2025年向け暫定ドライバー・カテゴライゼーション発表で、LMGT3上位陣に余波。宮田所属チームも影響

　FIA国際自動車連盟は10月9日、2025年に向けたドライバー・カテゴライゼーション（ドライバー・レーティング）の一覧を発表した。多くのドライバーが、2025年1月1日付でカテゴリーの変更を受けることになる。

　FIAによるドライバー・レーティングは、キャリアや実績等が似たようなドライバーをグループ分けするために使用され、世界中の選手権がそれぞれのクラス、特にプロ／アマで実施されるカテゴリーにおいて、ラインアップに制限を課すことを可能にしている。レーティングはキャリアや年齢、レースでのパフォーマンスなどを加味し、FIAの分類コミッティにより決定および変更される。

　レーティングは上からプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4カテゴリー。WEC世界耐久選手権、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、インターコンチネンタルGTチャレンジ、GTワールドチャレンジをはじめ、その他多くの地域や国内のスポーツカーレース選手権などのシリーズで導入されている。

　たとえばWECのLMGT3クラスでは、『少なくともひとりのブロンズと、ひとりのブロンズまたはシルバーのドライバーが必須』といったドライバー・ラインアップ構成要件が設けられており、各陣営には制限のなかで『より良いブロンズ』『より良いシルバー』をそろえることが求められるなか、このクラスの主要ドライバー数名は、2025年に向けてレーティングが変更される見通しに直面している。

　2024年現在はアイアン・デイムスのランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo2をドライブしているサラ・ボビー、そしてマンタイ・ピュアレクシングのポルシェ911 GT3 Rで2024年のタイトルを決めたアレクサンダー・マリキンは、ともにブロンズからシルバーへの格上げが発表されており、2024年と同様のラインアップを来季も継続することはできない状況だ。

　また、シルバードライバー枠でマンタイのポルシェをドライブするジョエル・シュトームとモリス・シューリング、アコーディスASPでレクサスRC F GT3をドライブするエステバン・マッソン、そしてハート・オブ・レーシングでアストンマーティン・バンテージAMR GT3をドライブするダニエル・マンチネッリは、いずれも来季はゴールドへと昇格予定となっており、こちらもラインアップ継続はできない。

　他にも、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラス（シルバードライバー1名が必須）で宮田莉朋のチームメイトを務めているシルバードライバーのロレンツォ・フルクサ（クール・レーシング）や、マヌエル・マルドナド（パニス・レーシング）、フィリップ・ウグラン（ユナイテッド・オートスポーツ）など、いくつかのチームのドライバーもゴールドへと格上げされる予定だ。

　ドライバーには1週間の異議申し立て期間があり、コミッティに『関連データを提出』して検討を要求することができる。前年もシルバーへと格上げが予定されていたボビーらが、この申し立てが認められてブロンズに留まった例もある。

　2025年のドライバー・カテゴライゼーションの最終リストは、11月初旬に発表される予定だ。

■レーティングが変更されるドライバー（一部）

●ブロンズからシルバーへ変更

サラ・ボビー、アレクサンダー・マリキン、マッシミリアーノ・ワイザー

●シルバーからゴールドへ変更

コリン・カレサーニ、リッキー・コラード、ロレンツォ・フルクサ、アレッサンドロ・ギレッティ、コンスタ・ラッパライネン、ブレンドン・リーチ、ジョーダン・ラブ、アーロン・ラブ、マヌエル・マルドナド、ダニエル・マンチネッリ、エステバン・マッソン、キーガン・マスターズ、トマソ・モスカ、サム・ニアリー、ジェイデン・オヘダ、ロレンツォ・パトレーゼ、モリス・シューリング、エリオット・スキアー、アダム・スモーリー、ジョエル・シュトルム、フィリップ・ウグラン、カラン・ウィリアムズ

●ゴールドからプラチナへ変更

フランコ・コラピント、ベン・グリーン、コルトン・ハータ

●シルバーからブロンズへ変更

カオ・チー、ルネ・グレイシー、テイラー・ハグラー、アシュトン・ハリソン、チャンドラー・ハル、加藤寛規、バニーナ・イクス、アンドレス・メンデス、グレイ・ニューウェル、ルカ・ランゴーニ

●ゴールドからシルバーへ変更

ミケーレ・ベレッタ、エリック・ヨハンソン、サッシャ・マーセン、マーティン・プラウマン、マティアス・ルッソ