MSIの新型マザーボードは全モデルでThunderbolt 4とWi-Fi 7を装備! Intel Z890搭載製品を発表

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2024年10月11日 16:51  ITmedia PC USER

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MSIのIntel Z890チップセット搭載新マザーボードシリーズの主な特徴

 エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)は10月11日、IntelのデスクトップPC向けCore Ultra 200シリーズ(開発コード名:Arrow Lake-S)に対応した最新チップセット「Intel Z890チップセット」搭載マザーボード9製品を発表した。


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 アーキテクチャが大きく変わった最新CPUの性能を引き出す機能に加えて、最新のテクノロジー、およびDIYのトレンドの動向に即した独自の付加価値を盛り込んでいる。事前説明会の様子を交えて内容を見ていこう。なお、現時点で国内での発売時期や価格は未定だ。


●Arrow Lake-S/LGA1851対応初のチップセット


 Intel Z890チップセットは、Z790チップセットの後継にあたるハイエンドのチップセットで、IntelのCore Ultra 200シリーズ(開発コード名:Arrow Lake-S)に対応した初のチップセットでもある。


 ソケットの仕様は新たにIntel(LGA1851)を採用する。これらを搭載したマザーボードも当然ハイエンドクラスが中心のラインアップで、新CPU向けの新機能とともに独自の付加機能も盛り込まれている。


 その内容としては、CPUやシステムの性能を引き出す基本設計(ULTRA PERFORMANCE)、冷却性能(FROZR DESIGN)、高速ストレージや高速通信のサポート(TRILINK)、組み立てやすさへの配慮(EZ DIY)、次世代規格の先取り(AI)、UEFIセットアップ/ソフトウェアのサポートなどがある。これから主なものを見ていこう。


●強力な電源部とサーバグレード基板の採用 簡単設定のプリセットも


 MSIのマザーボードは「ULTRA POWER」と「ULTRA ENGINE」、2つのアプローチでCPUの性能を引き出す。


 前者はサーバグレードのPCB(基板)と強力な電源回路を差しており、特に強力な電源部を備えるトップエンドのモデルについては「ULTRA POWER+」という上位の称号を与えて区別している。


 一方の「ULTRA ENGINE」は、UEFIやソフトウェアによる最適化、チューニングによって、性能を引き出すアプローチだ。


 最新世代では4つのパフォーマンスプリセットが用意されており、安定第一のプリセットと性能優先のプリセットをユーザーが簡単に選べるようになっている。この他にも豊富な設定メニューが用意されており、ユーザーの好みに応じたチューニングができるようになっている。


●Thunderbolt 4/5GBASE-T/Wi-Fi 7を全モデルで搭載!


 MSIのマザーボードは、多数のヒートシンクやヒートパイプで構成される冷却システム「FROZR GUARD」を装備している。


 この名称は、電源部やM.2 SSDなどの部品を効果的に冷却することで「熱から守る」意味に加えて、工具やネジの落下などによる「破損から守る」意味から付けられているという。


 今回のZ890シリーズでは、高速インタフェース/高速通信のサポートも特徴だ。Thunderbolt 4対応のUSB Type-C端子を全モデルで備え、上位の一部はデュアルで搭載する。有線LANも最大10GBASE-T、全モデルで5GBASE-T以上を採用している。さらにWi-Fi 7(IEEE 802.11be)対応の無線LANについても、320MHzのチャンネル幅で最高5.8Gbpsに対応する。


●ヘビーなAI活用を視野にいれたATX 3.1電源コネクター


 MSI Z890シリーズは、全モデルでATX 3.1/PCIe 5.1に対応する追加の8ピン電源コネクターを実装済みだ。従来のコネクターと合わせて、最大で420Wの電源供給を可能にしている。AIディープラーニング用のグラフィックスカード2枚差しや、次世代GPUを視野に入れた仕様ということだ。


●PC DIYを簡単にする「EZ DIY」


 組み立てやすさに配慮した「EZ DIY」フィーチャーにも注目だ。中でも、簡単にM.2 SSDを着脱ができる「EZ M.2 CLIP II」や、グラフィックスカードのロック/ロック解除をボタン1つで行える「EZ PCIe RELEASE」、差し込むだけで固定される「EZ ANTENNA」など、従来手間取りがちだった作業を楽にしてくれる。


 また、インターネット接続を検知するとドライバーのインストールユーティリティーが起動するなど、セットアップもしやすくなっている。


●9モデルという充実のラインアップ


 今回発表されたZ890シリーズは、最上位モデルからメインストリームクラスまでをカバーする9製品だ。主要モデルを中心にそれぞれ見ていこう。


最高品質で全部入り! 不動のフラッグシップ「MEG Z890 GODLIKE」


 最高品質で機能も全部入り。付加機能だけでなく追加の外付けデバイスも満載のフラッグシップモデルだ。「とにかく一番いいマザーボードが欲しい」という欲望を分かりやすく満たしてくれる製品で、日本にも固定ファンがおり、販売されると早々に完売してしまう傾向があるというので、欲しい人は早い目に手に入れた方がいいだろう。


ATX最強のウルトラハイエンドモデル「MEG Z890 ACE」


 GODLIKEに次ぐNo.2のウルトラハイエンドモデルで、先代シリーズでは大柄なE-ATXだったフォームファクターが通常のATXとなって扱いやすくなっている。110A/24フェーズの強力電源部に加え、GODLIKE以外では唯一10GBASE-T対応の有線LANを装備する。さらにデュアルThunderbolt 4端子、最大60W給電可能なフロントUSB端子、PCIe 5.0 x4対応を1基含む5基のM.2ソケットなど豪華機能を持つ。


ビジュアルとガチOC向けの本格機能が魅力「MEG Z890 UNIFY-X」


 OC(オーバークロック)競技で記録を狙うようなユーザーにフォーカスしたOC向けモデルだ。液体窒素などを利用した究極的な冷却がしやすいレイアウトで配線を最適化すべく、メモリソケットも2基のみに絞るなど、最速を狙うための仕様が徹底されている。過度な装飾を省いたセクシーな見た目は独特の存在感を醸し出す。EZ DIYフィーチャーも導入されており、実用性も十分なので、ひと味違ったマザーボードが欲しい人にもお勧めだ。


ビジュアル演出も魅力のハイエンドマザー「MPG Z890 CARBON WIFI」


 派手なRGB LEDイルミネーションを備えた、スタイリッシュなハイエンドモデルで、ビジュアルだけでなく110A/20フェーズの強力な電源部とサーバグレードの8層基板による超高耐久設計に、デュアルThunderbolt 4にデュアル有線LAN(5G+2.5G)、最大27W給電可能なフロントUSB端子、PCIe 5.0 x4対応を1基含む5基のM.2ソケットなど装備も豪華だ。


ホワイトPCに最適なハイエンドマザー「MPG Z890 EDGE TI WIFI」


 MPG Z890 CARBON WIFIをホワイトにしたようなビジュアルのマザーボードだ。ハイエンドシステムを白色でコーディネートしたいユーザーにぴったりだろう。電源部は90A/16フェーズで、有線LANは5GBASE-Tのシングル構成となる。最大27W給電可能なフロントUSB端子、PCIe 5.0 x4対応を1基含む5基のM.2ソケットを備える。


14層基板の高機能Mini-ITX「MPG Z890I EDGE TI WIFI」


 Mini-ITXフォームファクターのホワイトモデル。サーバグレードの14層基板に110A/10フェーズの電源部を搭載する高耐久仕様に加えて、M.2ソケットやUSBポートを拡張できる「5-in-1 XPANDER」ドーターカードが付属する。Mini-ITXフォームファクターながら、最大4基のM.2ソケットを利用できる。小型でもハイエンドシステムを組みたいユーザーに最適だ。


売れ筋No.1のZ890モデルが魅力アップ「MAG TOMAHAWK WIFI」


 MSIのマザーボード製品の中で、最も売れ筋のTOMAHAWKシリーズの最新Z890モデルだ。買いやすい価格帯ながらハイエンドに迫る電源部と基本機能、ミリタリーテイストのデザインが好評だという。最新モデルでもその特徴は健在で、電源部は90A/16フェーズと充実している。


 デュアルThunderbolt 4端子に最大27W給電可能なフロントUSB端子、PCIe 5.0 x4対応を1基含む4基のM.2ソケットを備える。M.2 SSDを片手で着脱できる「EZ M.2 CLIP II」やグラフィックスカードのロック/ロック解除をボタン1つで行える「EZ PCIe RELEASE」などのDIYフィーチャーが導入され、さらに魅力的になっている。


シンプルなクリエイターモデル「PRO Z890-A WIFI」


 ブラックの基板に、シルバーのヒートシンクを実装したシンプルなデザインのクリエイター向けモデルとなる。90A/16フェーズの電源部、デュアルThunderbolt 4に最大27W給電可能なフロントUSB端子などTOMAHAWKに準じた質実剛健な仕様だ。M.2 SSDを片手で着脱できる「EZ M.2 CLIP II」や、グラフィックスカードのロック/ロックをボタン1つで解除する「EZ PCIe RELEASE」などのDIYフィーチャーも同様に導入されている。


クリエイター向けベーシックモデル「PRO Z890-P WIFI」


 クリエイター向けのベーシックモデルで、上位モデルからはいくつかの機能は省かれているものの、5GBASE-T対応の有線LANやWi-Fi 7対応の無線LAN、Thunderbolt 4など十分な機能を備える。片手でM.2ストレージの着脱ができる「M.2 CLIP II」、差し込むだけで固定される「EZ ANTENNA」、グラフィックスカード取り外し用クリップを大型化した「EZ PCIe CLIP」といったEZ DIYフィーチャーを備えており、組み立てやメンテナンス作業も楽に行える。



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