10月の「株式市場」の傾向は?【2024年】

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2024年10月10日 12:01  All About

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10月は3月決算企業の中間決算発表が本格化する月です。発表を控えて投資家が売買に対して慎重になるため、相場は軟調に推移する傾向があるといわれています。今回は実際に10月相場が下がりやすいのかについて、過去のデータを用いて検証してみました。

10月は中間決算発表が本格化して「相場は軟調」といわれるけれど、本当?

10月は、3月決算企業の中間決算発表が本格化する月です。発表を控えて投資家が売買に対して慎重になるため、相場は軟調に推移する傾向があるといわれています。

今回は10月相場がどのような傾向にあるのか、過去の株価データを用いて検証してみました。

■検証対象:全銘柄
■検証期間:2000年1月1日〜2024年8月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:9月末の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌営業日寄り付きで売り

9月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、10月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、10月は下がりやすい月だといえるでしょう。

以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

10月の株式市場の検証結果

システムトレードの達人

勝率:43.41%
勝ち数:36,211回
負け数:47,206回
引き分け数:1,845回

平均損益(円):−1,857円
平均損益(率):−0.93%

平均利益(円):15,591円
平均利益(率):7.80%

平均損失(円):−15,313円
平均損失(率):−7.66%

合計損益(円):−158,310,670円
合計損益(率):−79,157.99%

合計利益(円):564,575,320円
合計利益(率):282,296.29%

合計損失(円):−722,885,990円
合計損失(率):−361,454.29%

PF(プロフィット・ファクター):0.781
平均保持日数:26.08日

検証結果を見てみると、勝率は43.41%、平均損益(率)は−0.93%となりました。勝率が50%よりも低く、1トレード当たりの平均損益(率)がマイナスになっていることから、10月は下落しやすい月だといえるでしょう。

10月は、3月決算企業の中間決算発表が多く、決算の内容によっては株価が大きく乱高下するリスクがあります。株価が乱高下する相場では、投資家はリスクを避けようと売買に慎重になるため、相場全体が下落しやすくなると考えられます。

下がりやすい10月でも好調な銘柄ランキング

次は、下がりやすい10月相場の中で、好調な成績を残している個別銘柄を確認してみましょう。
システムトレードの達人

表は、先ほどの検証結果において勝率が80%以上と高かった個別銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄を確認すると、下記などが挙げられます。

<2293>滝沢ハム【勝率:88.89%】
<9311>アサガミ【勝率:83.33%】
<3997>トレードワークス【勝率:83.33%】

これらの銘柄は、下がりやすい10月相場でも、株価が上がりやすい傾向が見られました。これからの時期、これらの銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。

(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)

文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))

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