F1エンジン活動終了を決めたルノーをアルピーヌ代表が支持「チームとしては最高のエンジンで戦いたい」

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2024年10月14日 06:50  AUTOSPORT web

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2024年F1第18戦シンガポールGP エステバン・オコン(アルピーヌ)
 アルピーヌF1チーム代表オリバー・オークスは、F1エンジン供給から撤退するというルノーの決定を全面的に支持した。

 ルノー・グループCEOルカ・デメオは、F1パワーユニット(PU)のプログラムを2025年末で終了すると決めた。ビリー−シャティヨンのF1エンジン・ファクトリーは他のプロジェクトを目的とした拠点に転換される。

 この決定は、ビリー−シャティヨンの従業員の間で大きな不満を引き起こした。しかしオークス代表は、アルピーヌチームとしては、ルノーにこだわることなく、可能な限り最高のエンジンを手に入れることを目指すべきであるとして、この変更を歓迎している。

 アルピーヌは、F1技術レギュレーションが大きく変更される2026年から、カスタマーチームとして活動することになる。搭載するパワーユニットの候補としてはメルセデスが有力であるとうわさされている。

「チームの全員がビリーの人々を大いに称賛し、尊敬している」とオークスはオランダのウェブサイト『RacingNews365』に対して語った。

「しかし、残酷ではあるが、チーム代表としては、最高のエンジンを手に入れてレースをしたい。それがすべてだ」

 ルノーのエンジン部門ビリー−シャティヨンとシャシー部門エンストンの間には長い歴史がある。しかし、F1の熾烈な競争の世界においては、パフォーマンスが優先されると、オークスは主張した。

「ビリーとエンストンは素晴らしい歴史を築いてきた。だが、優勝しさえすれば、ボンネットの下に何(のエンジン)があるのかは、誰も気にしないともいえる。それは非常に良いことでもある」

 2014年にハイブリッドエンジン時代がスタートして以来、ルノーはパワーユニットの性能においてライバルたちに遅れを取っている。現在ルノーのパワーユニットを搭載するのはアルピーヌチームのみで、2022年に同チームはコンストラクターズ選手権4位という好成績を収めたものの、今シーズンは苦戦し、ここまでの18戦でわずか13ポイントしか獲得しておらず、ランキング9位と低迷している。こうした状況から、ルノー経営陣は、パワーユニットサプライヤーとしてのF1への関与を考え直すこととなった。

 パワーユニットの製造には年間最大1億2000万ドル(約179億円)かかる可能性があるが、カスタマーエンジンで参戦すれば、コストを大幅に抑えられる。

 デメオCEOは、チームが低迷しているため、会社とF1プロジェクトの最大の利益を考え、F1エンジン事業から撤退するという決断を下さざるを得なかったと説明している。

「真の熱狂的なファンは別だが、一般的なファンとスポンサーはチームを見るのであって、エンジンを見るわけではない」と『L'Equipe』に対してデメオは語った。

「F1のファン層は変化した。若者や女性も含まれるようになり、この新しいファン層は、F1に対して異なる解釈を持っている」

「我々は、エンジンではなく、ドライバー、カラー、ブランドをサポートしている。ランキングを見れば、アルピーヌがボーナスを失っていることが分かる。スポンサーも少ない。アルピーヌは利益を出す必要がある」

「私は経営者であり、上場企業を経営している。最終的に勝つために、F1プロジェクトを再考する必要があり、それを実現する方法を模索している」

「我々は目立たない存在になってしまった。この状態があと2年続けば、プロジェクトは完全に収縮してしまうだろう。我々は3シーズンにわたって下降線をたどってきた。そのため、財政的な論理を持って、すべてを一新しなければならなかったのだ」

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