして、反抗期をむかえた中学生時代、故郷から旅立つ20歳、東京での生活の戸惑いと成長を吉沢が繊細に演じていく。母から届いた箱の中には、たくさんの食料と「大ちゃんへ」と書かれた封筒、その中にはいくつになっても子どもを心配する母の言葉が――。「Just hoping that everything will be alright(あなたの人生が、うまくいくことを願っています)」繰り返される「letters」の歌詞と本編シーンが相まって、より深い余韻を残すMVとなっている。
今月17日〜11月10日に香港で開催される「香港アジアン映画祭(Hong Kong Asian Film Festival)」にて本作を含む呉監督作品の特集上映も決定した。カンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭、釜山国際映画祭などで上映された100本に近いアジア映画を上映する映画祭で、才能豊かな監督作品の紹介、新鋭監督の発掘などに力を入れている。呉監督特集では、『酒井家のしあわせ』(06年)、『オカンの嫁入り』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)、『きみはいい子』(15年)、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(24年)が上映される。監督も映画祭に初参加し、トークイベントも予定されている。