「マジで受かっちゃった、どうしよう」48歳の無名芸人が『極悪女王』出演で掴んだ大チャンス

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2024年10月13日 06:10  web女性自身

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’80年代に日本に女子プロ旋風を巻き起こした稀代の悪役レスラー・ダンプ松本の半生を描いたNetflixシリーズ『極悪女王』(世界独占配信中)。実話をもとにしたその内容に加えて、ダンプ松本役にゆりやんレトリィバァ(33)、ライオネス飛鳥役に剛力彩芽(32)、長与千種役に唐田えりか(27)が起用されるとあって配信前から注目を集めてきた。



そんな注目作品で”全試合シーン”に立ち会うリングアナウンサー役に大抜擢されたのは、”売れない芸人”の神宮寺しし丸(48)。なぜ”売れない芸人”は世界中に配信される”当たり役”に大抜擢されたのかーー。



■年収1000万円を捨てて芸人になるもブレイクせず



「僕、お笑いだけじゃ食えないんで、もともと好きだった格闘技とかプロレスの団体でリングアナのバイトをやらせていただいていて。そういう流れもあってNetflixさんから3年前にオーディションのお話をいただきました」



太田プロ所属の48歳、”売れない芸人”を27年続けてきた神宮寺。過去には人材派遣会社を起業し、年収1000万円を越えていたこともあった。しかし、その年収を捨てて芸人の道を選んだ結果、50歳を目前にしてもアルバイトと芸人を掛け持ちする日々。目をかけてくれる事務所の先輩・劇団ひとり(47)の”おこぼれ”で、『ゴッドタン』(テレビ東京)などの地上波に若手としてたまに出演するもブレイクの機会には恵まれなかった。



そんな神宮寺にオーディションの声がかかったのにはリングアナのバイト以外に、もう一つの布石があった。ビートたけしの自伝を元に劇団ひとりが監督・脚本を手がけたNetflix映画『浅草キッド』(’21年から配信)への”チョイ役”での出演だった。



「ストリップ劇場で興奮して我慢できなくなって”トイレで抜く”っていう客の役をやったんですけど、監督から『お前本当に抜いてたろ!』って言われるぐらい、いい演技だったんです(笑)。そういうのをNetflixのスタッフの方が見て、オーディションを振ってくれたんじゃないかなと思うんです」



オーディション前にはNetflixから、ダンプ松本やクラッシュギャルズが活躍していた’80年代の全日本女子プロレスで実際にリングアナをしていた氏家清治氏の当時の動画が送られてきたという。



「こういうテイストのリングアナを求めているということなんですが、ここで問題が……。僕、本当にモノマネで”似てる”って言われたことがない(笑)。何度も動画を見て繰り返し練習していてもイマイチ手応えがなくて。でも、マネージャーが『意外と似てるんじゃない?』って言ってくれて、コロナ禍だったんで動画オーディションに送ったらまさかの合格。そもそも受かると思ってなかったんで、嬉しいっていうより、ビビりましたね。マジで受かっちゃった、どうしようみたいな。



僕はNetflixというか外資にビビるんで、SNSでの告知も、当たり前だけど情報解禁前は絶対ダメだから、万が一怒られたらどうしようって思って、配信開始後に告知しました(笑)」





■女優陣の体づくりに圧倒された



撮影に入ってさらに”ビビった”のが女子プロレスラー役の女優陣だったという。



「1番最初に驚いたのが女優さんたちの体ですよね。完全に”仕上がってる”んですよ。僕、プロレス好きなんで、そもそもレスラーの体は見慣れてるんですが、もう女優さんの体じゃないんですよ。みんな”女子レスラー”の体になってて。



どういうことなのか気になって、楽屋で恥ずかしげもなく剛力さんに話しかけて聞いたら、クランクインよりも1年前の4年前から、監修で入ってる長与千種さんの女子プロ団体『マーベラス』で、仕事の空き時間はずっと練習をしていたそうです。体作りから、受け身や技、ロープワークとかを1から全部練習して覚えたそうで、それってもうほぼ”入門”ですよね」



撮影現場でも女優陣の女子レスラーぶりに圧倒されたという。



「朝6時に新宿に集合してバスで移動して千葉の体育館で撮影ってときがあって、”朝早くて大変だな”とか思って行くじゃないですか。それで現場に着いたら、”女子選手”たちがリング上でもうストレッチとかトレーニングしてるんです。主演のゆりやんとか前日から前乗りして朝の4時とかに現場入りしてて。その光景が、もう本当に試合前の女子レスラーそのものなんですよ」



同作のプロレスシーンは基本的にノンスタントで撮影されたといい、現場は本物のプロレス会場のようだったという。



「僕、プロレス会場には子どもの頃からよく行ってたんですけど、リングから椅子、垂れ幕とか全て本物そのまま。観客役のエキストラさんが入るともうマジのプロレス会場なんですよ。それで、 エキストラの方も最初は観客を演じてるんですけど、目の前で本当に女子プロの試合をやるから見てて本気で感動するんですよ。”ワンツースリー”って決まったら本当に泣いちゃうエキストラさんとかもいて。会場の空気とか熱量がなんか異常でしたね。やっぱりNetflixすげえなと思いましたね」



白熱した試合シーンの撮影が終わっても、現場の興奮は続いた。



「『はい、カット!』って撮影が終わると、スタッフがバーって駆け寄って、実際のプロレスの試合終了と変わらないんです。セコンドが駆け寄って汗拭いて、次のシーンに備えるためにすぐにマッサージとか始めて、ほぐしてとか。もう完全にアスリートですよね」

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